【鳥本】雑誌コンパニオンバードNo27のレビュー・書評~ワシントン条約(CITES)解説記事

2017年6月14日インコ書籍,鳥レポート

2017年6月12日(月)に、年2回発行の雑誌Companion Bird(コンパニオンバード)第27号が発売されました。早速入手しましたので、今号のコンパニオンバードの内容についてレビューを紹介したいと思います。

 

■コンパニオンバードNo27は鳥のお仕事特集

今回発売された、雑誌コンパニオンバードの特集記事は、「鳥と一緒に働きたい方、必見!教えて鳥さんのお仕事」です。

この特集記事では、様々な形で鳥と関わる仕事に取材を行い、働く人にインタビューを行っています。今回の記事では、下記の6種類の仕事が紹介されました。

  1. 海外の鳥施設で働く獣医師(シンガポールのジュロン・バードパーク)
  2. 鳥を飼いたい人に元気で可愛い鳥を届けるペットショップ(こんぱまる池袋店)
  3. 鳥と人が遊べる世界を提供する鳥カフェ(鳥のいるカフェ六本木店)
  4. バードセラピーで人を癒す団体(NPO法人とちぎアニマルセラピー協会)
  5. 自然を体験する手伝いをする施設(キャンベルタウン野鳥の森)
  6. 鳥モチーフ作家のお仕事(鳥絵付け作家)


それぞれの職場で行っている仕事内容、どういった思いで仕事に取り組んでいるかについて紹介されています。さらに、どうすれば、その仕事に就くことができるかも掲載しています。

鳥に関わる仕事がしたい人には、どんな仕事があるのか、その仕事のやりがいについても、働いている人の思いを知ることができるため、オススメしたい内容でした。

 

■鳥の法律~ワシントン条約と種の保存法

2つ目の特集は、「知っておきたい鳥に関する法律」です。『ワシントン条約(サイテス)』と日本国内の法律『種の保存法』について解説した特集記事です。

昨年2016年に行われたワシントン条約締結国会議があり、大型インコで人気のヨウムが附属書Ⅰに追加されました。それを受け、2017年1月に日本は、種の保存法の『国際希少野生動植物種』にヨウムを追加しました。その結果、ヨウムの売買・譲渡などの取引に大きく制限されるようになりました。指定機関に登録を受けた個体しか、取り引きはできません。

ヨウムが指定された時は大きな話題を呼び、インコ生活でも、ワシントン条約・サイテスについて取り上げました。しかし、法律の話は、複雑なため、分かりにくい面がありました。そういった意味で、今回の解説は、非常に価値ある特集記事です。

記事の中では、種の保存法とワシントン条約がそれぞれどういった目的・役割をしているかを解説しています。そして2つの法律の適用範囲を比較しています。そして、現在、『国際希少野生動植物種』(ワシントン条約の附属書Ⅰ)に指定されている主なオウム・インコをリストアップしています。

もし、自分が飼っている愛鳥が、今回の附属書Ⅰに掲載された場合に、指定機関に登録する手順を紹介しています。登録申請の手続きの順番と、必要な書類、登録手数料がコンパクトにまとめられているため、非常に分かりやすいです。

 

■鳥紹介はセキセイインコとメキシコインコ

今回の鳥紹介は、表紙にも掲載されたセキセイインコと、コガネメキシコインコとナナイロメキシコインコを中心としたメキシコインコです。

○セキセイインコ

  •  セキセイインコ飼育の歴史
  • 品種について
  • セキセイインコの特徴
  • 飼い方と注意点

上記について、6ページにわたって記載されています。カラーバリエーションも豊富で、初めて鳥を飼う人に最適な入門種として紹介されています。

○メキシコインコ

  •  コガネメキシコインコの特徴
  • ナナイロメキシコインコの特徴
  • その他のメキシコインコ
  • コガネとナナイロの飼い方と注意点

上記について8ページにわたって記載されています。その他のメキシコインコとして、黄色が美しいニョオウインコ(女王インコ)が紹介されています。飼う注意点として、ストレスによる毛引きが挙げられています。

 

■バードランについての入門記事

白黒ページでカラーではありませんが、イチオシの記事がバードランに関する入門記事です。普段、ご家庭内で飼っている愛鳥家の方には馴染みが薄いバードランについて、「そもそもバードランとは何か?」といった基本的なところから分かりやすく解説されています。

また、バードランを利用されている愛鳥家の声や愛鳥がバードランに参加する効果が紹介されています。そのうえで、認定NPO法人TSUBASAのとり村のバードランに参加する方法が、申し込み方法から、利用料金、利用時間まで説明されています。

愛鳥の社会性の形成にバードランは有効です。興味をもたれた方は愛鳥の状態を配慮しつつ、参加してみるのもよいと考えます。

 

■ほかにも読みたい記事がたくさん!

その他にも、事前に紹介していた青木愛弓氏による飼い鳥の水浴びトレーニングや、鳥さんのいる暮らし、となりのケージレイアウトなど、読んで役に立つ記事がありました。巻頭のインコたちのグラビア写真やもふもふ川柳などの見ていて楽しくなるコンテンツもありました。

もふもふ川柳は、今後書籍化も予定しているみたいで、公式Facebookで作品募集中です。これはという作品が生まれたら、応募してみるのも面白いと思います。

 

■まとめ・終わりに

2017年6月12日に発売された、雑誌コンパニオンバード第27号の掲載記事について、レビューしました。今号も、巻頭特集の鳥と関わる仕事紹介を中心に面白い記事がたくさん掲載されていました。

インコ生活では、鳥にまつわる法律や、バードランの解説記事が特に役に立つ記事だと感じました。ヨウムなどの国際希少野生動植物種の指定は、いつ訪れるか分かりません。そのため、個体の登録方法は、ぜひ知っておきたい内容です。

ぜひ、興味がある方は、一度書店で手にとってもらえたらと思います。