「鳥を識る」刊行記念、細川博昭氏のトークショー&サイン会の参加レポート

2017年1月20日鳥レポート

鳥を識る・作者「細川博昭」氏のトークショー会場

昨日は、告知させていただいておりました、「鳥を識る」著者の細川博昭氏の、出版記念のトークショー&サイン会に参加してきました。トークショーではどのような内容がトピックに挙がったのか、細川博昭氏が話した内容を紹介したいと思います。

※過去の告知記事

「鳥を識る」著者、細川博昭氏のトークショーとサイン会が1月18日に東京の神保町「グランデ」にて開催

 

トークショー&サイン会の概要

場所:東京都神保町「書泉グランデ」7階イベントスペース

  • 日時:2017年01月18日(水) 19:00開演(18:45開場)

トークショーは40分程度でした。その後、質疑応答を行い、最後に書籍へのサイン会になりました。会場には、トークショーを聴く+サインをしてもらうために、たくさんの方が来場されていました。

 

細川博昭氏のプロフィール

まず、トークショーでは、細川氏の自己紹介がありました。子どものころから家に鳥がいて、慣れ親しんでいたそうです。科学系の物書きになりたいと考え、大学では、理系に進んだそうです。一度は一般の企業に就職するも、物書きとしてのキャリアも積み重ね、物書き一本に絞ったということでした。

鳥と暮らすのが当たり前の生活の中で、一緒に暮らしている鳥についてもっと知りたいという思い、鳥についての研究を調査するようになったそうです。ただ、20年以上前はまだまだ、飼い鳥についての飼育方法、どうやって飼えばよいかもよく分かっていない時代でした。

そんな中、細川氏は、鳥に関する書籍を多数出版されています。インコ関連の書籍を見ても、最も多く出版されている作家さんの1人だと思います。

 

トークショー・鳥を識るの内容

細川氏は、20年前からずっと書き続けたかった内容が、「鳥は恐竜から進化した」というお話でした。しかし、これは、20年前は、まだ学説の1つにすぎなかったため、出版が叶いませんでした。しかし、時代が進むにつれ、研究も進んだ結果、鳥が恐竜から進化したのは、最も有力な定説になりました。その20年間温め続けた内容を本にしたのが、今回の「鳥を識る」です。

本書では、3つのテーマを軸にして執筆されたそうです。

  1. 恐竜から鳥への進化
  2. 鳥の詳細を解説
  3. 鳥はなぜ人間に似ているか

1が、この20年で明らかになった、恐竜から鳥類へどのようにして進化したのかという点について、解説されています。昔は、恐竜の身体というと、日本のゴジラに近いイメージでしたが、実際には異なり、USA版ゴジラの方がフォルムは近いと仰っていました

2ですが、今まで鳥の能力や生態などについて詳細をしっかりまとめた、一般向けの本はなかったため、最新の研究結果でわかった書かれたそうです。かつては、「鳥頭」、「バードブレイン」と言われ、知能が低いと言われていましたが、実際は、非常に優れた能力を持っていることを紹介しています。哺乳類では見られない、道具を自分で作り出す鳥類の紹介もありました。

3は、「鳥を識る」の副題にもなっているテーマです。トークショーで、鳥と人間はなぜ似ているのか、という点にも言及されていました。

 

書籍に掲載されなかった話

本に掲載されなかった話もトークショーでは聞くことができました。それは鳥の耳の話です。鳥の耳は人間よりも優れているとおもっている人が多いですが、実は人間と同じレベルだそうです。ただ、音の記憶力と絶対音感が優れていて、以前聞いたことがある音か、その音と比較して高い・低いを判断しているとのことでした。また、人間は年をとると、聞こえにくくなります。耳の細胞が磨耗してしまうからです。しかし、鳥は耳の細胞が修復し、再生するので劣化しないそうです。

 

サイン会の様子

サイン会では、今回、出版された「鳥を識る」にサインをいただくことができました。

鳥を識る・作者「細川博昭」氏のサイン

 

終わりに

今回のイベントは、鳥の専門家の方から直接お話しを聞くことができる貴重なトークショーでした。質疑応答でもたくさんの質問が起こり、盛況でした。トークショーでお話された内容は、「鳥を識る」に詳しく掲載されていますので、鳥について知りたい人はぜひ読むことをオススメします。

さらに、細川博昭氏は、先日発売された雑誌、「BIRDER」2017年2月号にも連載があるそうです。