ハリネズミ自粛後の「めっちゃさわれる動物プラザ」の現場を実際に確認~生き物たちが苦しむ不適切な環境(開催中止決定)

お台場ヴィーナスフォート「めっちゃさわれる動物プラザ」

前回、東京・お台場のパレットタウン・ヴィーナスフォートで開催されていた『めっちゃさわれる動物プラザ』で、寒さに弱いハリネズミの温度管理がされず、冬の屋外で寒さに命の危機に晒されていた問題を取り上げました。

※知らない方は、お手数をおかけしますが、まず、過去記事の確認をお願いします。

お台場ヴィーナスフォートの「めっちゃさわれる動物プラザ」で、ハリネズミなどの寒さに弱い生き物も屋外で不適切な展示

SNSで飼育環境について、指摘が多数挙がった結果、運営からハリネズミの展示自粛の発表があり、一安心しました。しかし、何か虫の知らせがして、不安に襲われました。

  • 本当にハリネズミの展示は自粛されたのか
  • 他の生き物たちも同じように苦しんでいるのではないか
  • 運営側の体制はどうなっているのか

たくさん疑問が頭に浮かび、いてもたってもいられなくなり、自分の目で確認しようと決断しました。そこで、2017年1月3日に現地を訪れ、どのように展示が行われているのかこの目で直接確認してきました。私が見てきた「どのように生き物が展示されていたか」を、心配されている多くの方に知ってもらいたいと考え、記事にまとめました。

2017年1月3日に、現地視察+対応を行ったあと、今回のイベントの企画会社である「サニー・カラー・ジャパン」からTwitterで1月3日で展示の中止の発表がありました。開催場所の「ヴィーナスフォート」のHP上でも開催中止のお知らせが発表されました。

 

◆「めっちゃさわれる動物プラザ」現地の状況確認レポート

お台場ヴィーナスフォート「めっちゃさわれる動物プラザ」

■ヴィーナスフォートのイベント会場の温度はどんな感じだったか

まず、会場の温度ですが、とても寒かったです。生き物には厳しい温度と思います。天気予報では最高気温は13℃で、お台場についた時は、比較的暖かいと感じました。しかし、会場に着くと、とても寒く感じました。その理由は2つあります。

  • イベント開催場所は、ショッピングモールの中庭のため、建物に遮られ、日差しが入らない
  • お台場は海に面しており、海風が強く、強い風が中庭に入ってくる

正直、これだけ風が強いと、どれだけ保温対策しても焼け石に水です。この冬の季節に屋外開催は無謀ともいえます。

 

■会場の様子はどんな感じ?

会場はパレットタウンを訪れた子連れの親子の方々で盛況でした。外国人や、カップルで入場する姿も見られました。子供たちは、ふれあいやすい、ハムスターやウサギ、犬たちのコーナーに集まっていました。

会場に入ると、一通り見回って、運営側が発表した「ハリネズミの展示自粛」がきちんと実施されていることを確認しました。

 

■保温対策・温度管理は適切か?

これについては、適切とはいえない状態でした。寒さに弱い、小動物たちの飼育環境の写真を撮影しました。

めっちゃさわれる動物プラザの小動物たちの様子・保温状態1

めっちゃさわれる動物プラザの小動物たちの様子・保温状態2

基本的に①電球と②ケージに敷く電気カーペットorパネルヒータが保温器具でした。その他に、小動物のケージには、寝袋的なものが設置されています。電球の付近は少し暖かいですが、前述したとおり、会場は日の当たらない、風が強いお台場の屋外です。はっきりいって効果は薄いです。

めっちゃさわれる動物プラザのシマリスの保温状況

シマリスの保温状況の写真がこちらです。少し観察していましたが、まったく寝袋から動きませんでした。

■生き物たちの様子はどのようだったか

生き物たちは寒さにとても震えていました。前に掲示した写真を見てもらうと分かりますが、ウサギやモルモットを除く、小動物たちはほどんどケージの寝袋に隠れ、寒さを凌いでいる状態でした。一目で寒いと感じていることかわかる状態です。

モルモットが寒さのため電球の周りに仲間と身を寄せ合う様子

リスザルは見ていて、とても悲しい気持ちになりました。明らかに体を抱えて寒さに耐えています。苦しそうな表情が目に焼き付いています。

めっちゃさわれる動物プラザの寒さに耐えるリスザル

また、フクロモモンガなどの小動物も寒さに弱く、寒いと死の危険もあります。フクロモモンガも仲間同士、身を寄せ合っていました。犬や猫、コウモリ、イグアナなどの爬虫類も寒さに耐えていました。

めっちゃさわれる動物プラザで猫がどのように環境だったか。爬虫類のグリーンイグアナがどのような状況におかれていたか

 

■明らかに犬の様子が異変?

