ボレー粉とカトルボーンのどっちがインコの副食によい?飼育書や専門家の意見を比較
シード食のインコの場合、不足する栄養素を補うために、副食が与えることが推奨されます。主食のシードだけでは足りないカルシウムやミネラルを補うために、副食としてボレー粉やカトルボーン(イカの甲)を与えます。この2つは同じカルシウムやミネラルを補うための副食ですが、どちらがインコの副食によいのか?今回飼育書や専門家の意見を調査しました。
ボレー粉もカトルボーンも海産物
ボレー粉とカトルボーンの共通点としては、どちらも海産物であることです。ボレー粉の場合は、牡蠣(カキ)の貝殻を細かく砕いたもので、カトルボーンはイカの頭部の骨(イカの甲)が原料です。イカの甲も正確には貝殻ということなので、貝殻という共通点があります。
成分的にはボレー粉とカトルボーンのどちらも炭酸カルシウムが80%以上を占めています。そのほかに、リン酸やマグネシウムなどが含まれています。
獣医師によるカトルボーンへの意見(ゆず動物病院)
兵庫県尼崎市にある「ゆず動物病院」のHPでは、鳥の食事について書かれた記事が掲載されています。その中で、副食については、ボレー粉を与えることを推奨しています。その理由として、カトルボーンが体調不良の原因になると述べています。
最近の報告ではカトルボーンや塩土は胃炎の原因になるとされています。
インコ飼育本のボレー粉への意見(細川博昭氏)
インコ飼育本の中で、ボレー粉とカトルボーンの比較について記述があったのは、細川博昭先生が執筆された「うちの鳥の老いじたく」です。
年を重ねた老鳥の食事について書かれた章で、以下の記述がありました。
胃の中にあるボレーはほとんど削られず、ただ固まりとしてそこに残り続けます。必要以上に胃に溜め込ませないためにも、一定年齢を過ぎたら、ボレーはやめて、カットルボーンなどのやわらかいものを与えるようにしましょう。
他の飼育本でボレー粉・カトルボーンの記述を調査
その他のインコ飼育本についても、副食としてのボレー粉とカトルボーンに関する与え方や注意点を調べてみました。
- はじめてのインコ飼い方・育て方:海老沢和荘氏(横浜小鳥の病院 )
- かわいいインコとの暮らし方:濱本麻衣氏(Ebisu Bird Crinic MAI)
- インコの食事と健康が分かる本:細川博昭氏(サイエンスライター)
- 中型インコ完全飼育:すずき莉萌(ヤマザキ動物専門学校講師)
- インコの飼い方図鑑:寄崎まりを氏(森下小鳥病院)
いずれの飼育書でもボレー粉がオススメといった記述や、カトルボーンを推奨するようなものはありませんでした。ただ、カルトボーンには、クチバシを整える働きや、ストレス解消にもつながるとの記述がありました。
ボレー粉とカトルボーンをどちらかを選ぶ基準
どちらも問題ないなら両方与えればよいという意見もありますが、ボレー粉とカトルボーンの両方は過多になる恐れがあります。
これまでの情報をまとめると、ボレー粉とカトルボーンどちらを与えるかは、個体の状況に応じて選択するとよいと思われます。年齢を重ねた老鳥の場合は、カトルボーンにした方がよいです。また、個体の好みによっては、カトルボーンが嫌いで食べないインコもいます。そうした年齢や好みなどの個体ごとに副食としてどちらを与えるか選択しましょう。
まとめ・終わりに
今回、シード食のインコのカルシウムを補うための副食として代表的なボレー粉とカトルボーンを比較しました。カトルボーンの場合、獣医師の方が胃炎の原因になると言い、ボレー粉の場合、老鳥では消化器官を傷つける恐れがあるとのことでした。
インコの飼育本を調査しましたが、ボレー粉とカトルボーンどちらか一方のみを推奨するものはありませんでした。そのため、それぞれのリスクが愛鳥にとって、危険性が高いか判断し、与える副食を決めるのがよいと思います。
もしくは、副食はインコの個体の好みでもあるため、気に入った方を与えるといったやり方にしてもよいかもしれません。
※ボレー粉とカトルボーンの与え方や注意点については以下の記事でまとめています。
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