富山市ファミリーパークのニホンライチョウが産卵に成功!国内初の飼育下での産卵に、高まる人工繁殖への期待
2017年5月20日に、富山県にある、富山市ファミリーパークが飼育している、日本の特別天然記念物である鳥類「ニホンライチョウ」が卵を1つ産卵したというニュースがありました。
今年度から環境省がスタートした人工繁殖の事業で、産卵が確認されたのは初めてのケースということです。絶滅が危惧されるニホンライチョウが人工繁殖によって個体数が増加することが期待されています。
■ニホンライチョウ(日本雷鳥)とは?
ニホンライチョウは、日本国内に生息するライチョウの亜種です。体長は成鳥で、全長37cm程度です。季節で羽の色が変化し、夏羽は白・黒・茶の斑模様で、冬羽は尾を除き全身白色となります。主な生息地は、本州中部の標高2,200~2,400m以上の高山帯(日本アルプス)です。
■ニホンライチョウは国の特別天然記念物に指定
ライチョウは、絶滅のおそれが少ないとされていますが、亜種であるニホンライチョウは、環境省のレッドリストでは、「絶滅危惧IB類」のカテゴリーとされています。これは、絶滅危惧種の中で上から3番目のカテゴリーで、「近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの」という分類です。
環境省が提供している情報によると、1980年代には、国内に3000羽程度いたと推定されていましたが、2000年代には、2000羽程度に減少したと推定されています。過去には、明治時代に乱獲されたことを受け、大正時代に国の特別天然記念物に指定され、保護されています。
■富山市ファミリーパークのニホンライチョウが産卵!
富山市ファミリーパークには、一昨年、昨年と北アルプスで採取した卵から孵化したニホンライチョウが、オス6羽、メス1羽の合計7羽いました。
先月の2017年4月から、雄1羽と雌1羽をペアにして同じケージ内で飼育したところ、5月13日から交尾が確認され、2017年5月20日13時45分に1つの卵が産卵されていることが確認されました。
今回は、人工繁殖の事業で、ニホンライチョウの産卵は初めてのケースということです。生まれた卵は1週間後、人工ふ化器に移して、温めはじめて、早ければ来月には孵化が見込まれています。ライチョウは平均で6個の卵を産むことから、さらなる産卵が期待されます。
■終わりに
今回、富山市ファミリーパークで、人工飼育のニホンライチョウが初めて産卵に成功するという、嬉しいニュースでした。まだ卵は1つですが、今後ますます卵を産卵することが期待されます。それらを人工孵化させることで、絶滅に少しでも歯止めがかかると期待が膨らみます。
今後の産卵や孵化に注目が集まります。しっかり注視をしていきたいと思います。
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