【絶滅インコ】カロライナインコの特徴と絶滅した理由~インコで北米に唯一生息
かつて北アメリカに唯一生息していたインコがカロライナインコです。
しかし、1918年に動物園で保護されていた最後の1羽が亡くなり、絶滅してしまいました。
カロライナインコはどのような種類の鳥だったか、なぜ絶滅してしまったか、紹介したいと思います。
カロライナインコはアメリカ唯一のインコ
カロライナインコは北アメリカ大陸に生息していたインコです。
インコはメキシコなどの中米からブラジルなどの南米に生息しています。
そんな中、カロライナインコはアメリカ合衆国に生息していた唯一のインコでした。
今のアメリカで言うと、東はニューイングランド州から、西はコロラド州、南はフロリダ州と非常に生息地は広大でした。
カロライナインコの特徴
カロライナインコは、鼻から目のあたりにかけてはオレンジ色、頭部は黄色の羽が生えています。
首から下にかけては翼を含め、緑色の羽で覆われており、一部風切り羽に青みがあります。
カロライナインコは尾羽も長いのも特徴で、全長は約35cmほどあったそうです。
元々はリョコウバトに次ぐ個体数が生息
カロライナインコは元々個体数が少なかったといえば、そんなことはありません。
かつては世界一繁栄した鳥類と言われたリョコウバトほどではありませんが、かなり多くの数が生息していたと言われています。
しかし、そうした生息数の多さが後述する絶滅を招くことになってしまいました。
カロライナインコはなぜ絶滅してしまったか?
カロライナインコが絶滅した原因として、以下の3つの理由が言われています。
- 人間の果樹園の果物を食べる害鳥として扱われ駆除
- 綺麗な羽が羽飾りや装飾品として狙われ乱獲
- 農地開拓によって住処となる木々が伐採
また、カロライナインコには、死んだ仲間の周りに集まるという習性があり、それが人間の駆除・乱獲に大きく拍車をかけました。
元々、カロライナインコはアメリカの各地域でたくさんの個体が生息していました。
そのため、駆除や乱獲で個体数が減少していても、まだまだ個体数は多いと捉えられ、保護が遅れてしまいました。
その結果、カロライナインコは野生下において、1904年に絶滅しました。
絶滅理由に関する研究結果が発表
2019年12月にカロライナインコが絶滅した理由が人間の駆除や乱獲が原因だった可能性が高いと検証した研究結果が発表されました。
米インコの絶滅、やはり人間が原因か、DNAで判定(ナショナルジオグラフィック)
ナショナルジオグラフィックによると、カロライナインコ絶滅は本当に人間による駆除や乱獲が原因か、遺伝的な要因を調査した研究が行われたそうです。
DNA解析した結果、カロライナインコは今生きている多くの鳥類よりも遺伝的多様性が高く、遺伝的な衰退の痕跡はありませんでした。
そのため、カロライナインコの突然の減少は、人間の干渉が原因で絶滅した可能性が高いと結論付けました。
1918年に動物園の最後の1羽が死亡し、絶滅
野生のカロライナインコが絶滅した後も、動物園ではカロライナインコが飼育されていました。
しかし、野生種が絶滅した14年後の1918年に、オハイオ州にあるシンシナティ動物園で飼われていた「インカス」という名のオスが亡くなり、カロライナインコは完全に絶滅してしまいました。
地球上からカロライナインコは姿を消し、現代の人達ははく製や標本でしか、カロライナインコを見ることができません。
まとめ・終わりに
今回、絶滅してしまったインコとして、カロライナインコを取り上げました。
カロライナインコはアメリカの広範囲に生息していた北米で唯一のインコでした。
しかし、アメリカに移住した白人の果樹園の害鳥として駆除されたり、綺麗な羽飾りのため乱獲された結果、絶滅してしまいました。
今も世界中で多くのインコが絶滅の危機に瀕しています。
カロライナインコはもう2度と出会うことはできません。
カロライナインコのような悲劇を繰り返さないことが大切です。
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