羽を切ったインコが海に飛び込み、助けようとした男性が溺れて死亡!「羽を切る=クリッピング」する意味について

2017年8月27日の午前7時ごろ、福井県で海岸で釣りをしていた男性が、一緒にいたインコが海に落ちたため、助けようと飛び込んだ結果、沖に流されました。救急隊員によって救助されましたが、病院搬送後の1時間半後に、死亡しました。

ペットのインコが海に落ち飛び込んだ男性死亡 福井(NHKニュース)

60歳男性がインコ助けようと溺死(スポーツ報知)

スポーツ報知のニュースによると、インコは飼い主の男性によって一度は救出されたものの、現在、見つかっていないそうです。このインコは、「クリッピング」と言われる、羽の一部を切って飛べない状態にされ、かごにも入っていませんでした。

この事故はニュースでも取り上げられました。クリッピングされたインコとはいえ、かごにも入れずに海辺で一緒に釣りをしていたのは、いただけません。しかし、そこでの意見やコメントを見ると、「鳥の羽を切って、飛べなくするなんて可哀想」というコメントが多くありました。

そこで、飼い鳥の羽の一部を切る、クリッピングについて解説したいと思います。

 

■クリッピングとは?

クリッピングとは、飼い鳥が飛べない(飛びにくくする)ことを目的として、羽の一部を切る行為です。「クリップする」とも言います。クリッピングについてはポイントを以下の3点にまとめました。

  • 全部の羽を切るのではなく一部をカット
  • 羽を切る時、出血もなく、鳥が痛みを感じない
  • 切った羽は、また生え変わる

切る対象は、風切羽という翼の端の羽です。鳥の羽は、人間でいうところの髪の毛になります。そのため、切っても痛みはありません。適切な羽を選択してカットすれば、出血することもありません。そして、切った羽が抜けると、また新しい羽が生えてきます。そして羽が生え揃うと、また飛べるようになります

主に中型インコや大型インコに対してクリッピングが行われます。小型のインコではクリッピングは行われるケースは珍しいです。ペットショップからお迎えした時など、ショップ側でクリッピングが行われることもあります。

 

■クリッピングのメリット・デメリット

飼い鳥にクリッピングを行うことで、飼い主には以下のようなメリットがあります。

  1. 室内を飛び回り、窓や壁に激突するのを防ぐ
  2. インコが屋外に逃げてしまうのを防ぐ
  3. 放鳥時に捕まえやすい

1番目は、インコを主とした飼い鳥にとって、室内という空間は狭いため、窓や壁に激突することもあります。特に中型・大型インコは、狭い空間では旋回しにくいため、物にぶつかる可能性が高いです。また、地震などが発生した時、鳥はパニックで飛び立つ習性があります。そういった時に、クリッピングをしておけば、室内の事故を減らせます。

2番目は、クリッピングによって、インコの迷子を防げます。飼い主は、愛鳥が逃げ出さないよう細心の注意を払いますが、それでも、うっかりして外に逃げてしまケースが発生します。そんな時、クリッピングをしておけば、外まで飛べないので、迷子・ロストを防ぐことができます。

続いてクリッピングのデメリットを紹介します。

  1. 飛べなくなることによる鳥のストレス
  2. 飛ばないことでの運動量の低下
  3. 羽をカットされる時に鳥が感じる恐怖

鳥は飛ぶことを中心とした生活を野生で送ってきたため、飛べないことでのストレスを感じます。さらに、飛べなくなると、運動量が低下し、運動不足による肥満になるケースもあります。また、羽をカットされる行為も鳥にとっては恐怖となります。

 

■アメリカではクリッピングする飼い主も多い

そんなメリット・デメリットもあるクリッピングですが、アメリカでは、飼い鳥(中型~大型のインコ・オウム)に実施している飼い主を多く見かけます。クリッピングによって飛ばない・逃げ出さないようになっているため、海外の愛鳥家は色々な場所にインコとお出かけしています。

 

■日本では、飼い主の間でもクリッピングについて賛否両論

日本では鳥の羽を切るクリッピングについて、賛否両論です。まさかの迷子やロスト、室内での事故を防ぐため、クリッピングをしている愛鳥家もいます。デメリットで紹介した、飛べないことでのストレス・運動不足が発生するため、推奨していない獣医の先生もいます。

もちろん、鳥の野生下での生活・鳥の生態を考えると、飛べることが望ましいです。ただ、日本の住宅事情や、迷子・ロストすることを考えると、クリッピングも事故を予防するための有効な選択肢の1つです。

 

■今回の飼い主が溺死した事故について考える

インコを助けようとして、海に飛び込み、飼い主の男性は溺死してしましました。そして、一度は救出されたインコも、現在見つかっていないそうです。今回の事故では、クリッピングによって飛べないようにしていたとはいえ、海辺という危険な場所に、インコをカゴやケージに入れずにいたことが問題と考えます

飼い鳥とお出かけされる愛鳥家も多くいらっしゃると思います。お出かけの際は、周囲の状況・危険性をきちんと把握することが大切です。近所の公園でも、野良猫やカラスなどの天敵が存在します。危険な場所では、鳥を守るため、キャリーの中に入れておきましょう。鳥と外出する際は、家の中以上に注意が必要です。

 

■まとめ・終わりに

2017年8月27日に福井県で、インコと一緒に釣りをしていた男性が、インコが海に落ちたのを助けようとして、溺死してしまう事故が発生しました。残念ながら続報のニュースでは、海に落ちたインコも一度は飼い主によって救出されたものの、その後、見つかっていないそうです。

今回、飼い鳥の羽を切るクリッピングについて、ニュースを見た人のコメントを多く見かけたため、クリッピングについて紹介・解説しました。空を飛ぶ鳥のため、飛べる方が望ましいのはもちろんです。しかし、クリッピングによって不慮の事故を予防することもできます。

この事件のインコは羽の一部をカットする「クリッピング」によって、飛べない状態でした。そのため、キャリーにも入れていませんでしたが、飛べないインコが突然、海に向かうことも起こり得ます。お出かけする際は、クリッピングしているからと言って、安心してはいけません。周囲に危険なものがないか把握し、細心の注意を払いましょう。

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