【絶滅インコ】ゴクラクインコの特徴と絶滅した理由~特殊な生態と乱獲・開発が原因

インコ種類

絶滅したオーストラリアに生息していたインコ「ゴクラクインコ」のイラスト

ゴクラクインコは、かつてオーストラリアに生息していて、絶滅してしまったインコです。

1927年の目撃を最後に、人類の前から姿を消してしまいました。

ゴクラクインコはどのような種類の鳥だったか、なぜ絶滅してしまったか、紹介したいと思います。

 

ゴクラクインコの特徴

ゴクラクインコはオーストラリア大陸に生息していた、ビセイインコ属に分類されるインコです。

オーストラリアのクイーンズランド州からニューサウスウェールズ州北部を生息域としていました。

ゴクラクインコの体長は30cm程度です。

ゴクラクインコが描かれたイラスト

顔部は額に赤い羽が生えており、目の周囲は黄緑色の羽に覆われています。

頭部から胸にかけて青緑色の羽が生えており、下腹部は鮮やかな赤色の羽が生えています。

翼には大きな赤い斑点があり、背中は灰色、尾羽は青色の羽に覆われています。

非常にカラフルな色が特徴的で、英語名では「Paradise Parrot」と呼ばれています。

 

蟻塚に巣を作る性質

ゴクラクインコは他のインコとは異なる性質があります。

それは、アリ塚を巣にして、卵を産み、子育てすることです。

一般的な野生のインコは木の洞(穴)を見つけ、そこを巣として利用しますが、ゴクラクインコはシロアリが作った蟻塚を巣にします。

シロアリの蟻塚を巣に繁殖するゴクラクインコのペアの白黒写真

この特殊な習性が後述する絶滅理由に大きくかかわってきます。

 

イギリスでゴクラクインコの飼育がブームに

ゴクラクインコはその見た目の美しさから、オーストラリアを植民地としていたイギリスで飼育ブームになりました。

しかし、ゴクラクインコは飼育が難しく、飼ってもすぐに死んでしまうケースが多かったそうです。

また、アリ塚に巣を作るという特殊な性質のため、飼育個体の繁殖は不可能でした。

 

ゴクラクインコはなぜ絶滅した?

ゴクラクインコが絶滅した理由としては、以下の2つが挙げられます。

  1. 人間による駆除と乱獲
  2. 土地の開拓による生息環境の破壊

ゴクラクインコがイギリスで飼育ブームになったことで乱獲されました。

さらに、人間による土地開発によって、生息していた地域が奪われてしまいました。

1921年にゴクラクインコのつがいが目撃され、その後1927年には蟻塚に卵を産んだところまでは確認されました。

シロアリの蟻塚を巣に繁殖するゴクラクインコのペアの白黒写真

しかし、ゴクラクインコの親鳥は巣に戻ってこなくなり、卵が孵化することはありませんでした。

その後、ゴクラクインコの目撃情報がなく、1927年に絶滅したと考えられています。

 

まとめ・終わりに

今回、絶滅したインコとして、オーストラリアのゴクラクインコを紹介しました。

ゴクラクインコは非常に美しく、色鮮やかな鳥で、飼育がブームになるほどの人気ぶりでした。

それがゆえに乱獲され、さらには生息域が人間によって奪われてしまい、絶滅してしまいました。

美しいゴクラクインコに我々人類は2度と出会うことはできません。

今も世界中で多くのインコが絶滅の危機に瀕しています。

ゴクラクインコのような悲劇を繰り返さないため、自然環境の保護が必要です。