インコなど飼い鳥に危険・有毒な植物まとめ~観葉植物に注意!

2017年2月2日インコお世話,鳥に危険なもの,鳥コラム

普段、インテリアとして配置している観葉植物の中には、有害なものも多く存在します。もし、気づかずに設置していて、放鳥時に愛鳥が誤飲してしまうと、中毒症状が発生します。そこで、今回、鳥にとって危険な観葉植物をまとめました。

 

クリスマスフラワーの危険性

以前、クリスマスの時期に気を付けたい観葉植物についてお伝えしました。

ポインセチアは鳥に有毒!クリスマスに気を付けたい観葉植物

クリスマスフラワーとして有名な「ポインセチア」は、実は鳥にとって有害です。誤って口に含んでしまうと、下痢・けいれんが発生し、最悪の場合、死に至ることもあります。

ポインセチアの鮮やかな色合いにインコなどの飼い鳥が興味を示し、誤飲してしまう事故などはよく起きています。

 

観葉植物は愛鳥家にとって要注意

前述のポインセチア以外にも観葉植物には毒性があるものが多く存在します。そのため、インコなどと暮らしている愛鳥家にとっては非常に注意が必要です。

そうした事実を知らずに、インテリアとして飾っていると、愛鳥が放鳥時に中毒症状を引き起こす可能性があります。

そこで、インコなどの飼い鳥に毒性がある観葉植物をまとめてみました。

 

観葉植物の毒性に関する出典情報

鳥にとって危険な観葉植物ですが、「ザ・インコ&オウム」が最もたくさんの情報がまとめられています。2000年に出版された書籍のため、残念ながら、Amazonなどでは、中古本しか取扱いがありません。しかし、こちらの本は、古い情報もありますが、鳥の飼育に関する情報が、数値的なデータでもしっかりまとめられています。

その他、「コンパニオンバードの病気百科」にも、中毒による病気の項目があり、そこに植物の中毒がまとめられています。

 

鳥にとって危険な観葉植物

※2018年2月5日に新たな有毒植物を追加しました

名称部位成分症状
園芸植物(草)
シクラメン根茎サポニン配糖体シクラミン下痢・けいれん
フクジュソウ全体配糖体アドニン嘔吐下痢死亡
オモト全体ロデキシン運動機能マヒ・全身けいれんを死亡
クリスマスローズ全体配糖体ヘレボリン、アルカロイド心臓マヒで死亡
クレチマス()つる・プロトアネモニン接触によるかぶれ
アサガオ(朝顔)種子ファルビチン下痢死亡
チョウセンアサガオ全体アルカロイド各種精神異常死亡猛毒
トウゴマ種子アルカロイド嘔吐下痢死亡
ニオイスミレ、パンジー種子根茎ビオリン嘔吐神経麻痺
オシロイバナ全体トリゴネリン嘔吐下痢
ニチニチソウ全体アルカロイド各種全身マヒを死亡
スイセン全体リコリン嘔吐胃腸障害
ヒガンバナ全体アルカロイド嘔吐下痢中枢神経マヒをを死亡
スズラン全体コンバラトキシン心臓麻痺により死亡
ポインセチア全体アルカロイド下痢・けいれんを死亡
ベゴニア全体シュウ下痢胃腸のびらんを急性死亡
チューリップ全体ツリピン嘔吐、皮膚炎、心臓毒
ヒヤシンス茎、花、葉シュウ嘔吐、下痢、炎症
ポトス全体シュウ炎症、食欲低下、嚥下困難
カロライナジャスミン全体アルカロイド呼吸困難、心機能障害
園芸植物(木)
レンゲウツジ、シャクナゲ全体ロードトキシンなどけいれん・嘔吐呼吸困難死亡
アジサイ(紫陽花)配糖体下痢呼吸異常
アセビアンドロメドトキシンけいれん・嘔吐呼吸困難をを死亡
キョウチクトウ全体配糖体ネリオドレイン下痢嘔吐心臓麻痺死亡猛毒
ユズリハ樹皮アルカロイド、ダフニマクリン心臓マヒ・呼吸困難にて死亡
ナンテン樹皮ナンディニン中枢神経呼吸困難
エニシダ全体スパルテイン神経マヒ・呼吸困難にて死亡
エンジュ樹皮ロビチン胃腸下痢嘔吐
ニセアカシア樹皮ロビチン胃腸下痢嘔吐
ホオノキ樹皮精油筋肉マヒ
シキミ(シキビ)樹皮アニサチン、イリチン嘔吐下痢呼吸困難死亡
イチイ種子タキシン筋肉ケイレン、呼吸マヒ
ツゲ樹皮アルカロイドマヒ
ヤツデファトシン嘔吐下痢全身マヒ
トチノキ樹皮サポニン消化器炎症
フジ全体ロビチン胃腸下痢嘔吐
野山の植物
オナモミ全体配糖体肝臓異常
ワレモコウサポニン消化器異常
キツネノボタン全体プロトアネモニン下痢嘔吐死亡
ヨウシュヤマゴボウ全体アルカロイド、配糖体各種嘔吐下痢呼吸マヒ
ノイバラ果実ムルチフロリン呼吸マヒ
ドクウツギ果実コリアミルチン嘔吐・けいれんを死亡猛毒
エゴノキ種子エゴサポニン消化器異常溶血作用
スギナ全体珪酸消化器泌尿器異常

出典:「ザ・インコ&オウム

スズランやヒガンバナ、パンジーなどの身近な植物がたくさんあります。野生の草でも毒性を持つものがあるため、知識がないまま、野草を与えるのは、危険です。

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インコが有毒な観葉植物をかじってしまったら?

万が一、インコが誤ってかじった場合は、すぐに動物病院につれていき、獣医の先生に治療してもらいましょう。中毒症状は時間との勝負です。一分一秒でも早い処置が鳥の生命を左右します。獣医の先生に、誤って誤飲してしまった観葉植物の種類を伝え、その毒性に適した治療を行うことが大切です。

 

まとめ・終わりに

今回、書籍の情報をもとに、鳥にとって危険な植物を紹介しました。意外と毒性を持つ植物はたくさんあり、これらの植物は、鑑賞用としてホームセンターやフラワーショップでも購入できます。そのため、観葉植物として部屋に飾っていて、放鳥時にインコや文鳥がかじってしまうということもあります。こういった中毒の事故を防ぐためには、

  • ケージの付近に観葉植物を設置しない
  • 放鳥時は観葉植物に鳥が近づかないよう別の部屋に移動する

といった対応が必要です。愛鳥さんを万が一の事故から防ぐため、飼い主さんがしっかり配慮してあげましょう。