【鳥ビア】なぜ、鳥は電線に止まって感電しないのか。感電しない理由と解説

2017年3月12日鳥ビア(トリビア)

電線に止まる鳥

外に出ていくと、スズメやカラスなどの鳥が電線に止まっている風景はよく目にします。

これは、昔からよく見る光景ですが、子どものころみんな疑問に思ったことがあります。

「なぜ鳥は電線に止まっても感電しないのか」

子どものときに気になって調べたことがあるのですが、鳥の足が絶縁体だからという説や、片側だけなら大丈夫という説まで、いくつか理由があってどれが本当の理由か覚えていない状態でした。

そこで、今回改めて、鳥が感電しない理由を調べてみました。

 

鳥が電線に止まっても感電しない理由

こちらの理由を調査したところ、かなり色々な説明があります。

今回、信頼できる情報源として、中部電力の「エネルギアなん電だろう 調査隊」をソースにしています。

そこによると、鳥が感電しない理由は、「同じ電線を掴んでるため」とのことです。

同じ電線をつかむと、その区間の電流は、以下の2つに分かれます。

  1. 左足と右足の間の電線に流れる電流
  2. 鳥に流れる電流

電線は元々きわめて電線が流れやすい銅などの素材で作られています。

そのため、1の電線の抵抗値(Ω)が非常に小さい値です。電線と比較すると、鳥はずっと電流が流れにくく、抵抗値(Ω)は大きいです。

その結果、1,2に分かれた電流は、ほとんど電線側を流れ、鳥側を流れないそうです。

なお、鳥でも、右足に電線、左足に電柱などという、違う所と接触していると、感電します。

 

鳥と同じように人間も感電はしない?

先ほど鳥が電線に止まっても感電しない理由は、人間にも当てはまります。

人間も鳥同様、電線と比べると電気が流れにくい性質があります。

そのため、人間でも同じ電線に掴まり、ぶら下がっている場合は、感電することはありません。

ただし、2本の電線を掴んでしまったり、片手で電線、もう片手で電柱などに触れると電位差が生じるため、感電します。

 

中学校の理科で分かる!電流が流れない計算式

中学校で習った理科の内容を使って、その原理を確認してみます。まずそれぞれに流れる電流を以下のように仮定します。

  • 元の電線に流れる電流:Ia
  • 鳥の身体を流れる電流:Ib
  • 足間の電線を流れる電流:Ic

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図から、「Ia=Ib+Ic」という計算式が成り立つことが分かります。

次に、電流の流れにくさを表す抵抗値(Ω)ですが、鳥の抵抗値をRb左足と右足の間の電線の抵抗値をRcとします。

理科の電気分野で習う「オームの法則」を使うことで、鳥の身体に流れる電流の量を導くことができます。

計算式

電線に使われている材料の銅は、抵抗値が非常に小さく、「1メートル当たり約0.0172Ω」です。

足間だと長さが短いため、Rcの値は、さらに小さい値になります。

Rbと比較しても、非常に小さい値のため、鳥に流れる電流Ibはほとんど0に近い値のため、感電することがありません。

 

最近の電線は、絶縁電線に変わっている

ただ、最近は、電線も塩化ビニルなどの絶縁の被膜に覆われているため、そもそも電線に触れても感電しなくなっているそうです。

ただし、電圧がすごく高い高圧線などは、被膜化されていません。

 

終わりに

今回、鳥が電線に止まっても、感電しない理由を紹介しました。

現在、街中で見かける電線の多くは、絶縁体で電線が覆われた絶縁被膜の電線のため、感電しなくなっていることもありますが、そもそも、同じ電線を掴んでいる場合は、科学的に鳥に電流が流れないことを紹介しました。

人間でも同じ電線を掴めば、電流が流れませんが、別の電線に触れてしまったり、地面に足がつくと、感電する恐れがあります。

そのため、絶対に電線では遊ばないようにしましょう。