【放送後追記】地球ドラマチック「空の王者 ワシ」が7月11日放送!イヌワシの狩りとハクトウワシの子育てに密着

2020年7月9日鳥メディア

NHK教育テレビ(Eテレ)の地球ドラマチック7月11日の放送は「空の王者 ワシ」で猛禽類が特集

2020年7月11日(土)19:00よりNHK教育テレビ(Eテレ)の地球ドラマチックで猛禽類のワシが取り上げられます。

「空の王者 ワシ」というタイトルで、イヌワシやハクトウワシが登場し、食物連鎖の頂点に立つワシがどのような生態か迫る放送回です。

※地球ドラマチック「空の王者 ワシ」の放送を受け、記事を追記しました。

 

7月11日の地球ドラマチックの放送概要

地球ドラマチックは、海外で制作されたノンフィクションのドキュメンタリー番組を日本語に吹き替えて放送するNHK教育テレビの番組です。

動物の生態や自然の謎に迫ったり、歴史的建造物にフォーカスする内容が多くなっています。

7月11日の地球ドラマチックは猛禽類のワシを特集します。

NHK教育テレビ(Eテレ)の地球ドラマチック7月11日の放送は「空の王者 ワシ」で猛禽類が特集

空高く舞い上がり、抜群の視力を活(い)かして、確実に獲物を仕留めるワシ。その驚異的な能力の秘密とは!?力強くも、美しい、ワシの知られざる生態に迫る!(次回予告より)

 

猛禽類の王者、ワシを取材

ワシは鳥類の中でも大型サイズで、鋭い爪とクチバシを有する肉食性の猛禽類です。

イヌワシの横顔を撮影した写真

様々な動物を空中から狩りをして捕らえることから、鳥類最強との呼び声も高く、食物連鎖の頂点に君臨しています。

 

ワシが獲物をどのようにとらえるか実験

今回取材に協力した専門家が飼育しているイヌワシが、どのように獲物を捕らえるか、実験が行われました。

獲物とする実験の模型にカメラを設置して、どのようにイヌワシが狩りを行うのか検証しています。

その実験によって、ワシが持つ驚きの視力と飛翔能力の秘密が明らかになりました。

 

ハクトウワシのヒナの子育てにも密着

地球ドラマチックの放送では、北アメリカ大陸に暮らすハクトウワシも登場します。

ハクトウワシは、アメリカ合衆国の国鳥にも指定されており、真っ白な頭部に大きな黄色のクチバシで、凛々しい表情が特徴的な猛禽類です。

そんなハクトウワシが子育てに取り組む様子に密着取材します。

アメリカの国鳥にも指定されているハクトウワシがヒナを育てている様子

ハクトウワシは無事にヒナたちを育て上げ、巣立たせることができるのか?

ハクトウワシ子育てとヒナたちの成長の行方が気になります。

 

(放送内容追記)「空の王者 ワシ」が放送

冒頭のシーンで、天高くいろいろなワシが空を舞ったり、獲物を捕らえる映像が流れました。

ワシは地球上でおよそ70種類生息していると言われています。

生息地は世界中に及び、南アメリカからアフリカまで色々な種類が生息し、食物連鎖の頂点に君臨しています。

ワシの狩りの秘密を実験で検証

ここでイヌワシのティリーが登場しました。

このイヌワシは鳥類トレーナー・バックの方が生まれた時から育ててきました。

そのため、人間に非常によく慣れていて、バックもティリーに深い愛情を注いでいます。

ティリーの身体に計測器具を設置し、ワシの世界の一端を垣間見ようとします。

イギリス・スコットランドの荒野で、標的となるロボウサギを使って、狩りの実験を行いました。

走り出したロボウサギにわずか数秒で追いつき、見事に捕まえることに成功します。

様々な気候条件や地域を変えて行っても、いずれも見事に狩りは成功します。

追いかけるフェーズでは真後ろをしっかり飛び、ある程度接近したところで、標的の動きに合わせられるよう翼を調整します。

最後に捕まえられる距離に達したら、空気抵抗を抑えるために隠していた大きなカギ爪を取り出し、見事に標的を捕らえます。

ワシのカギ爪は獲物を捕らえる時と運ぶときに役立つことがわかりました。

カギ爪がワシの狩りの強さの秘密

ワシの中のオウギワシは、鉤爪が12cm近くもあり、大きな獲物も捕らえることができます。

カギ爪には強い握力を長時間保つことができるメカニズムが備わっていました。

さらに、カギ爪の用途として、ライバルとの決闘にも使われます。

死肉を漁る他の鳥たちとの獲物の取り合いになった際に、このカギ爪を見せつけることで、他の鳥たちは恐れをなし、逃げ出します。

しかし、別のイヌワシが訪れ、お互いのカギ爪を駆使して戦いを繰り広げます。

カギ爪を上手に使うことがワシが生き残る重要な要素となります。

イーグルアイの秘密に迫る

先程はカギ爪の秘密を調べましたが、続いてイーグルアイと呼ばれる優れた視力の秘密を調査します。

ティリーが見えない状態で、かなり遠くにいるバックの元にどれぐらいでたどり着くか、実験をしました。

ティリーは谷の向こうにいたバックをあっという間に発見し、バックのところに到着しました。

この時最短ルートを使わず、上空まで上昇し、風をうまく使ってより短い時間でたどり着きました。

視力は錐体細胞の数によって、決まります。

人間の場合、錐体細胞は1平方ミリメートル(1mm×1mm)あたりに20万個あるのに対し、ワシはその倍を超える45万個の錐体細胞を有しています。

イヌワシの優れた飛行能力

ティリーの身体に計測装置を取り付け、上昇気流で上空に登り、どれぐらいの速度で飛翔するのか、調査しました。

背中に設置した装置によって、ワシが見ている視界がどのような様子か、明らかにします。

さらにGPSと加速度センサーによって、どれぐらいの速度になったか、分析したところ、時速10kmのスピードで上昇することができることが判明しました。

ワシの幅広い狩りのテクニック

ワシは魚や地上に暮らす生きものなど様々な生きものを捕食するため、幅広い狩りのテクニックを有しています。

中東のオマーンに生息するコシジロイヌワシは小型の哺乳類・ロックハイラックスを狙います。

コシジロイヌワシは2羽でペアになって狩りを行います。

1羽が囮として出てきて、ロックハイラックスをおびき寄せ、姿を隠したもう一羽がおびき寄せられたロックハイラックスを捕らえます。

放送では見事作戦が成功し、ロックハイラックスを仕留めることに成功しました。

しかし、地面や岩場に生息する動物を狙うワシの場合、1つのミスによって地面に衝突し、命を失う恐れもあります。

現代社会が招くワシの危機

優れた能力を持つワシですが、現代社会がもたらす科学装置によって危機に晒されています。

風力発電のプロペラにぶつかるといった事故は、風力発電が増加したことで被害が拡大しています。

今では、AIを使ってワシを検出し、ワシを発見すると風力発電のプロペラを止めるといった対応で被害を防止しています。

現在ではワシの種類のうち30種ほどが絶滅の危機に瀕しています。

かつてもDDT(枯葉剤)によって、食物連鎖の頂点にいるワシが濃縮された結果、ハクトウワシの卵のカラが薄くなって、割れやすくなったことがありました。

その結果、ハクトウワシも急激に数を減らし、絶滅の危機に直面しました。

しかし、DDTの使用停止に加え、人間によって懸命な保護活動によって、ハクトウワシの数は順調に回復しています。

野生のハクトウワシの子育て

ハクトウワシが子育ての密着取材が紹介されました。

アメリカのアイオワ州の雪が積もる地域でハクトウワシの親鳥は必死にたまごを温めます。

積もった雪が溶けてなくなったころに、たまごからヒナが誕生しました。

あの大きなハクトウワシもう孵化したタイミングではとても小さな身体です。

オスのハクトウワシがヒナたちのためにエサを運んできています。

ハクトウワシはオスよりもメスのほうが身体が2割ほど大きいです。

これはメスが卵を温めるため、大きい身体のほうが温めやすいからと考えられています。

ハクトウワシは魚を捕らえるのが上手な猛禽類で、足を使って水面近くにいる魚を仕留めています。

生後1ヶ月でヒナの大きさはかなり大きくなりましたが、まだまだちょっとしたことで身の危険に晒されます。

放送では、メスの親鳥の羽にヒナが首が絡まってしまいました。

ハクトウワシのヒナは1歳まで生き残れる確率は5割以下ということで、食物連鎖の頂点といえど厳しい現実が立ちはだかります。

さらに生後進むと、羽がヒナ特有の羽から親鳥が持つようなしっかりとした羽に生え変わっていきます。

湿気が増す時期になると、ブヨが大量発生します。

ブヨがまとわりつくのに嫌になって、巣から木の上の枝のほうに進んでいった結果、木から落ちてしまいました。

命を落としてしまったかに見えたところ、奇跡が起きました。

人間に保護され、無事生き延びることができました。

1羽は残念ながら、傷も深く野生に戻すことは難しく、保護施設で暮らすことになりましたが、もう1羽は順調に回復し、森に帰ることができるほどになりました。

空の王者ワシといえど、無事に大人になるのは難しいことを痛感させられました。

 

まとめ・終わりに

今回、2020年7月11日(土)19時放送の地球ドラマチック「空の王者 ワシ」について紹介しました。

イヌワシやハクトウワシなど食物連鎖の頂点として、どのような生態なのか驚くべき能力を取材した放送です。

鳥好き、さらには猛禽類好きには必見の内容となっています。

ぜひ、地球ドラマチック「空の王者 ワシ」をご覧ください!