インコなど飼い鳥に危険・有毒な植物まとめ~観葉植物に注意!
普段、インテリアとして配置している観葉植物の中には、有害なものも多く存在します。もし、気づかずに設置していて、放鳥時に愛鳥が誤飲してしまうと、中毒症状が発生します。そこで、今回、鳥にとって危険な観葉植物をまとめました。
クリスマスフラワーの危険性
以前、クリスマスの時期に気を付けたい観葉植物についてお伝えしました。
クリスマスフラワーとして有名な「ポインセチア」は、実は鳥にとって有害です。誤って口に含んでしまうと、下痢・けいれんが発生し、最悪の場合、死に至ることもあります。
ポインセチアの鮮やかな色合いにインコなどの飼い鳥が興味を示し、誤飲してしまう事故などはよく起きています。
観葉植物は愛鳥家にとって要注意
前述のポインセチア以外にも観葉植物には毒性があるものが多く存在します。そのため、インコなどと暮らしている愛鳥家にとっては非常に注意が必要です。
そうした事実を知らずに、インテリアとして飾っていると、愛鳥が放鳥時に中毒症状を引き起こす可能性があります。
そこで、インコなどの飼い鳥に毒性がある観葉植物をまとめてみました。
観葉植物の毒性に関する出典情報
鳥にとって危険な観葉植物ですが、「ザ・インコ&オウム」が最もたくさんの情報がまとめられています。2000年に出版された書籍のため、残念ながら、Amazonなどでは、中古本しか取扱いがありません。しかし、こちらの本は、古い情報もありますが、鳥の飼育に関する情報が、数値的なデータでもしっかりまとめられています。
その他、「コンパニオンバードの病気百科」にも、中毒による病気の項目があり、そこに植物の中毒がまとめられています。
鳥にとって危険な観葉植物
※2018年2月5日に新たな有毒植物を追加しました
名称 | 部位 | 毒成分 | 症状 |
園芸植物(草) | |||
シクラメン | 根茎 | サポニン配糖体シクラミン | 下痢・けいれん |
フクジュソウ | 全体 | 配糖体アドニン | 嘔吐・下痢を経て死亡 |
オモト | 全体 | ロデキシン | 運動機能マヒ・全身けいれんを経て死亡 |
クリスマスローズ | 全体 | 配糖体ヘレボリン、アルカロイド | 心臓マヒで死亡 |
クレチマス(鉄仙) | つる・汁 | プロトアネモニン | 接触によるかぶれ |
アサガオ(朝顔) | 種子 | ファルビチン | 下痢を経て死亡 |
チョウセンアサガオ | 全体 | アルカロイド各種 | 精神異常を経て死亡。猛毒 |
トウゴマ | 葉・種子 | アルカロイド他 | 嘔吐・下痢を経て死亡 |
ニオイスミレ、パンジー | 種子・根茎 | ビオリン | 嘔吐・神経麻痺 |
オシロイバナ | 全体 | トリゴネリン | 嘔吐・下痢 |
ニチニチソウ | 全体 | アルカロイド各種 | 全身マヒを経て死亡 |
スイセン | 全体 | リコリン | 嘔吐・胃腸障害 |
ヒガンバナ | 全体 | アルカロイド | 嘔吐・下痢・中枢神経マヒをを経て死亡 |
スズラン | 全体 | コンバラトキシン他 | 心臓麻痺により死亡 |
ポインセチア | 全体 | アルカロイド | 下痢・けいれんを経て死亡 |
ベゴニア | 全体 | シュウ酸 | 下痢・胃腸のびらんを経て急性死亡 |
チューリップ | 全体 | ツリピン | 嘔吐、皮膚炎、心臓毒 |
ヒヤシンス | 茎、花、葉 | シュウ酸 | 嘔吐、下痢、炎症 |
ポトス | 全体 | シュウ酸 | 炎症、食欲低下、嚥下困難 |
カロライナジャスミン | 全体 | アルカロイド | 呼吸困難、心機能障害 |
