ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー(鳥部門)の受賞写真はワカケホンセイインコ~外敵に立ち向かう好戦的な一枚
イギリスのロンドン自然史博物館が主催している、「フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー(Wildlife Photographer of the Year)」(リンク:フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー)は、野生動物のフォトコンテストです。世界中の多くの野生動物を撮影する写真家が応募している、とても大規模なフォトコンテストです。2016年は、95カ国から集められた5万作品のエントリーがありました。
先日、フォトグラファー・オブ・ザ・イヤーの2016年度の結果発表がありました。大賞を含む主要な受賞作品については、ギズモード・ジャパンのサイトで紹介されています。「野生動物フォトコンテストの素晴らしい受賞作品」
注目したいのが、今回のフォトコンテストでは、鳥部門が設けられています。その鳥部門で今回受賞した作品の被写体が「ワカケホンセイインコ」です。しかも撮影されたのが普段目にすることがない貴重なシーンです。受賞者のfacebookページから引用しました。
ワカケホンセイインコの好戦的なワンショットです。写真に写っている、木の穴に潜り込んでいる動物は、『ベンガルオオトカゲ』という、全長が60~180cmもの巨大な肉食の爬虫類です。写真を見ても分かりますが、体長が約40cmとされているワカケホンセイインコに比べても、圧倒的に大きく、3倍以上の体格差がありそうです。そんな体格差にも負けず、ワカケホンセイインコが果敢に攻撃するというとてもレアなフォトで、受賞作となったのもうなずける素晴らしい作品です。恐らく、写真の樹の穴はワカケホンセイインコの巣で、ベンガルオオトカゲは巣を奪いに来た、または、巣にある卵を捕食しにきたのかもしれません。そんな巨大な外敵に対して猛然と立ち向かうワカケホンセイインコのたくましさに心が打たれます。
日本でも、東京などでワカケホンセイインコの野生化が確認されていますが、写真のような好戦的な面を持っていることを知ると、カラスなどの他の生き物に負けずに東京で野生化した理由が少しわかる気がします。
なお、この写真ですが、撮影期間は3日間にもおよび、その間に数百枚の写真が撮影されたそうです。その中から、いくつかセレクトされた写真が作者のページでスライドショーで紹介されています。作者のページ→http://www.naturelyrics.com/pages/articles/designs_of_a_dispute/designs_of_a_dispute.html
スライドショーを見ると、その後、ワカケホンセイインコの仲間も駆けつけ、一緒に戦っています。最終的には、巣を巡る戦いはどうなったのか。気になるところです。野生のインコの暮らしは、外敵との生存競争もあり、非常に大変です。その分、今回の受賞作は、野生のインコの生命力を感じさせられる一枚でした。
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