ネイルやマニキュアによるインコなどの愛鳥への影響と危険性~揮発性の化学物質に中毒性

2018年2月5日インコお世話,鳥に危険なもの

ネイルやマニキュアはインコに危険!有機溶剤による化学物質

ネイルやマニキュアによる、インコや文鳥などの飼い鳥への影響と危険性について紹介します。

多くの女性が、ネイルやマニキュアでオシャレを楽しんでいますが、ネイルやマニキュアで使用する製品には、人間だけでなく、鳥が摂取すると有害な化学物質が含まれています。

ネイルを塗ってから、乾くまでにも、有機溶剤が揮発した刺激臭が発生し、これも鳥に有毒です。

今回は、ネイル・マニキュアの愛鳥への影響と、使用時の注意点を解説します。

 

愛鳥家の方もネイルを楽しむ人が多い

今回はネイル・マニキュアの鳥への影響は、アロマやテフロン、金属などの「鳥に危険なもの」を紹介している中で、SNSで問い合わせを受けたのが発端です。

ネイルは、爪に装飾を施す化粧で、街中でもかなりの割合でネイルしている女性を見かけます。

鳥イベントなどで出かけた際にお会いした愛鳥家の方も、ファッションとしてインコネイルを楽しまれていました。

愛鳥家の女性でもネイル・マニキュアを楽しむ人は多い

※なお、足の場合は、「ペディキュア」と呼ぶそうです。

ただ、ネイルやマニキュアについて調査していくと、製品には、人体にとっても多くの有害な成分が含まれているケースが多いことが分かりました。

化学物質に対する有害性・中毒性は、鳥に対しても同様です

ネイルに関する注意は飼育本にも掲載が少ない

残念ながら、インコや文鳥などの飼育本・解説書では、ネイルやマニキュアの危険性を紹介しているものは少ないのが現状です。

一部、愛鳥に危険なものとして紹介されている書籍もありますが、一覧として掲載される程度で、見逃しやすい記述になっています。

ネイル・マニキュアの人体への危険性と有害性

ネイルやマニキュアのためには、「マニキュア液」や「除光液」が使用されます。これらの多くは、有機溶剤が含まれています。

ネイルで使用するマニキュア液には有機溶剤が使用

有機溶剤は、油性マジックに含まれているシンナーに近い成分です

体内に摂取すると、様々な中毒症状が発症します。人体にも影響を及し、健康を害することが、公益財団法人「日本中毒情報センター」でも紹介されています。

日本中毒情報センター「中毒事故の問い合わせが多い家庭内の化学製品(マニキュア液、マニキュア除光液)」

マニキュア液や除光液には、以下のような化学物質が含まれています。

  • アセトン(除光液に多く含有)
  • トルエン
  • 酢酸エチル
  • 酢酸ブチル

この中でも「アセトン」は有害性が高く、人間が摂取すると、頭痛、気管支炎、嘔吐などが発症します。

誤って乳幼児が、ネイル用マニキュア液や除光液を飲み込み、病院に搬送された事故なども発生しています

インコ/文鳥の飼い鳥は化学物質に対して過敏な反応

ネイルやマニキュアは鳥にとっても危険

インコや文鳥などの飼い鳥は、ネイルやマニキュアによって生じる化学物質に過敏な反応を示します。

呼吸器官が発達した鳥類は、アセトンなどの化学物質に弱いです。

ネイルで使用するマニキュア液は、時間がたつと揮発し、刺激臭のする気体になります。

この揮発した気体をインコたちが吸い込むと、呼吸困難の症状が発生し、落鳥する恐れもあるため、とても危険です。

付け爪のネイルの場合は、人工爪の成分も注意

また、ネイルでは、人工爪を取り付ける付け爪もよく行われています。付け爪の場合、取り付ける人工爪に鳥に有害な成分が使用されている可能性もあります。

付け爪の人工爪にも有害な物質が含まれている可能性

インコには、人間の爪をかじる癖がある個体も多くいます。そのため、付け爪もかじられる可能性があるため、要注意です。

 

ネイルする際に気を付けたいポイント

ネイルやマニキュアをする際の、注意点についてまとめたいと思います。

  1. ネイルやマニキュアを塗布する際は、愛鳥がいない場所で行う
  2. しっかり乾くまで十分な時間をかけ、換気を徹底する
  3. ネイルをした場合は、できるだけ愛鳥と触れ合わないようにする
  4. 除光液でネイルを剥す際も同様。剥した後はしっかり手洗い

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ネイルでマニキュア液を塗る際は、揮発して刺激臭が発生します。

その揮発成分が空気中に流れるため、必ずインコがいない場所で行いましょう。

しっかり乾くまで時間をかけ、ネイルを行う部屋を換気し、さらにインコの部屋の換気も行いましょう。

また、十分にネイルが乾燥しても、ネイル本体には化学成分が残っている状態です。

特にインコなどは人間の爪を噛む癖があるため、絶対に触れ合いは控えるようにしましょう。

また、ネイルを除光液で剥がす際も、ネイルする際と同様です。剥した後は、必ず手洗いをして、有毒な化学物質を爪や指から洗い流しましょう。

有機溶剤を用いないネイル・マニキュア方法も

ここまで、ネイル・マニキュアで使用する、有機溶剤を含んだマニキュア液の危険性や、注意点を紹介してきました。

しかし、現在では、マニキュア液でも、有機溶剤を使用していない水溶性タイプや、貼り付けるタイプのシールネイルなどもあります。

水溶性タイプでは、水で洗い流すことができます。そのため、ネイルを剥す際の除光液が不要です。

有機溶剤を使用していない水溶性タイプのマニキュア液「ルーマー MIYUNANA ナチュラルウォーターネイル」

ナチュラルウォーター ネイル MIYUNANA

シールネイルでは、簡単にネイルを剥すことができ、生分解性プラスチックなどの安全な材質のものがあります。

 

まとめ・終わりに

今回、ネイル・マニキュアの危険性について取り上げました。

ネイルする際に使用するマニキュア液や、ネイルを剥す際の除光液には、有機溶剤が使用されています。

有機溶剤に含まれるアセトンやトルエンといった化学物質は人間にも有害な物質で、鳥はさらに過敏な反応を示します。

注意点で紹介したように、鳥は飼い主の爪をかじったりするので、ネイルする際は、鳥との接触は控えるようにしましょう。

鳥がいない場所でネイルを行い、ネイル後は、触れ合いは避け、お世話する際は、ネイルを外し、しっかり手洗いしてから行いましょう。