インコに生豆は有毒!中毒症状を引き起こす原因と与える場合の注意点
インコなどの飼い鳥に与えてはいけない食べ物の1つに生の豆類があります。多くの飼育書にも、生豆は与えてはいけないと書かれています。しかし、インコ飼育書では「なぜ、生豆が飼い鳥にとってNGなのか」、その有毒性や理由について明示されていません。そこで、生豆のインコに有毒な理由を解説したいと思います。
豆類はタンパク質が豊富で栄養価も高い食物
豆類は植物性の食材の中でも、タンパク質が非常に豊富です。人間にとっても栄養豊富なので、よく料理でも食材として利用されています。
大豆などの豆類を使った食材は、そのまま食べることはもちろん、豆腐やきな粉に加工したり、発酵させて味噌や醤油、納豆など様々な形で食べられています。
大豆などを生のまま飼い鳥に与えてはいけない理由
実は、大豆などの豆類を生のまま食べるのは、飼い鳥はもちろん人間にとっても危険です。生豆に含まれる物質を摂取することで、中毒症状を発症するからです。
かつて2006年にテレビで紹介された白インゲンの調理法で調理した白インゲンを摂取したことで、158人が中毒症状を訴えた事件がありました。
このときは、白インゲンを不十分な加熱処理のまま食べてしまったのが中毒発症の原因でした。このときの中毒症状としては、吐き気、嘔吐、下痢といった症状が見られたそうです。
生豆に含まれる有毒な成分は「レクチン」
生のままの大豆などを食べていけない理由として、豆類には「レクチン」と呼ばれるタンパク質が含まれているからです。
レクチンは中毒症状の原因物質で、血液に含まれている赤血球に結合して凝集させる性質があります。この性質を「赤血球凝集素」と呼びます。レクチンを摂取すると、こうした作用が働き、嘔吐、下痢等の消化器症状などを発症します。
これは人間だけでなく、他の動物でも同様に中毒症状が発生するとのことです。
インコが生豆で中毒症状を発症した事例は?
インコなどの飼い鳥に生豆を与えて中毒症状を発生した事例について、ネットや文献などを調査してみました。
有毒な生の豆類をインコなどがそのまま誤って食べてしまって、中毒症状を発症したという事例は発見できませんでした。しかし、人間でも血液に作用して中毒症状を発症することから、インコなどの鳥類でも同様の症状が発症すると考えられます。
豆類を愛鳥に与える際は煎る・煮るの加熱が必須
なお、生の豆に含まれるレクチンは加熱によって、その毒性は失われます。そのため、豆類をもし愛鳥に与える場合は、煮るや煎るといった加熱処理が必要になります。
厚生労働省のHPによると、豆類は沸騰状態で10分程度、煮続けることで毒性が破壊されると記載されています。そのため、愛鳥などに与える場合、十分加熱処理を行わなければいけません。ただ、十分加熱して、レクチンの毒性をなくせば、豆類は栄養豊富なので、愛鳥の副食として与えることができます。
まとめ・終わりに
今回、生の豆類がなぜ飼い鳥に危険か、その有毒性について解説しました。豆に含まれるレクチンが中毒症状を引きおこし、2006年には日本国内で、加熱が不十分な白インゲンを食べて、多くの人が中毒症状が発生しています。
インコなどの飼い鳥では発生事例は見つかりませんでしたが、その有毒物質のレクチンの性質的に鳥類でも同様の症状が引き起こされる可能性があります。
ただ、十分に加熱をすれば毒性はなくなるため、節分などで使う煎り豆などであれば、栄養価も豊富なので、副食として与えることは可能です。そのため、愛鳥含め、飼い主も生の大豆などには注意しましょう。
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