キクスイがシードの異物混入を発表~小鳥用食事の異物混入問題

2016年12月15日鳥ニュース

今、Twitterの鳥の飼い主(主に文鳥を飼われている方)の間で、キクスイがホットトピックになっています。キクスイは、鳥類飼料専門店として、小鳥用のシードやペレットを販売している会社です。今回のキクスイの問題をまとめてみました。

キクスイがなぜ話題なのか

キクスイが話題になったのは、2016年12月5日にキクスイのHP上で発表された内容が衝撃的だったからです。その内容は、

「シードに異物が混入されている可能性がある」

というもので、さらに異物の内容が信じられないものでした。雑草の種や植物の茎、土や小さな石といった不純物、まれに、虫の死骸、ネズミの糞、まで混入の恐れがあるとのことです。

ネズミの糞は、細菌が含まれている可能性もあります。鳥がそれを食べてしまえば、病気を発症しかねません。

 

異物混入の事の発端は?

元々は、キクスイのシードを購入されていた、文鳥を飼われている飼い主の方のInstagram(リンク)への投稿が発端でした。購入したシードを容器に移し替えている際に、シードではない、異物が混じっていることに気づきます。そして、その異物を確認したところ、ネズミの糞だったという衝撃的なお話でした。

 

その後の経緯は?

発見された飼い主の方は、キクスイへ連絡したところ、社長夫人が電話に出て、「返金はするけど、コスト的に安く提供しているのだから、自分で取り除きなさい」という企業対応としては、低レベルの対応を行ったそうです。

それを受け、発見された方がこの事実をSNSで公表すると伝えると、炎上を恐れたのか、先手を打って、12月5日にHPで発表した模様です。HPでの発表内容では、ネズミの糞はまれに混入となっています。しかし、その後、SNSに投稿された異物混入量は、20gに対して1g、すなわち全体の5%に異物が混入していた事例が明らかになりました。

※2016年12月23日追記

その後、以下のような経過報告がキクスイのHP上で行われました。

2016年12月17日に「出荷停止と再生産のお知らせ」

  • 問題のあった商品のロットが特定しつつある
  • 問題の商品は、別の原料を調達し、再生産を開始
  • 手作業を含んだ作業のため、生産が間に合わず、一部欠品も

さらに、2016年12月22日に上記お知らせが追記され、調査・対応の進捗がありました。

  • 2016年12月17日以降発送は、新しい別の原料を使用
  • 新しい原料では、異物は確実に減少している
  • 元々、ネズミがキクスイの工場内に侵入していなかった
  • そのため、新しい原料に変わることで、品質は改善したと判断
  • 心配な場合は、連絡すれば、返品・返金を受け付ける

調査の結果、今回の異物混入は、仕入れた原料が原因ということでした。キクスイ側が新しい原料に切り替えたことで、異物問題は改善されたと報告をしています。

 

※2017年1月12日に問題があった飼料の検査結果を公表

インコ生活でも検査結果について記事を掲載しています→キクスイが異物混入のシードの検査結果を発表~サルモネラなどの病原菌の検出は確認されず

 

※2017年4月18日、6月17日に「新設備導入」

キクスイHP上で、2回にわたり、新設備導入のお知らせがありました。その2の「色の違いによる自動選別」が可能な選別機が導入されることによって、異物混入問題は防ぐことができるとキクスイが発表しています。

 

キクスイという会社は大丈夫なの?

結論からいえば、はっきりいって、大丈夫ではないと思います

今回の問題をブログで取り上げている「ひとりっこ文鳥」さんは、以前ペレットでのキクスイの成分表示が公表されないことを書かれていました。NPO法人のTSUBASAの方にも、「国産ペレットで絶対に成分表示しないメーカーがある」と伺ったことがあります。今回のキクスイさんのことだと思います。

 

個人的な話ですが、以前、私が飼っている鳥用のペレットを探していた時期に、知り合いから、キクスイのペレットを薦められました。そこで、HP上で、成分表示表を調べましたが、見つからず、その時も、上記のブログにたどり着き、キクスイさんの

「ペレットの成分表示すると、他社に真似される。大手メーカーには太刀打ちできない」

という情報を知り、キクスイの商品は買わないことを選択しました。成分が分からないものを愛鳥に与えることはできません。成分を知ったところで、他のメーカーが真似しないと思うのですが。そういう企業スタンスなので、ユーザーとしては、選択しないと結論を出しました。

炎上リスクを恐れた、発表についての対応は迅速でしたが、一次対応については、企業の対応として問題があると感じます。

 

鳥のごはんに異物混入は仕方がない?

今回の件から、異物混入を防ぐのは難しいということが分かります。異物の混入を防ぐためには、それだけのコストがかかるわけです。ユーザーとしては、安い商品が選びたいというニーズもあります。

しかし、今回の異物混入対象である、ネズミの糞は、はっきり言ってコストをかけてでも取り除くべき異物です。虫の死骸よりも、病気のリスクも高いです。アンケートをとったわけではないので、分かりませんが、「安いけど、ネズミの糞が混入している可能性のあるシード」と、「高いけど、コストをかけて、選別したシード」なら、飼い主さんとしては、後者を選ぶ人が多いと思います。

ネズミの糞を混じっていても、仕方がないといって、取り除いて与えるユーザーは今の時代では少ないと思います。そういった点で、今回の混入では、該当のシードは、商品として出してよいレベルの品質ではなかったと認識しています。

ちなみに、今回の件は、シードでしたが、ペレットだから安心というわけではありません。現在も、ペレットでも異物混入は発生しています。私も、有名ペレットメーカーの商品を使用していますが、異物混入されていたことがあります。(また別途記事にしたいと思います。)

 

異物混入に対して、飼い主ができること

飼い主として、鳥のためにできることは、2つあると考えています。

  1. ごはんをあげるときに異物が入っていないかチェックする
  2. 購入しているシード・ペレットの情報を日々集め、品質の問題がないか確認する

企業側に、品質改善も強く求めていきたいところですが、ユーザー個人としては難しいことです。しかし、愛鳥を守るために、個人でできることもあります。これらをしっかり実践し、愛鳥に食事を楽しんでもらいたいと思います。

2016年12月17日追記
今回はシードの異物混入でしたが、ペレットの異物混入についても管理人の体験談を基に記事にしました。
「実はペレットも危険!?小鳥用食事の異物混入問題の続編」

 

※追記情報

2017年4月18日、6月17日にキクスイHP上で、新設備導入のお知らせがありました。「色の違いによる自動選別」が可能な選別機の導入によって、異物混入問題は防ぐことができるということです。

 

(2018年3月25日追記)エクセルなどの鳥用シードを販売するナチュラルペットフーズ(NPF)のシードでも、異物混入があると話題になっています。

ナチュラルペットフーズ(NPF)のシードに金属片の異物混入!エクセル(EXCEL)シリーズで確認