【鳥ニュース】インドの畑でインコがケシの実を食べ、アヘン中毒に!?

鳥ニュース

インドのとある畑でインコがケシの実を食べ、アヘン中毒になっていて、農作物にも被害が出ているという海外ニュースが掲載されています。この海外ニュースの対象となっているインコの種類や、状況についてまとめてみました。

 

ニュースの概要

海外ニュースを配信しているニュースサイト「CNN」で、2019年3月3日に以下のタイトルの記事が配信されました。

アヘン中毒のオウム、ケシ畑荒らす インド中部

※parrotのためオウムと日本語訳されていますが、正しくはインコです。

記事によると、「インドのケシ栽培畑にアヘン中毒にかかったインコが襲来して作物を荒らし、農家を困らせている。」とのことでした。

海外ニュースサイトには、インコがケシの実畑からケシの実を持ち去り、食べている様子が映った動画ニュースが掲載されています。

動画ニュースでは、作物がインコに襲われるのを24時間ずっと守っており、中には作物を守るため、畑にネットを張り巡らして、インコの侵入を防いでる農家もいるそうです。

 

対象のインコはホンセイインコ

ニュースで取り上げられた場所がインドであることから、対象となるインコは、中央アジアに生息するホンセイインコ系であることが分かります。さらに、ニュース動画を確認したところ、

  1. ワカケホンセイインコ
  2. コセイインコ

の2種類のインコがケシの実を食べていました。

ワカケホンセイインコは、日本でも野生化が進んでいるインコです。緑色の羽に覆われており、オスのワカケホンセイインコにはヒゲのような黒い輪があるのが特徴です。

ワカケホンセイインコのオスの特徴である黒い輪

コセイインコは、日本でも見かける機会が少ない、珍しいインコです。オスとメスでは頭部の羽の色が異なり、オスは濃いピンク色の羽に覆われているのに対し、メスは薄いグレーの羽が生えています。

野生のコセイインコのオスとメスのペアの小さめ画像

 

ケシの実を食べると本当にアヘン中毒に?

前述のCNNで紹介された記事では、農家の被害にフォーカスされた記事でした。そのため、インコがケシの実を食べると、本当にアヘン中毒になるのかまで言及されていませんでした。

ケシの実は、スパイスの1種として人間も料理などで使用しています。アヘンなどの麻薬は、ケシの実から生成される薬物性のある化学物質を抽出し、濃縮したりすることで生成します。「生えているケシの実を食べるだけで、中毒症状を引き起こすのか?」、この点が大きな疑問点となっています。そこで、英語版の配信記事を確認してみました。

Opium-Addicted Parrots Keep Raiding Poppy Farms in India

記事の後半で以下の記述がありました。

it was reported that the parrots were obviously becoming intoxicated from the poppies(インコが明らかにケシに酔っていたことが報告された)※インコ生活和訳

さらに、上記に続く記述として、

often crashing into trees and branches or being found lying dazed in a nearby field after having indulged in the drug(ドラッグに溺れた後、よく木々や枝に衝突したり、野原の近くで呆然と横たわっている)

と書かれており、中毒に近い症状が発症している模様です。

ケシの実

 

本当の被害者はインコたち

今回のニュースでは、主に農作物の被害にあった農家に焦点が当てられています。作物を守るために色々とした対策に追われているといった記述が書かれています。

しかし、本当の被害者は農家よりも、インコたちだと思います。人間がお金を稼ぐことができる危険な作物を育てることで、インコたちが中毒に陥るのは、本当に悲しい出来事です。

 

まとめ・終わりに

今回、インドの畑で栽培しているケシの実を食べて、ワカケホンセイインコやコセイインコがアヘン中毒になっていると、海外のニュースサイトで報じられました。英語の記事を読むと、中毒に近い症状がインコに起きているみたいです。

記事の観点では、農作物の被害にフォーカスされていますが、本当に被害を受けているのは、ケシの実を食べて中毒になっているインコだと思います。ぜひ、農作物の被害を抑えることだけでなく、鳥たちがこうした被害から防ぐための対策を取ることが求められます。