犬の触れ合い広場には、ビーグルやシュナウザーなどの犬が3頭いました。

めっちゃさわれる動物プラザの犬たち

最初みた時は、寒そうにはしていましたが、まだ少し動いたりしていました。しかし、他のエリアを見て、もう一度来てみると、キャバリアの様子が明らかにぐったりとしていました。眠っているだけかとも思いましたが、呼吸も弱々しく、うつろな状態でした。そのため、慌てて、会場のスタッフの方に声をかけたところ、動物管理者の方が来られ、保温できるコンテナスペースに避難しました。そこは、暖房器具もあり、暖かい環境だったので、キャバリアは少し元気を取り戻してくれました。運営から発表があった、展示を自粛したハリネズミも、このコンテナの中に入っているみたいでした。

運営側もすべての生き物に目が通っていない状況みたいでしたので、気づくことができてよかったです。

 

■保温だけじゃない、飼育環境の問題点

今回、小動物を中心に飼育環境を確認していましたが、どうやら、問題点は、保温対策・温度管理だけじゃないということが分かりました。

こちらは、フクロモモンガのケージの様子です。

めっちゃさわれる動物プラザのフクロモモンガの食事の様子

続いて、アルゼンチンデグーのケージの様子です。

めっちゃさわれる動物プラザのアルゼンチンデグーの食事の様子

ケージの様子を見て、私が着目したのは、小動物たちの主食が「ひまわりの種」だった点です。

鳥も昔は、ひまわりの種を与える人が多かったですが、ひまわりの種はとても脂肪分が多く、肥満などになりやすいです。人間でいえば、揚げ物等の高カロリーなものしか食べないのと同様です。現在の鳥の食事には、ひまわりの種は控えるよう推奨され、おやつに1日に1粒程度と言われています。

恐らく小動物も同じかと思い、調べてみました。やはり、ひまわりの種は脂肪の多さが問題で、食事にあげるのには注意とされているみたいです。

保温だけでなく、食事といった重要な点でも、飼育上の問題があることが分かりました。

 

■動物管理者とのやり取り

先ほどの犬の一件で、少し運営側とやり取りできるパイプができました。そこで、犬をコンテナに避難された動物管理者の方と話をさせていただきました。

  • 寒さに弱い生き物もいるが大丈夫なのか
  • 主食がひまわりの種で大丈夫なのか
  • 会期中に体調不良になった生き物はいないのか

しかし、それらに対する回答としては、以下の通りでした。

  • 夜は保温させている。今は仲間同士温めあっているし、問題ない
  • ペレットなどの総合栄養食が主流なのは把握している
  • ただ、昔からこの飼育方法でやってきて、生き物も長生きしている
  • 12/27の開催後から、亡くなった生き物はいない

最後の亡くなった生き物が、今回の展示では発生していないことを知ることができて、とても安心しました。

こちらの団体は、滋賀県守山の廃墟すぎるショッピングモールで話題になった、「ピエリ守山」で「めっちゃさわれる動物園」を運営している団体と同じで、『堀井動物園』という組織でした。こちらの園長は、動物好きなのは、分かりますが、過去に火事で動物たち何百頭を焼死させたりと、問題を起こしていた組織です。

色々やり取りをさせていただいた結果、動物たちをモノとして扱うほどのひどい運営ではないけれども、飼育環境は昔からのやり方を貫くスタイルで、展示の中止を訴えるのは難しいと感じました。

 

■ヴィーナスフォートの担当者へのアプローチ

ただ、このままにしておくわけにはいけません。そこで、ヴィーナスフォートの担当者に開催中止の要請を考えました。イベントは、別会社主催ですが、ヴィーナスフォートという場所を貸している以上、開催する権利を与えた責任はあるはずです。

そこで、ヴィーナスフォートの受付窓口に行き、中庭のイベントスペースの担当者にアポイントを取りたいと申し出たところ、「通常の電話番号から問い合わせてください。」と言われました。そのため、案内冊子に書かれた電話を通じて、担当者にやり取りました。

電話に出た方に、現場を見て、本来の生き物の飼育環境と温度が違いすぎることを伝え、何かしらの対応を求めました。しかし、電話を受けた方からは、『開催前に愛護センターのチェックを受けて、問題ないと言われている。ただ、他の方々からも同様の意見があり、お正月休み明けに再度、愛護センターにチェックしてもらう予定です』とのことでした。

また、『ヴィーナスフォートはスペースを貸しているだけなので、イベント主催者に連絡してほしい』と言われました。しかし、イベント主催に連絡しても、対応されない可能性が高いです。そこで、こちらから、『スペースを貸し出したということは、イベントを開催する権利を与えた施設側の責任もある』と伝え、施設としての対応を要請しました。その結果、めっちゃさわれる動物プラザのイベント担当者に取り次いでもらえました。

そこで、担当者と電話でやり取りし、本件の指摘について多数の方から受けていることについて、運営・企画会社と共有していると聞きました。また、現在対応について協議中とのことでした。企業側に誠意ある対応を要請し、お台場で私ができることが終了したので、帰宅しました。

 

■その後の経緯

その後は、ご存じの方も多いですが、1/3で生き物の展示が中止になりました。寒さで苦しむ生き物が解放されて本当によかったです。おそらくSNSでの人々の声の大きさに知り、事態の緊急性に気づいたのだと思います。その結果、『めっちゃさわれる動物プラザ』終了予定日の1月15日を待たずに展示が終了になりました。

 

■鳥が展示されなかった本当の理由

今回、鳥が展示されなかったのは、寒さに配慮したわけではありません。前回の記事でも紹介した通り、環境省からの指導があったからです。

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これは、鳥インフルエンザの拡大のため、指導を受けた模様です。もし、指導がなければ、鳥も展示されていた可能性は高いと、運営の管理者の方とお話して感じました。そのため、今回の一件は、鳥好きにも関係ない話ではありませんでした

■まとめ・終わりに

今回は、素早い決断で、会期終了前に開催中止になりました。しかし、他の場所でもこういったイベントは頻繁に開催されています。今後も、しっかり適切な環境で、適切な管理のもと、動物の触れ合いイベントが行われているか、注視が必要と感じました。

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  2. 「めっちゃさわれる動物プラザ」はなぜ開催されてしまったか?動物愛護相談センターのチェック体制を調査 | インコ生活〜飼い方・育て方の総合情報サイト

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