インコサミット御茶ノ水に参加。海老沢さん講演(インコ飼育本著者)など盛りだくさん
以前、取り上げた『インコサミット御茶ノ水』が2016年11月3日(祝・木)に開催されました。(記事はこちら)管理人も参加してきましたので、イベントのレポートをお届けしたいと思います。
インコサミットとは?
インコサミットは、日本全国で開催されている鳥グッズの販売を行っているイベントです。今までは、物販+鳥モチーフの食事の提供が主でした。しかし、インコサミットin 御茶ノ水は、講演がメインになった今までにないタイプのイベントです。しかも、今回、講演される講演者が充実しています。
- 柴田 祐未子(バーズグルーミングショップ)「鳥さんの食事について」
- 岡本勇太(写真家、オーストラリア鳥図鑑の著者)「野生のオウム・インコについて」
- 海老沢 和荘(横浜小鳥の病院)「飼い鳥の病気の原因について」
柴田さんと海老沢さんは、『はじめてのインコの飼い方・育て方』の著者で、その他にも多数のインコ飼育本やインコ関連本を出版されています。私も最初に購入したインコ飼育本がこの本でした。お迎えからお世話、トレーニング・病気までとても分かりやすくまとめられており、今でも、読み返している本です。
また、岡本さんは、日本初の野生のインコ・オウムの写真集『beauty in the nature セキセイインコ、オカメインコが住むオーストラリアの大地 オーストラリア鳥図鑑』を発売された方で、雑誌コンパニオンバードを読むと、オーストラリアのインコ特集などがあると、撮影された写真が掲載されています。さらに科学雑誌として最高峰とされる『ニュートン』にも掲載されたほどです。
今回のイベントは定員が200人だったそうですが、あっという間に満席になってしまったそうです。やはり講演内容が魅力だったことが要因に挙げられます。
インコサミット御茶ノ水 参加レポート
イベントは受付開始が12:00、講演開始が13:00だったので、当日は11:50ぐらいに会場に向かったところ、すでに30名近くの長蛇の列が並んでいました。12:00になり受付が始まり、チケットを提示して、入場プレゼントとパンフレットを受け取り、講演会場へ。講演会場は、会議室2部屋を連結されたとても広い会場でした。やはり200人収容クラスの講演なので大規模でした。
入場プレゼントでもらった商品です。
さらに入場者は当たり付き缶バッチの抽選がありましたが、私は残念ながらはずれてしまいました・・・
インコサミットはもう一つ物販会場があり、そちらでインコグッズや、飼育用品などの販売がありました。こちらは講演会場に比べ少し小さいスペースだったため、常に盛況でした。
13:00になると、インコサミット主催者の『かんたろう』さんが開催挨拶と、委員会のメンバー紹介を行いました。そこから、1番目の講演者の柴田さんにバトンタッチして講演がスタートしました。
講演①バードコンサルタント 柴田佑未子さん
柴田さんの講演はインコや文鳥を飼う飼い主がどうすればよいか試行錯誤を繰り返す『鳥さんの食事について』がテーマです。特にキーワードになりやすい「ペレットがよいか、シードがよいか」というポイントについて、どちらか一方がよいという論調ではなく、ペレットとシードのそれぞれのメリット・デメリットを示したうえで、それぞれのよいところを取り入れべきという論点で話されていました。また、飼い主さんが頭を悩ます「シードからペレットへの切り替え方法」について、非常に多岐にわたるケースを紹介され、とても参考になりました。さらに、柴田さんがおっしゃられた、「今までシードからペレットに変えられなかったケースはない。飼い主さんが根気よく、鳥さんと一緒に取り組めば必ずペレットを鳥は食べてくれる」がとても印象に残りました。
なお、今回の講演で推奨ペレットでハリソンが紹介されましたが、質問したところ、ペレットならラウディブッシュやラフィーバー、ケイティー、ズプリームどれでもよいということでした。ただ、ハリソンは、「有機栽培認定」と呼ばれる、アメリカ農務省の厳しい基準をクリアしており、原材料から製造工程まで厳しいガイドラインに沿って作られており、他のペレットと比較すると、製品の品質は高いということでした。
講演②動物写真家 岡本勇太さん
続いては、岡本勇太さんの『野生のオウム・インコについて』です。岡本さんは、今はオーストラリアで活動されており、今回も日本に帰国したわずかな期間での講演だそうで、また、すぐに1年ほどオーストラリアに向かわれるそうです。
インコ・オウムの写真を撮るようになった理由から、オーストラリアで取り続けてきた様々なインコの写真がとてもきれいでした。また、野生のインコをどうやって撮影したか、苦労した点などエピソードも非常によかったです。現在、数をどんどん減らし、絶滅が確実視されるインコの記録を残すために撮影を続けるなどとても立派に活動されていて、素晴らしいと思いました。
講演③横浜小鳥の病院・獣医師 海老沢和荘先生
海老沢先生のお若いです。平成7年に卒業され獣医師になられたということは、すでに40後半のはずですが、とても若々しかったです。
海老沢先生のお話は「なぜ飼い鳥は病気になるのか」というテーマで、非常に深い講演内容でした。野生の鳥と飼い鳥でどのように違っているのか比較を行い、ただ単に、病気にならないよう、気を付ける具体的なポイントではなく、病気に至るプロセスを丁寧に説明されました。行きつく先は、「病は気から」という結論になるのですが、その上で飼い主が果たすべき役割はどのようなことかという今回のお話はとても心に響きました。今までの研究・実験で培われたデータを使ったインコにとって良くないことの説明や、評価軸ごとにグラフを使って、インコにしてあげるべきことの図示も、非常に分かりやすかったです。(若干、最後のあたりの話は、科学的なアプローチとは毛色が変わり、おやっとなりましたが)
そんな素晴らしい講演をされた海老沢先生ですが、2016年6月に発売された最新の著書『これ1冊できちんとわかる しあわせなインコとの暮らし方』がイベントでも販売されており、サインがいただけるということで、ラスト1冊を購入しました!
とても、獣医とは思えない洗練されたイラスト入りのサインでした(笑)
『これ1冊できちんとわかる しあわせなインコとの暮らし方』は、通常の飼育本とは異なり、日常的なお世話の部分はコンパクトにまとめられ、メインテーマとして鳥のトレーニングにボリュームが割かれています。インコがストレスなく、しあわせに暮らすためにはトレーニングが効果的ということで、身体と頭を使った様々なトレーニングを行い、鳥の生活を充実させてあげることが目的の書籍です。お迎えや日々のお世話を知りたい人ではなく、インコをすでに飼われている人にぜひオススメしたい一冊です。
まとめ・終わりに
今回のインコサミットは鳥に関わるスペシャリストの方々の講演が非常に充実しており、色々なお話を聞くことができて大満足でした。こういったイベントは、とても刺激になり、自分の飼育方法を見つめ直す機会になり、有益なものだと思います。ぜひ、また開催されたら参加したいと感じました。
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