キクスイが異物混入のシードの検査結果を発表~サルモネラなどの病原菌の検出は確認されず

2017年1月14日鳥ニュース

以前、インコ生活で取り上げました、キクスイのシードに異物が混入されていた件についての続報です。
※過去記事(異物混入問題について、ご存じない方はご参照ください)

キクスイがシードの異物混入を発表~小鳥用食事の異物混入問題

■シードの異物混入問題の経緯

2016年12月5日に、「キクスイのシードに、ネズミのフンを含む、様々な異物が混入されている可能性がある」と、キクスイの発表がありました。ユーザーの多くが気にしていた点は、石や植物、虫の死骸といった異物ではなく、病原菌を多数保有する、ネズミの糞が混入されていたということでした。

元々は、Instagramのユーザーの方がネズミの糞と思われる写真を投稿されたのが発端でした。その際に、キクスイ側の対応が批判され、愛鳥家の間で話題になりました。その後、

  • 他のユーザーからも同じような写真が投稿
  • キクスイ側も調査し、異物混入の該当ロットを特定したと報告
  • その段階でネズミの糞が見つからなかったなどの言及はなかった

という点から、ネズミの糞の混入はあったと、インコ生活では判断しています。

 

■ペットフード検査の結果を公表

それから、年を越して、2017年1月12日に、キクスイのお知らせのWebページ(下記にリンク)に追記がありました。異物混入されたロットのシードについて、細菌・微生物のペットフード検査を実施した結果が公表されました。

キクスイHPのお知らせより引用

検査項目検査結果単位検査方法
サルモネラ陰性
(検出されず)
/25g(一般)BPW、RV、HTT、X-SAL培地
カンピロバクター・ジェジュニ/コリ陰性
(検出されず)
/gプレストン、
mCCDA培地
病原性大腸菌
(O26,O103,O111,
O121,O145,O157)
陰性
(検出されず)
/25gmEC、CT-SMAC、
CT-SBMAC、CT-RMAC、
Beutin、クロモカット

聞きなれない「カンピロバクター・ジェジュニ/コリ」は、東京都福祉保健局のHPに解説があります。カンピロバクターは病原菌の一種で、家畜、家禽、ペット、野生動物、野鳥等の動物の腸内に存在しています。人間が摂取すると食中毒の原因となり、腸炎などを発症します。

今回の検査結果では、3種類の細菌・病原菌については、検出されなかったと報告されてました。その結果を受け、キクスイは、「この結果で、ユーザーは少し安心頂けるのではないか」と記載されています。

 

■検査結果に安心して大丈夫?

「病原菌の検査も陰性」という発表を受け、キクスイの異物混入問題を気にされていた人は、安心してよいのでしょうか?この発表、検査の妥当性を判断するうえで、とても重要な情報が抜けています。それは、検査で使用されたサンプルの情報です。

現状、検査に使用したサンプルの情報では、「ネズミの糞の混入の報告があったロットの商品」という情報しかありません。一番重要な情報である、「どれぐらいの量」を検査したのか分かりません。今回の公開された情報だけでは、下記のような極端な解釈もできます。

『異物混入の問題のあったロット商品の25gを検査した結果、陰性だった』
※25gは表に記載の単位部分

これは、本当に信頼できる結果でしょうか

上記は、極端な解釈の例です。実際は公表されていないので不明です。

そのサンプル25gも、「もしかしたら選別されたものではなかったのか」、など疑問も浮かんでしまいます。通常、検査結果を発表するうえで、サンプリング数は必須の情報です。大学生のレポートでも、この情報がなければ、再提出のレベルです。それが欠けているとすれば、「何か隠しているんじゃないか」と疑惑を抱いてしまいます。

 

■まとめ・おわりに

「今回発表された検査結果の情報では、情報が足りず、安心できない」

とインコ生活では判断しています。検査結果を発表するうえでは、検査条件が重要です。検査条件によっては、検査を実施した側が希望する結果を導くことも可能です。また、そういった疑問をなくし、利用者が本当に安心できるために、きちんとした情報公開がキクスイに求められます。

 

※追記情報

2017年4月18日、6月17日にキクスイHP上で、新設備導入のお知らせがありました。「色の違いによる自動選別」が可能な選別機の導入によって、異物混入問題は防ぐことができるということです。