副食にほうれん草はインコなどの愛鳥に与えないほうがよい?シュウ酸が骨の組成を阻害
栄養バランスを整えるため、インコの副食には、青菜を与えることが推奨されています。人間にとって青菜といえば、一番スーパーなどで目にするのはホウレンソウです。しかし、インコ飼育書などでは、ほうれん草はあまり与えない方がよいとされています。ほうれん草をインコなどの愛鳥に与えてはいけない理由やインコへの影響を紹介します。
ほうれん草をインコなどの愛鳥に与えないほうがよい理由
ほうれん草を副食として、インコに与えてはいけない理由として、ほうれん草に含まれる「シュウ酸」という物質が挙げられます。シュウ酸はほうれん草のエグ味の成分で、シュウ酸を摂取すると、カルシウムの組成を阻害する作用が働きます。そのため、インコの骨格形成に影響を与えると考えられています。
人間でもシュウ酸の取りすぎは、カルシウムの組成が阻害されたり、結石の原因になることがあります。しかし、人間の場合は調理の際に、下茹でなどすることで、ホウレンソウに含まれるシュウ酸を取り除くことができます(シュウ酸は水溶性の物質のため)。
ほうれん草に含まれるシュウ酸の量はどれくらい?
ほうれん草にはどれぐらいのシュウ酸が含まれているのでしょうか?尿路結石症治療ガイドラインに掲載されていた、ホウレンソウのシュウ酸の含有量は、「100gあたり800mg」でした。
量的には少ない数字ですが、他にシュウ酸が多い、キャベツやブロッコリーなどと比較して、2倍以上の含有量です。そのため、野菜の中でもシュウ酸がダントツにシュウ酸が含まれています。
インコ飼育本でのほうれん草の取り扱い
鳥を専門とする獣医や専門家が監修・執筆しているインコ飼育本では、ほうれん草はどのように記載されているのか、以下のインコ飼育本を調査しました。
- 海老沢和荘氏(横浜小鳥の病院 ):はじめてのインコ飼い方・育て方
- 濱本麻衣氏(Ebisu Bird Crinic MAI):インコの気持ちと飼い方がわかる本
- 細川博昭氏(サイエンスライター):インコの食事と健康が分かる本
- すずき莉萌(ヤマザキ動物専門学校講師):中型インコ完全飼育
いずれの書籍でも、「与えるのには注意が必要、与えすぎはよくない」との論調でした。
その他にも獣医師がまとめた「与えない方がよい野菜リスト」の中にも、ホウレンソウは含まれていました。
ほうれん草も少量なら問題ないとの確認も
なお、先ほど取り上げた細川博昭氏が執筆された「インコの食事と健康が分かる本」では、「ほうれん草は与えないほうがよいとされているが、少量であれば、インコに与えても問題ないことを確認」という記述がありました。
そのため、通常は小松菜などの安全性が確認された緑黄色野菜を与えるべきですが、そうした野菜が切れてしまったり、入手できない場合などに代替として、少しだけ与えることは選択肢になりそうです。ただ、やっぱりシュウ酸による愛鳥への影響が心配な方は、与えないことをオススメします。
まとめ・終わりに
今回、インコの副食の野菜で与えない方がよいと言われる、ほうれん草について調査しました。ほうれん草にはシュウ酸が多く含まれており、カルシウムの組成を阻害するため、愛鳥にとって有害と考えられています。飼育本などの多くにも、「与えるのはNG」という記載はないものの、「与えるのに注意、与えない方がよい」と書かれています。ただ、「少量であれば、問題ない」という記述もありました。こうした情報をもとに、ほうれん草を副食として与えるかどうか、選択いただければと思います。
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