インコの触覚の仕組み。鳥類は皮膚だけなく実はくちばしにも神経が!
インコの触覚について調べてみました。インコ飼育本でもあまり触覚について触れられることが少ないです。
しかし、実はくちばしにも触覚の神経が存在するなど、あまり知られていない研究結果がありました。
鳥類の触覚に関する文献は少ない
鳥の五感については、インコ飼育本だけでなく、色々な書籍で紹介されています。
しかし、五感のうち一つが「色覚」として紹介されることが多く、あまり触覚について解説している文献は少ないです。
そんな中、鳥の感覚に焦点を絞り、触覚に関しても記述がある書籍として、「鳥たちの驚異的な感覚世界」があります。
今回、この書籍を中心に、鳥類の触覚について調査してみました。
触覚については哺乳類と同程度
哺乳類と比較した場合、鳥類の嗅覚や味覚は劣っています。
鳥類の多くは昼行性で視覚が非常に発達しているため、その分、嗅覚や味覚はそれほどではないと言われています。
それに対し、触覚については哺乳類と同程度の感覚を有しており、接触や温度にも敏感になっています。
鳥類の触覚は特に抱卵において重要な働きをします。卵を適切な温度で温めたり、卵を押しつぶさないようにする役割を果たします。
羽を通して皮膚で触れたことを知覚
鳥類の皮膚は足の部分を除き、基本的に露出しておらず、羽に覆われています。
羽には大きく分けて3つに分類されます。
- 正羽
- 綿羽
- 毛状羽
3番目の毛状羽は身体の表面に点在しており、皮膚に振動で触れた感覚を伝えます。
インコの毛状羽にモノが触れると、その時の振動が羽を伝って、皮膚に伝達され、触れたことを知覚します。
実はインコのくちばしにも触覚が
あまり知られていない事実ですが、鳥類のくちばしにも触覚はあります。
くちばしは爪と同様にケラチンでできた物質のため、神経は存在していないように思われます。
しかし、19世紀に行われた研究結果によると、カモのくちばし先端器官の触覚受容体(ヘルプスト小体とグランドリー小体)は、内側にも外側にも存在することが明らかになりました。
特にくちばしの縁や先端に近い部分に神経が集まっているとのことです。
カモはくちばしの触覚神経を駆使して、水の中でエサや水、ドロを区別して、エサだけ食べるといった工夫を行っています。
このくちばしの触覚はカモに限ったものではなく、インコやオウム、フィンチなど鳥類全般で存在しています。
この感覚を駆使して、インコはパートナーや仲間の羽繕いを行っています。
まとめ・終わりに
今回、インコの触覚について調査しました。鳥の感覚の中で、触覚については他に比べ記述が少ないです。
しかし、鳥類も哺乳類と同様に鋭い触覚を保有しており、抱卵に活用しています。
鳥はくちばしにも触覚をもっており、エサを取るときや羽繕いにも役立てています。
ぜひ、愛鳥との触れ合いの際に、鳥の触覚についても意識して触れ合ってみて下さい。
※参考文献:鳥たちの驚異的な感覚世界
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