塩土はインコに与えない方がよい?塩土に含まれる成分と専門家の見解を紹介
過去のインコ飼育本では、通常の食事に加え、副食として「塩土」と呼ばれる土の一種を与えることが推奨され、当たり前だった時代がありました。
しかし、最新のインコ飼育本では、塩土は与えない方がよいとの記述が増えています。
そこで、塩土の必要性について、飼育本の著者・監修者のスタンスをまとめてみました。
塩土とは
塩土とは、塩、赤土、ボレー粉を混ぜて硫酸カルシウムで固めたものです。
ただし、配合量や成分比はメーカーによって異なります。その他にも炭を配合した商品もあります。
インコは塩土を食べることでミネラルを摂取することができます。
塩土をインコに与えないことが一般的に
以前は、主食のシードでは不足するミネラルを補充するため、副食として塩土をインコに与えるようにと飼育本にも書かれていました。
しかし、最近のインコ飼育本では、塩土を与えないことが推奨されることが増えてきました。
塩土を与えない方がよい理由
塩土はインコが好んで食べることが多いのですが、過剰な摂取によって、以下の2つを引き起こします。
- 塩分過多
- グリット・インパクション
グリット・インパクションとは、筋胃と呼ばれるインコの胃に多量の砂が蓄積されてしまう症状です。
塩土を取りすぎることで、上記の症状が発生するため、インコに塩土を与えないほうがよいとされています。
その他にも、塩土はハトなどの運動量の多い飼い鳥に与えるもので、インコの場合は不要との意見もありました。
獣医師や専門家の塩土に対する意見
塩土を与えるかどうかについて、インコ飼育本の執筆・監修を行っている獣医師・専門家の意見を確認してみました。今回の調査対象は以下の5名です。
- 海老沢和荘氏(横浜小鳥の病院 ):はじめてのインコ飼い方・育て方
- 濱本麻衣氏(Ebisu Bird Crinic MAI):かわいいインコとの暮らし方
- 細川博昭氏(サイエンスライター):インコの食事と健康が分かる本
- 寄崎まりを氏(森下小鳥病院):インコの飼い方図鑑
- すずき莉萌(ヤマザキ動物専門学校講師):中型インコ完全飼育
各書籍に掲載された塩土に関する記述から、以下の3パターンに分類します。
- 〇:塩土を与えることを推奨
- △:飼い主の判断に委ねる
- ×:塩土は与えないことを推奨
それぞれの飼育本のスタンスを確認した結果は以下の通りです。
- 海老沢和荘氏(横浜小鳥の病院 ):×
- 濱本麻衣氏(Ebisu Bird Crinic MAI):×
- 細川博昭氏(サイエンスライター):△
- 寄崎まりを氏(森下小鳥病院):×
- すずき莉萌(ヤマザキ動物専門学校講師):△
インコへの塩土の摂取を推奨する飼育本は今回の5冊ではありませんでした。△の場合は、獣医師と相談し、与える場合は週に数回など、毎日与えないことを推奨していました。
インコが塩土を食べる理由
Twitterで情報提供があり、鳥専門の動物病院「中野バードクリニック」で、インコが塩土を食べる理由を解説していました。
中野先生は現地まで行って野生のコンゴウたちが土を食べるのはミネラル補給のためではないと確認されたそうですよ。 pic.twitter.com/5JeeEpUkcs
— あもちゃんの飼い主ˎ₍•ʚ•₎ˏ (@Amo2014May) 2018年9月4日
ミネラル補給ではなく、毒性のあるナッツの解毒作用のため、食しているとのことです。
コンゴウインコが暮らすペルーを中野バードクリニックの先生が視察して直接確認したそうです。
そのため、飼い鳥はシードやペレットの場合に毒性のある食物は食べていないため、塩土は不要とのことでした。
まとめ・終わりに
今回、インコの副食として、以前は与えることを推奨されてきた「塩土」について調査しました。
塩土は、ミネラル補給の役割などを果たす飼料です。
しかし、塩分が多く含まれていることや、グリット・インパクションを引き起こす可能性があります。
最新のインコ飼育本5冊を調査して、獣医師や専門家の見解を調べたところ、塩土は不要との記述が過半数(3/5)でした。
さらに、残り2冊も、積極的な投与は推奨していませんでした。
飼い鳥の専門家の意見として、塩土は与えない方がよいとのことでしたので、塩土を与える必要はないと考えます。
塩土を与えている方や、塩土を与えようと考えている人は、こうした意見を参考にしていただければと思います。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません