2021年衆議院選挙の各政党の動物愛護に関する政策・公約(マニュフェスト)比較
2021年10月31日(日)に衆議院選挙の投開票が行われます。
新型コロナウイルス感染拡大後、始めての国政選挙となります。
そこで、各政党の動物愛護に関する政策や公約(マニュフェスト)がどうなっているか、政党のWebサイトで公開されている政策情報をまとめて、比較してみました。
動物愛護は各政党を比較する上で1つの政策
2021年の衆議院選挙の論点としては、新型コロナウイルスの感染対策や、それによって落ち込んだ経済対策を掲げる政策が中心です。
しかし、新型コロナウィルスによって、人との交流が少なくなったことで、生き物を家族に迎える人が増えています。
その中で、安易なお迎えをした結果、お世話が継続ができず、違法な投棄を行う人も出てきています。
そうした点において、衆院選の論点の1つとして動物愛護に関して各政党がどのようなスタンスか、公約や政策集(マニュフェスト)から知ることは非常に重要です。
調査対象の政党は8党
今回の2021年の衆議院選挙において、動物愛護の政策を調査したのは、以下の8つの政党です。
- 自由民主党(自民党)
- 公明党
- 立憲民主党
- 国民民主党
- 日本維新の会
- 日本共産党
- 社会民主党(社民党)
- れいわ新選組
※一部政党は調査対象に含んでいません。
2021年衆院選の各党の動物愛護の公約を比較
各党の公約に掲載されている動物愛護の項目について、それぞれが謳っている内容を比較できるよう、簡単にまとめてみました。
各政党のHPから重点政策や公約、政策パンフレットを参照し、その中から、動物愛護に関する記載で重要性が高い記述をピックアップしています。
各政党の記載内容については、後述の各政党ごとにまとめています。
自由民主党(自民党)
- 重点政策に含まれているか:なし
- 政策集に含まれているか:あり
ペットは家族という考えのもと、人と動物が共に暮らす社会を創出するため、愛護動物の虐待を無くし、不適切な動物取扱業者への対応を強化するとともに、保護犬猫の譲渡促進等により殺処分ゼロを目指します。
公明党
- 重点政策に含まれているか:なし
- 政策集に含まれているか:あり
2020年6月から段階的に施行されている改正動物愛護管理法に基づき、人と動物が共生する社会をめざし、動物の命と健康を守るため、動物取扱業の適正化を図るとともに、動物虐待防止の取り組みを着実に進めます。
また、犬猫の殺処分ゼロをめざし譲渡を推進するほか、多頭飼育対策や高齢者とペットの共生など社会福祉政策と連携した適正飼養の推進に取り組みます。
立憲民主党
- 重点政策に含まれているか:なし
- 政策集に含まれているか:あり
人と動物が幸せに暮らす社会に向け、動物を飼養・管理する者の責務と動物取扱業者の責任の強化、動物に不必要な苦痛を与える虐待行為に対する罰則の強化などに取り組みます。
産業動物や動物実験への対応を含め、動物福祉に関する法整備や「動物園法」の制定を目指します。
畜産動物の福祉を向上させるための支援ができる法規制等を整備し、畜産物を調達する企業の国際競争力の低下を防止します。
動物の高額取引や密輸入などを規制するため、罰則の強化について検討します。
動物虐待事犯を取り締まるためのアニマルポリスの設置、虐待所有者からの「所有権はく奪」と「緊急一時保護」制度の創設について検討します。
虐待飼育下にある学校飼育動物の救済について検討します。
国民民主党
- 重点政策に含まれているか:なし
- 政策集に含まれているか:なし
国民民主党の重点政策や政策パンフレットをチェックしましたが、動物愛護に関する記述は確認できませんでした。
日本共産党
- 重点政策に含まれているか:なし
- 政策集に含まれているか:あり
ペットの殺処分を減らし、人と動物が共生する社会を目指す
改正動物愛護法では、ペットショップなど動物取扱業者に順守を義務付ける基準として、飼う施設の構造や広さ、従業者数、環境管理、疾病への対応、展示・輸送方法、繁殖回数・方法などについて環境省が定めました。
その完全実施を図るため、事業者の実情をよく把握し、必要な場合はアドバイスや支援を行えるよう、対応・支援策を業者と自治体が連携して議論する場を国が設けるべきです。
多頭飼育について、罰則の強化により立ち入りがしやすくなったものの、高齢者や一人暮らしの人が、多頭飼育に陥らないうちに相談やアドバイスができる体制をつくります。
昨年来の新型コロナ禍で在宅時間が増え、ペットの購入が急増しました。動物愛護法の改正で、愛護団体の要求も取り入れられましたが、殺処分を減らすためには、なによりも飼い主の責任として、終生飼育が基本です。
自治体と「民間団体との連携の強化」や、「地域における犬猫等の動物の適切な管理」が加わり、国はそのための情報提供、技術的助言など必要な措置を講じるとしていますが、現状では担当する自治体職員の補充や予算の確保が進んでいません。
改定内容を具体化するためにも、国・自治体が計画的に取り組むことを求めます。
※日本共産党は記述量が多かったため、一部抜粋の形式となっています。
日本維新の会
- 重点政策に含まれているか:なし
- 政策集に含まれているか:あり
動物愛護管理法による数値規制を徹底するとともに、虐待を監視するアニマルポリスを創設します。保護犬・保護猫の譲渡会の活性化等を推進し、引退犬・猫を温かく迎える環境を整備します。
譲渡困難のケースを殺処分にカウントせずに「ゼロ達成」と偽る自治体が発生している事態に鑑み、殺処分の定義を厳格に見直し、動物殺処分をゼロに近づける取り組みを強化します。
国際獣疫事務局( OIE)の勧告に則り、家畜のストレスや疾病を減らすなど「アニマルウェルフェア」に配慮した飼養管理を促進します。
れいわ新選組
- 重点政策に含まれているか:なし
- 政策集に含まれているか:あり
犬猫殺処分ゼロを実現するため、命の期限のない公的シェルターを全国各地に設置し、公務員としての専門家を常駐。ペットショップでの生体販売を禁止します。
牛・豚・鶏等の家畜も、アニマルウェルフェアの観点から、ストレスの少ない環境で飼育されるよう基準を設け、財政支援を行います。
社民党
- 重点政策に含まれているか:なし
- 政策集に含まれているか:なし
社民党の2021年衆議院総選挙公約や、2021年重点政策をチェックしましたが、動物愛護に関する記述は確認できませんでした。
まとめ・終わりに
今回、2021年10月31日が投票日の衆議院選挙における、各政党の動物愛護に関する政策内容をまとめて比較してみました。
2021年は新型コロナウイルスの感染対策や、それを受けての経済対策が中心です。
日本共産党等のみ新型コロナ下で、ペットを飼う人が急増していることにも言及していますが、他は改正された動物愛護法に関する記述が多かったです。
動物愛護の政策も調査対象の過半数が政策パンフレット(政策集)に記載していますが、国民民主党や社民党には記載がありませんでした。
ぜひ、比例投票で政党を選ぶ際や、小選挙区で候補者を選ぶ際に所属政党の政策を参考にしてみてください。
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