インコの病気「グリットインパクション」とは?胃に砂がたまりすぎる病気

2020年2月9日鳥の病気

インコの病気「グリットインパクション」とは?胃に砂がたまりすぎる病気、塩土の過剰摂取が原因に

インコに多い病気の中に、「グリットインパクション」と呼ばれるものがあります。

胃の中にグリットが溜まりすぎる病気、グリットインパクションについて原因や症状、治療方法を紹介したいと思います。

 

グリットインパクションとは?

グリットインパクションは鳥類が持つ2つの胃のうち、筋胃にグリットが溜まりすぎてしまう病気です。

筋胃は砂嚢とも言われ、胃の中に砂や小石を蓄積しています。

砂のイメージ写真

これらの砂や小石を使って食べ物を消化するのを助ける働きがあります。

通常であれば、こうした砂や小石は身体に良いのですが、体内の蓄積量が一定を超えると、グリットインパクションと呼ばれる症状を引き起こします。

 

グリットインパクションになる原因

グリットインパクションを発症する原因として多く挙げられるのが、塩土の摂取です。

そのため、最近は副食として塩土を与えないほうが良いという獣医師の指導が増えています。

塩土はインコに与えない方がよい?塩土に含まれる成分と専門家の見解を紹介

同じ副食のボレー粉を過剰に摂取することでも発症した事例が報告されています。

その他にも焼き砂やサンドパーチなどから砂を摂取して、グリットインパクションが起こることもあるそうです。

 

グリットインパクションの症状

グリットインパクションを発症したインコは胃閉塞を引き起こし、突然の嘔吐や食欲不振が症状として現れます。

その他にも絶食便や膨羽やなどの症状も見られることがあります。

グリットインパクションを発症しているかどうかは、レントゲン(X線)撮影し、胃の中の様子を獣医師が診断します。

レントゲンで撮影したインコのグリットインバクションの様子
コンパニオンバード病気百科より引用

鉱物によるグリットインパクションの場合は単純X線検査で診断可能ですが、鉱物以外の場合は造影X線検査が必要になるケースもあります。

 

グリットインパクションの治療方法は?

グリットインパクションを発症していることが判明したら、まず、シードやペレットなどの粒餌から、流動食に切り替えます。

グリットインパクションの治療としては、胃の中に溜まったグリットを取り除くことです。

グリットのサイズが小さいものは潤滑剤で排泄を促し、ボレー粉などは消化による溶解を待ちます。

排泄や溶解が難しい大きなグリットの場合には手術が必要になり、胃を切開し、外科的にグリットを摘出します。

 

まとめ・終わりに

今回、インコの病気「グリットインパクション」について紹介しました。

グリットインパクションは2つある胃のうち筋胃に砂が溜まりすぎることで発症します。

特に塩土を摂取して発症する事例が多数あり、現在では塩土を与えないことを推奨する獣医師が増えています。

塩土を与えている愛鳥家の方は、グリットインバクションにご注意ください。