園芸植物(木) | |||
レンゲウツジ、シャクナゲ | 全体 | ロードトキシンなど | けいれん・嘔吐・呼吸困難を経て死亡 |
アジサイ(紫陽花) | 葉・根 | 配糖体 | 下痢・呼吸異常 |
アセビ | 花・葉 | アンドロメドトキシン | けいれん・嘔吐・呼吸困難をを経て死亡 |
キョウチクトウ | 全体 | 配糖体ネリオドレイン | 下痢・嘔吐・心臓麻痺で死亡。猛毒 |
ユズリハ | 葉・樹皮 | アルカロイド、ダフニマクリン | 心臓マヒ・呼吸困難にて死亡 |
ナンテン | 葉・樹皮・実 | ナンディニン | 中枢神経・呼吸困難 |
エニシダ | 全体 | スパルテイン | 神経マヒ・呼吸困難にて死亡 |
エンジュ | 茎・樹皮・実 | ロビチン | 胃腸炎・下痢・嘔吐 |
ニセアカシア | 茎・樹皮・実 | ロビチン | 胃腸炎・下痢・嘔吐 |
ホオノキ | 茎・樹皮 | 精油 | 筋肉マヒ |
シキミ(シキビ) | 茎・樹皮・実 | アニサチン、イリチン | 嘔吐・下痢・呼吸困難を経て死亡 |
イチイ | 葉・種子 | タキシン | 筋肉ケイレン、呼吸マヒ |
ツゲ | 葉・樹皮 | アルカロイド | マヒ |
ヤツデ | 葉 | ファトシン | 嘔吐・下痢・全身マヒ |
トチノキ | 葉・樹皮・実 | サポニン | 消化器炎症 |
ウンベラータ | 葉・幹・樹液 | ラテックス等 | そのう消化器炎症・痙攣 |
フジ類 | 全体 | ロビチン | 胃腸炎・下痢・嘔吐 |
野山の植物 | |||
オナモミ | 全体 | 配糖体 | 胃・肝臓の異常 |
ワレモコウ | 根 | サポニン | 消化器異常 |
キツネノボタン | 全体 | プロトアネモニン | 下痢・嘔吐を経て死亡 |
ヨウシュヤマゴボウ | 全体 | アルカロイド、配糖体各種 | 嘔吐・下痢。呼吸マヒ |
ノイバラ | 果実 | ムルチフロリン | 呼吸マヒ |
ドクウツギ | 甘い果実 | コリアミルチン | 嘔吐・けいれんを経て死亡。猛毒 |
エゴノキ | 種子 | エゴサポニン | 消化器異常、溶血作用 |
スギナ | 全体 | 珪酸 | 消化器・泌尿器異常 |
出典:「ザ・インコ&オウム」
スズランやヒガンバナ、パンジーなどの身近な植物がたくさんあります。野生の草でも毒性を持つものがあるため、知識がないまま、野草を与えるのは、危険です。
インコが有毒な観葉植物をかじってしまったら?
万が一、インコが誤ってかじった場合は、すぐに動物病院につれていき、獣医の先生に治療してもらいましょう。中毒症状は時間との勝負です。一分一秒でも早い処置が鳥の生命を左右します。獣医の先生に、誤って誤飲してしまった観葉植物の種類を伝え、その毒性に適した治療を行うことが大切です。
まとめ・終わりに
今回、書籍の情報をもとに、鳥にとって危険な植物を紹介しました。意外と毒性を持つ植物はたくさんあり、これらの植物は、鑑賞用としてホームセンターやフラワーショップでも購入できます。そのため、観葉植物として部屋に飾っていて、放鳥時にインコや文鳥がかじってしまうということもあります。こういった中毒の事故を防ぐためには、
- ケージの付近に観葉植物を設置しない
- 放鳥時は観葉植物に鳥が近づかないよう別の部屋に移動する
といった対応が必要です。愛鳥さんを万が一の事故から防ぐため、飼い主さんがしっかり配慮してあげましょう。
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