インコや文鳥の爪切りでの出血時に線香による爪の止血はNG!応急処置に止血剤の常備を
インコの爪には血液が通っているため、爪切りで深く切りすぎると出血することがあります。
爪切りでの出血時に応急処置で線香や熱した鉄で止血するといいと古い飼育書にかかれていることがありますが、こうした止血はやってはいけないと注意喚起されています。
飼い鳥のインコの爪は伸びていく
インコの翼にはありませんが、足(趾)には爪が生えています。
この爪は人間と同じように時間が経過することで少しずつ伸びていきます。
野生のインコであれば、地面や木々を移動しているうちに爪が削れて、自然と適切な長さになります。
しかし、飼い鳥のインコの場合、ケージや室内の放鳥で爪が削れることが少なく、爪が伸びるので爪切りを行う必要があります。
インコは爪切りで深爪すると出血
インコの爪をカットできる鳥用爪切りが販売されています。
ペットショップや鳥専門店、動物病院などで爪切りしてもらうケースが多いですが、上記のような爪切りアイテムを使えば、自分で愛鳥の爪を切ることができます。
ただ、人間とインコの爪で大きな違いとして、「爪に血管があること」です。
爪の伸びた部分には血は通っていないので、爪を切っても問題ないですが、深爪のように切りすぎると血管部分に達し、爪から出血してしまいます。
ルチノーなどの品種であれば、爪も白っぽく透けて見えるため、血液が通っている部分が見えやすいですが、黒っぽい爪の個体もいるので、見極めが難しいです。
インコの爪の出血に線香での止血方法
爪切りやケージ内や放鳥中の事故で爪から出血した場合、止血する必要があります。
インコの爪からの出血の応急処置として線香を使った止血方法が、インコ飼育書やWebサイトやブログでも紹介されています。
火をつけた線香や熱した金属を、出血している爪に当てることで止血するやり方です。
線香の止血方法はNGと注意喚起
しかし、線香を使った止血方法について、横浜小鳥の病院・海老沢先生よりTwitterで注意喚起が行われています。
鳥の爪切りで出血した時に、未だに線香や火で熱した鉄で焼いて血を止めると思っている人がいます。これは絶対にやめましょう。現在爪からの止血は爪用出血剤で行うのが一般的です。鳥の爪切りは出血することが多いので、必ず止血剤を用意してから行うようにしましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) January 3, 2022
先程も紹介したように線香を使った止血方法は、色々なWebサイトやブログで書かれています。
しかし、鳥に関しては日本トップである海老沢和荘先生が、やってはいけないと方法と紹介したことで注意喚起の投稿が大きく拡散されています。
線香による飼い鳥の止血がダメな理由
線香による止血がやってはいけない理由ですが、「火傷のリスク」が挙げられています。
火傷をする可能性があるからです。爪に押し付ける時間が長いと爪の深部まで熱が伝わってしまいます。
火傷リスクのないより安全性の高い物を使った方が良いと思います。— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) January 4, 2022
人間でも火傷するレベルの線香の火を、飼い鳥の爪に押し付けることで、火傷してしまう可能性があります。
なお、線香については火をつけると出る煙についても注意が必要です。
線香を使うよりも止血剤であれば、火傷や煙の影響なく、より安全に爪の止血ができます。
爪からの出血には止血剤を
先程の横浜小鳥の病院・海老沢和荘先生のツイートでは、爪から出血には、爪用止血剤を使用するのが推奨されています。
横浜小鳥の病院併設ショップである「Birds’ Grooming Shop」では、小分けにされた使いやすい爪用止血剤が販売されています。
爪用粉末止血剤 1g(Birds’ Grooming Shop)
鳥に使える止血剤としてはクイックストップが有名ですが、かなりの分量があり、なかなか使い切らずに使用期限を迎えることが多いです。
そのため、緊急時に必要な分量が小分けになっている爪用の止血剤は便利です。
片栗粉や小麦粉も効果が薄いので、止血剤の常備を
なお、止血剤がない場合の爪の出血への応急処置として、家庭内に常備されていることも多い、片栗粉や小麦粉で代用する方法もあります。
しかし、横浜小鳥の病院の海老沢和荘先生は、片栗粉や小麦粉による止血効果は薄いと述べられています。
それらでは爪を止血するには効果が低いと思われます。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) January 4, 2022
片栗粉はあくまで緊急に代用するものです。片栗粉でもよいのではなく、止血剤を用意しておきましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) January 4, 2022
あくまで片栗粉による止血は止血剤がなかった場合の緊急対応です。
そのため、愛鳥家のご家庭にはインコの爪用止血剤を出血に備えて常備しておきましょう。
爪用止血剤は他の部位の止血には利用しないように
なお、海老沢和荘先生が紹介されていた止血剤は、爪用のものとなっています。
そのため、他の部位での出血には使用しないよう注意喚起もされています。
爪用止血剤の作用機序は、血液の凝集と脱水によって止血します。これは爪用なので、怪我の止血には使わないようにしましょう。爪用止血剤は傷に付くと強い痛みを生じ、傷の治りが遅れることがあります。怪我による出血の場合は圧迫によって止血しましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) January 3, 2022
上記の投稿のように止血剤はあくまで爪からの出血時に使用し、他の部位の場合は圧迫で止血しなければなりません。
まとめ・終わりに
今回、インコの爪の出血に対し、線香や熱した金属で止血する方法はNGであることを紹介しました。
横浜小鳥の病院の院長である海老沢和荘先生が注意喚起のツイートを行い、愛鳥家を中心に大きく拡散されています。
爪切りを自分で行う場合には、爪から出血するリスクが大きく上がります。
インコの爪切りに失敗し、出血した際に線香で止血すると火傷する可能性がでてきます。
愛鳥の爪切りを飼い主自ら行う場合は、必ず止血剤を常備し、緊急時に備えることが重要です。
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