「鳥が好きすぎて、すみません」の書評・レビュー!細川博昭氏の初の鳥エッセイ
本日2018年10月10日発売の「鳥が好きすぎて、すみません」ですが、書泉グランデで行われた先行販売イベントで入手し、読了しましたので、早速書評・レビューをしたいと思います。本書は、執筆された細川博昭氏にとって初めての鳥エッセイです。これまでの細川氏の著書とは異なる魅力がある作品でした。
トークショー&サイン会で先行販売
鳥が好きすぎて、すみませんが、2018年10月10日に発売されることを受け、東京・神保町にある書店「書泉グランデ」で、先行販売イベントが開催されました。先行販売では購入者を対象に、著者の細川博昭氏のトークショー&サイン会が行われました。イベントには、本書を楽しみにしていた鳥好きの方が多数集まり、楽しそうに細川氏の話を熱心に聞いていました。
※トークショー&サイン会の様子はこちらで紹介しています。
鳥が好きすぎて、すみませんの構成内容
「鳥が好きすぎてすみません」は、以下の6章で構成されています。
- 世の中の鳥へのイメージ、鳥への目線
- 未来を決めた日、鳥と深い縁ができた理由
- 鳥と暮らしてわかったこと
- 驚異の能力! 脳力!?
- 鳥の行動からその心を知る
- 鳥が教えてくれた大事なこと
日本の人々の鳥を飼うことのイメージ
1章では、日本の人々の鳥を飼うことの印象について紹介がありました。元々日本人は、はるか昔から鳥を飼う文化がありました。かつて浅草などで行われてきたヤマガラの芸などは鎌倉時代から行われてきたそうです。昭和のころは、野鳥を捕獲して、飼育する文化もあったそうです。
しかし、昭和の途中から「鳥は飼うのではなく、野鳥を眺めるのが良い」という方向性が打ち出された結果、鳥獣保護法が整備され、野鳥を飼うのは保護することを除いて難しい状況になりました。
その結果、日本人と鳥の関係性が稀薄になってしまいました。さらには、飼うことが認められているインコや文鳥などを飼うことに対しても、よくないと思う風潮がありました。細川氏はそうした状況に警鐘を鳴らし、かつての日本人の鳥を飼う習慣を取り戻したいと説きます。
細川氏の主張は、統計的な数値でも明らかで、1980年ごろの鳥を飼う人の割合は、犬についで多く、猫よりも多い状態でした。それが、現在では、熱帯魚などの魚類よりも少なくなりました。鳥を飼うことが珍しいと思われるようになっています。
野鳥を飼うことに対しては、賛否両論あるかと思いますが、飼鳥史という側面で見直すことも大切ではないかと感じました。
著者の細川博昭氏の鳥との半生が描かれる
「鳥が好きすぎて、すみません」は、これまでの細川氏の書籍では描かれてこなかった、鳥との半生が描かれます。
こどもの頃はどのように鳥と接してきたのか、そして、就職などで鳥との暮らしから離れたあと、どのように鳥と再会したのか、本書で語られます。特に迷子だったセキセイインコ・ブルーオパーリンのぴぃちゃんとの出会いのエピソードは、鳥との深い絆を感じました。
また、鳥とのエピソード以外にも、細川博昭氏が作家・物書きになったかについても紹介があります。まだ14歳という子どものころから、作家になることを志し、それに向けて何をすべきか選択し、見事作家になった細川氏の戦略性は、非常に興味深い内容でした。
人間に匹敵する鳥の道具を作る+使う能力
鳥の能力のすごいところとして、道具を作ることと使う能力があげられます。そのなかで、「鳥が好きすぎて、すみません」では、カラスの巣作りを取り上げます。
巣作りは、建物を設計するかのごとく、設置する木の幹に合わせ、形状を整えます。さらに、途中に新しい巣の材料が手に入ると、作りかけの巣を取り壊して、再構築するそうです。まるで職人のような巣作りへの情熱を感じるエピソードでした。
愛鳥家なら共感できるエピソード満載
「鳥が好きすぎて、すみません」は、細川氏が鳥との暮らしから感じた・学んだエピソードが紹介されています。こうしたエピソードは、同じ鳥を飼う愛鳥家なら共感できるものばかりです。
個人的には、ケージから出たがらないオカメインコの菜摘ちゃんが、細川氏が疲れて眠っている時に生存確認するために、自分の意思でケージから出て、様子をうかがいにきたエピソードが、とても印象的でした。
その他にも、細川氏とインコたちとの素敵なエピソードが色々なところにちりばめられています。
まとめ・終わりに
今回、本日2018年10月10日に発売された、「鳥が好きすぎて、すみません」の書評・レビュー記事を掲載しました。これまでの書籍とは異なり、エッセイ形式の作品で、初の試みです。
細川氏が何十年もの間、鳥と暮らしてきて学んだ内容が紹介されています。特に細川氏の鳥とのエピソードは、愛鳥家の方にとって共感できるものばかりです。
これまでの細川博昭氏の書籍と雰囲気は異なりますが、「鳥が好きすぎて、すみません」は、鳥好きの方にはぜひオススメしたい作品です。
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