【鳥コラム】「飛行中の鳥が衝突しない理由」:解説③イントロ(導入部)の日本語訳

飛行中のカモメ

飛行中の鳥が衝突しない理由について今まで以下のように解説する記事をアップしてきました。

「飛行中の鳥が衝突しない理由」:論文の日本語訳と解説①要旨

「飛行中の鳥が衝突しない理由」:解説②論文著者の経歴

※論文→『Strategies for Pre-Emptive Mid-Air Collision Avoidance in Budgerigars』

 

今回は、Introduction、いわゆる論文の導入部です。要旨に比べると少し文章のボリュームが大きいです。この導入部の日本語訳と解説を行いたいと思います。

 

 

日本語訳

『セキセイインコにおける予防的な空中衝突回避ための戦略』

導入部

無人飛行物(ドローンなど)の使用促進と空の交通量増加に伴い、有人・無人両方の飛行物用の、自動的な判断や回避策を発展させるニーズが高まっています。これら発展ために、航空機に応用できるような、潜在性をもつ動物の行動を調査することが有益です。

鳥は150万年前から、昆虫は350万年前から空を飛んでおり、衝突回避のための強固な解決方法を発達させている可能性が高いです。昆虫は相対的に低いところで大量に集まり、身体を保護する外骨格がありますが、鳥はより重く、より速い速度で飛行し、構造が昆虫に比べて壊れやすいです。そのため、鳥は、事前に衝突の危険性を最小にする基本的なルールと戦略を確立するという強い圧力を受けているでしょう。

驚くべきことに、鳥における衝突回避はほとんど知られていません。過去の研究では、障害物の回避や、通路の狭い開口部を通過、群れの仲間の回避に焦点を当てていますが、具体的には二羽の鳥が互いに向かって飛ぶときに何が起こるかを調べた研究はありません。

本研究の目的は、鳥の衝突回避の一般的な能力と戦略を評価することです。一連の実験では、鳥のペアを飛行トンネルの両側から飛ばすことで、衝突の危険性を最小限に抑えるために使用している一般的な戦略を調査しました。これらの命題の予測確率を計算するベイジアンネットワークの中で、命題や仮説として興味深い潜在的な行動を発見し、鳥が使用する衝突回避戦略について強力な結論に達しました。

 

どうしても英語をそのまま和訳してしまうと、論文特有の英語表現で分かりにくい日本語になってしまったので、少し、意訳もしつつ日本語に訳しています。また、ずっと1節で書かれていたので、ある程度内容が近い文章ごとに4つ分けています。

イントロ部分の内容について簡単にまとめてみると、

1.作者の経歴を紹介した通り、鳥の行動研究というよりも鳥行動から工学的なアプローチを考える研究

2.鳥は太古の昔から空を飛び、衝突の回避できるよう発達してきた

3.今まで鳥同士がなぜ衝突しないかという研究はされてこなかった

4.実験結果を数学モデルに適用した結果、鳥の衝突回避戦略について結論に達した

 

このような形で、今回、論文の導入部の和訳を行い、要点をまとめました。導入部には、

・研究の目的
・なぜ鳥が対象か
・過去の研究状況
・研究の実験内容

という今回の研究における上記4つの項目について記載されていました。導入部によって研究の意義やモチベーション、それまでの研究状況といった、過去・現在・未来の研究について知ることができます。残る論文の章は、3つになりました。ここからは、文章量や、より専門的な内容になり難しくなりますが、頑張って日本語訳していきたいと思います。

原文

『Strategies for Pre-Emptive Mid-Air Collision Avoidance in Budgerigars』

Introduction

With the ever increasing density of air-traffic and operations pushing for the use of unmanned aircraft, there is a pressing need for developing robust automatic sense and avoid solutions for both manned and unmanned aircraft . In order to assist with the development of these solutions, it is useful to investigate behaviours in animals that could potentially be applicable to aircraft.

Birds have taken to the sky 150 million years ago  and insects 350 million years ago, and are likely to have evolved robust solutions for collision avoidance. While insects are relatively low in mass and possess an exoskeleton that provides a layer of protection, a bird is heavier, flies at faster speeds, and its structure is more fragile. Birds, therefore, must have been under strong evolutionary pressure to establish basic rules and strategies to minimize the risk of collision in advance. Surprisingly, very little is known about collision avoidance in birds.

Past studies have focused on obstacle avoidance or passage through narrow apertures  or avoidance of mates in a flock , but no studies have looked specifically at what happens when two birds fly towards each other.

The purpose of the present study is to evaluate birds’ general abilities and strategies for collision avoidance. In a series of experiments, we released pairs of birds from opposite sides of a flight tunnel to look for general strategies that they might use to minimize the risk of collisions. We pose the potential behaviours of interest as propositions or hypotheses in a Bayesian framework to compute the predictive probability of these propositions to arrive at robust conclusions about the collision-avoidance strategies used by the birds.

 

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