愛鳥(インコ・オウム・文鳥)の毛引きの症状や傾向、原因・対策と治療方法

インコお世話, 鳥の病気

愛鳥(インコ・オウム・フィンチ)の毛引き症の症状や傾向、原因と対策

インコやオウム、文鳥などの愛鳥における問題行動の1つに毛引きがあります。今回、その毛引きについて、毛引き症とは?というところから、症状や毛引きしやすい鳥の種類から、毛引きの原因と対策について、まとめてみたいと思います。

 

■毛引きとは?

毛引きとは、インコやオウム、文鳥などのコンパニオンバードが、生えている羽をかじったり、抜いたりする行為です。野生で暮らす鳥には見られない、飼い鳥特有の行動です

愛鳥の毛引き症の症状・様子・見た目

野鳥は、広い空間を自由に飛ぶことができ、群れで暮らす仲間とコミュニケーションを取ることができます。そのため、毛引きになるストレスが発生しにくい環境です。また、生きるために食料を探したりと、生き残るために追われているため、毛引きを行う余裕もありません。

オーストラリアの野生のインコ

それに対して、飼い鳥は一日の大半を、ケージという限られた空間で暮らしています。さらに、生きるために必要な食事(食餌)も、飼い主から不自由なく与えられています。その結果、時間をもて余しやすい環境が毛引きにつながるとされます。

 

■毛引きの種類と症状

毛引き症には、発症要因から大きく2種類に分類されます。

  1. 病気に由来する毛引き
  2. 精神的なストレスによる毛引き

1番目の病気によるものには、ウイルス性のものや皮膚疾患が発生要因となります。こちらは病気を治療すれば、毛引きも回復させることができます。

しかし、2番目のストレスによる精神的な毛引きは、治療が難しいです。まず、毛引きの原因となったストレスを特定する必要があります。ストレスを取り除いてあげた後も、毛引きが常同行動として習慣化してしまっている場合は、その行動を改善・なくす取り組みが必要です。

原因の特定と治療が医者・医師にも難しい毛引き症

また、毛引きの症状として、羽を抜くことから、クチバシで羽を噛み切る「毛かじり」やクチバシと舌を使って羽をクチャクチャと嚙む「羽嚙み」などがあります。さらに毛引きが進行すると、羽を抜きすぎて発生する「羽包障害」や、羽だけでなく、自分の地肌も嚙む「自咬」が行われます。

 

■毛引きしやすい場所

毛引きを行う場所としては、鳥の身体の中でクチバシが届くあらゆる部分になります。顔や頭は羽を抜くことができないので、起こりませんが、以下のような様々な部位で毛引きは行われます。

  • 下あご部
  • 頸部(首の後ろ)
  • 雨覆
  • 背部
  • 腰部
  • 脚部
  • 尾羽

どこを毛引きするかというのは、鳥の個体差によるところが大きいです。

 

■毛引きを起きやすい鳥種

毛引きを起こしやすい鳥の種類について、横浜小鳥の病院が調査を行っています。横浜小鳥の病院に毛引き症で来院した鳥1026羽の中で、どういった種類の小鳥が多かったかの統計データです。

  1. ヨウム
  2. マメルリハ
  3. コザクラインコ
  4. ボタンインコ
  5. ウロコインコ

鳥カフェ「鳥茶かふぇTORIKOYA」のヨウム

知能が高いとされるヨウムが圧倒的に多いことが結果のグラフで明らかとなりました。この結果は、以前にイタリアで行われた毛引きの調査でも、ヨウムで発生しやすいという結果でした。

また、マメルリハやコザクラインコ・ボタンインコなどのラブバードも毛引きしやすい傾向にあることが分かります。

関西・大阪心斎橋の鳥カフェ「The Step up OSAKA」のコザクラインコにおやつ体験

その他に、この調査のなかでは、オスとメスの飼い鳥を比較すると、オスの方が毛引きしやすいという性別による発症確率の差がある傾向となりました。

 

■毛引きの原因

毛引き症を発症する原因は、多くは精神的なストレスです。人間でもストレスを感じると、貧乏ゆすりをしたり、頭をかいたり、爪を噛んだりします。それと同じように鳥の場合は、ストレスを感じると、毛引きを行い、気を紛らわせようとします。その行動が習慣化してしまうことで、毛引きが常同行動になってしまいます。

そのストレスというのは、大きく以下の3つによるストレスがあげられます。

  1. 孤独
  2. 退屈
  3. 発情(性的欲求不満)

これらは、1羽飼いの割合が高い飼い鳥に多く当てはまります。飼い主が仕事で出掛けてしまった後は、1羽でお留守番することになります。そのため、非常に長時間、孤独に過ごしていることになります。その上、限られたケージのなかで、設置されているおもちゃだけで退屈をまぎらわせることは難しい環境です。

ケージの中で過ごす飼い鳥のセキセイインコ

また、1羽飼いということは、鳥の本能である発情も満たすことが難しいです。こうした点から飼い鳥において、1羽で飼育しているおうちでは、いつ毛引きが発症するかわからない状況にあります

 

■毛引きを予防する対策

毛引き症を防ぐためには、原因となるストレスを感じさせないことが大切です。つまり、愛鳥に対して、孤独や退屈、そして性的欲求不満を与えないような飼育環境を整えてあげる必要があります。

そのためにまず始めに行うべきは、食事や睡眠、生活スタイルの改善を行います。栄養バランスの整った食事を与え、夜更かしせずに十分な睡眠をとれるようにします。さらに、日光浴なども定期的に行うようにします。

その後、孤独を感じさせないようにするために、飼い主とのコミュニケーションの時間を増やします。退屈を防ぐために、愛鳥が気に入るおもちゃを設置し、さらにフォージングも取り入れます。また適切な温度管理を行い、発情しにくい環境を用意します。

このようにストレスを感じにくい飼育環境をつくってあげます。なお、上記は一例になりますので、愛鳥の個性に適した、孤独や退屈の解消法を取り入れてあげることが大切です。

 

■毛引き発症時の治療方法

毛引き発症時の治療法として、まず行うべきとされるのは、予防対策で紹介した、基本的な生活環境を改善してあげる必要があります。生活環境でストレスを感じる状態では、治療してもすぐに再発する恐れがあります。ストレスを感じにくい環境を整備したうえで、毛引きへの興味を亡くさせるために、フォージングやトレーニングによって、飼い主との楽しいコミュニケーションを増やしてあげます。

その上で、毛引きを治療する方法として、投薬による薬物治療や、エリザベスカラーの装着があります。これらは、獣医の指示に従い、治療を選択する必要があります。

 

■まとめ・終わりに

今回、インコやオウム、文鳥などの飼い鳥に起きる毛引き症についてまとめてみました。毛引き症はストレスによって発生する飼い鳥特有の病気です。毛引きを引き起こす原因は、孤独や退屈、性的欲求不満によるストレスです。そのため、知能に優れたヨウムやラブバードなどで発症しやすい傾向があります。

毛引きを予防するためには、日常の生活で発生し得るストレスを取り除いてあげる必要があります。今は毛引きが起きてなくても、いつ起きるか分かりません。愛鳥と積極的にコミュニケーションを取り、毛引きに興味を持たないようにしてあげましょう。