愛鳥の脂粉でアレルギー発症の危険性?飼い主が注意したい鳥アレルギーの予防・対策

2018年8月20日インコお世話,鳥の病気

脂粉を摂取しつづけると、鳥アレルギーが発症することも

インコなどの愛鳥から出る脂粉。インコ臭とも言われ、独特の香ばしい匂いを好む愛鳥家も多いです。

しかし、脂粉を飼い主が摂取すると、体内に蓄積され、やがて鳥アレルギーを発症する危険性があります。

愛鳥家が鳥アレルギーを発症すると、お世話や触れ合いの際にアレルギー反応が出て、咳が出たり、鼻のムズムズや鼻水が出たりします。

悪化すると、肺炎も引き起こすため、愛鳥を手放さなければいけないこともあります。今回、そんな脂粉と鳥アレルギーの関係性を紹介します。

※脂粉について解説した記事はこちら→オカメインコや白色オウムに多い脂粉とは?役割・効果と仕組みを解説

 

脂粉で飼い主がアレルギー反応

脂粉というのは、粉綿羽という羽が崩れたものです。この脂粉には「ブルーム」と呼ばれる小さなタンパク質が含まれています。

インコから出る脂粉

東京医科歯科大学・呼吸器内科の宮崎泰成教授によると、脂粉に含まれる「ブルーム」が鳥アレルギーの原因となる抗原物質とのことです。

東京医科歯科大学の呼吸器内科の宮崎教授の鳥アレルギーの解説

その他にも、鳥のフンに含まれる「免疫グロブリン」という血清タンパク質も鳥アレルギーの原因物質とだそうです。人によって、許容値が異なりますが、摂取した量が許容値を超えると、鳥アレルギーを発症します。

 

羽毛布団での鳥アレルギー被害が話題

脂粉以外でも、鳥の羽で作られた商品を使用して、鳥アレルギーが発症することがあります。鳥を飼っていない人でも、羽毛布団を使用していたり、ダウンのコート・ジャケットを使用して、発症するケースが話題になりました。

羽毛布団を使用していて鳥アレルギーが発症

 

脂粉による鳥アレルギーの症状

脂粉を摂取することで、鳥アレルギーを発症すると、初期症状として、以下のような症状が現れます。

  • 目のかゆみ・充血・涙
  • 鼻のかゆみ・鼻水・くしゃみ・鼻づまり
  • 咳(せき)やのどの痛み

脂粉を摂取しつづけると、鳥アレルギーが発症することも

他のアレルギー反応と似た症状です。

 

鳥アレルギー性肺炎「鳥関連過敏性肺炎」の発症

鳥アレルギーが進行すると、「鳥関連過敏性肺炎」と呼ばれる鳥アレルギー性肺炎を引き起こします。

鳥関連過敏性肺炎

鳥関連過敏性肺炎の主な症状には、痰(たん)を伴わない乾いた咳や息苦しさがあります。さらに、急性の肺炎が起きると、38度を超える高熱が出ることもあるそうです。風邪と症状が似ているため、間違いやすいですが、せきが2週間以上続けば、過敏性肺炎の可能性があると言われています。

この症状まで発症すると、脂粉を摂取しない環境で暮らさなければいけません。最悪の場合、家族の一員である愛鳥との別れを覚悟する必要があります。

 

鳥アレルギー対策・予防方法

愛鳥家にとっては発症すると、鳥アレルギー反応を抑えるために、最愛の愛鳥との別れなければならないケースも発生します。そんな恐ろしい鳥アレルギーにならないために、鳥アレルギーに対策・予防方法について紹介します。

空気清浄機で脂粉を空気中から除去

愛鳥が普通に過ごしているだけで脂粉はどんどん発生します。中でも飛んだり、羽を羽ばたかせたりすると、空気中に一気に脂粉が舞います。その結果、愛鳥がいる部屋には、脂粉が空気中に散布している状態になっています。

脂粉が舞っている部屋で飼い主が過ごしていると、否が応でも脂粉を吸い込むことになります。そこで、鳥のいる空間に、空気清浄機を設置して、脂粉を空気中から取り除くことで、鳥アレルギーの予防ができます

鳥のいる部屋には空気清浄機で脂粉を除去

ただ、オカメインコや白色オウムなどでは、一日に出る脂粉の量はすごい量なので、こまめなフィルターの清掃・お手入れが必要です。

ケージの清掃時の脂粉摂取防止

愛鳥が過ごしているケージには脂粉が大量に堆積しています。これを掃除するときに、なにも装着せずに行うと、目や鼻、口といったあらゆるところから脂粉を摂取してしまいます。

体内に入る脂粉の量を抑えるため、ケージ清掃ではマスクを必ず着用するようにしましょう。また、目を保護するために、花粉症対策の眼鏡着用もオススメです。花粉症用の眼鏡を装着することで、脂粉が目に入るのを防ぐことができます。

鳥アレルギーの原因物質の脂粉を吸わないために、ケージ清掃時はマスク・メガネを着用

上記で紹介した空気清浄機フィルター掃除・交換時も、同様に防護マスク・メガネを着用しておきましょう。

このような対策を行うことで、脂粉の摂取量をゼロにはできませんが、劇的に減少させることができます。

 

まとめ・終わりに

今回、愛鳥の脂粉によって発症する鳥アレルギーの危険性について取り上げました。脂粉に含まれる「ブルーム」と呼ばれる物質を飼い主が摂取すると、鳥アレルギーを発症します。鳥アレルギーはさらに「鳥関連過敏性肺炎」という肺炎も引き起こします。こうなると、病気を治すため、脂粉をシャットアウトした環境の用意が必要です。最愛の愛鳥と別れる事態にもなりかねません

そうならないために、しっかり日ごろから鳥アレルギー予防・対策が大切です。鳥のいる空間には空気清浄機を設置し、ケージ清掃時はマスク・メガネを着用します。これによって脂粉を摂取を劇的に減少させ、鳥アレルギーの発症を防ぐことができます。

脂粉の香ばしい香りであるインコ臭は魅力的ですが、摂取しすぎで愛鳥との別れが必要になる可能性があります。そうならないため、今は大丈夫かもしれませんが、日々の脂粉の摂取を少なくして、鳥アレルギーの予防を行うことを推奨します。

 

※脂粉について解説した記事はこちら→オカメインコや白色オウムに多い脂粉とは?役割・効果と仕組みを解説