キャベツは飼い鳥が食べて大丈夫?インコに与えすぎると良くない2つの成分

2019年2月15日インコお世話,鳥に危険なもの

キャベツは飼い鳥が食べて大丈夫か調査。インコに与えすぎると良くない2つの成分を紹介

インコなどの愛鳥の副食として野菜を与えることは推奨されていますが、野菜は何でも与えてよいわけではなく、人間が食べている野菜でも与えてはいけない種類があります。今回、キャベツは愛鳥の副食として与えても問題ないか、調査しました。キャベツに含まれるインコなどの飼い鳥が摂取しすぎるとよくない2つ成分を紹介します。

 

アブラナ科のキャベツには甲状腺誘発

キャベツは、アブラナ科の植物です。アブラナ科の植物には「ゴイトロゲン」と呼ばれる成分が多く含まれており、キャベツにも含まれています。このゴイトロゲンは、栄養素の1つであるヨウ素の取り込みを阻害する作用があります。ヨウ素が体内に上手く吸収されないことで甲状腺腫を引き起こすと言われています。

そのため、インコがキャベツを食べすぎることで、甲状腺に関する病気を発症する恐れがあります。特にセキセイインコは甲状腺腫を発症しやすいと言われている種類なので、要注意です。

セキセイインコ_高い体温で温度低下機能に優れている

 

シュウ酸はほうれん草に次いで含有

2つ目にキャベツに含まれるインコに良くないとされる成分は「シュウ酸」です。シュウ酸はほうれん草に多く含まれています。インコ生活でもほうれん草を副食として与えた場合に、シュウ酸がインコにどのような作用を与えるか解説記事を掲載しています。

副食にほうれん草はインコなどの愛鳥に与えないほうがよい?シュウ酸が骨の組成を阻害

シュウ酸はカルシウムによる骨の組成を阻害する働きがあります。キャベツに含まれるシュウ酸の量は、100g当たり約300mgです。シュウ酸が最も多く含まれているほうれん草は100g当たり約800mgのため、ほうれん草に比べるとそれほど多量ではありません。

キャベツにはシュウ酸がほうれん草の次に多く含まれている

しかし、野菜の中では、キャベツはほうれん草に次ぐ2番目にシュウ酸の含有量が多い野菜です。そのため、インコなどの愛鳥がキャベツを食べすぎると、体内にシュウ酸が吸収されます。カルシウムによる骨の組成に悪影響を及ぼします。

 

キャベツの水分量が悪影響との意見もあるが…

インコなどの飼い鳥にキャベツを与えてはいけない理由として、水分量が多いことが理由に挙げられることがあります。キャベツには水分が多く含まれているため、食べ過ぎると下痢や身体を冷やす働きがあると言われています。

水分の多い野菜は良くないという意見があるが、野菜はそもそも水分が多い

しかし、文部科学省の日本食品標準成分表から、キャベツの水分量を調べたところ、100g当たり92.7gでした。それに対してインコに副食として与えることを推奨されている小松菜は、100g当たり94.1gです。実はキャベツよりも小松菜の方が水分が多く含まれていました。そのため、キャベツの水分量がインコに与える影響はそこまで大きくないと考えられます。

 

インコ飼育本のキャベツに関する記述を調査

インコの副食にキャベツを与えてよいのかという点について、インコ飼育本を調査してみました。飼育本ではキャベツを「絶対に与えてはいけない」という記述はほとんどなく、「与えすぎに注意」という形が大半です。

サイエンスライターの細川博昭氏が執筆されたインコの食事と健康が分かる本では、毎日などの頻度が多くなければ、問題はないと記載されています。

 

芽キャベツはゴイトロゲン多量のためNG

ただし、キャベツの中でも芽キャベツには、前述した甲状腺腫誘発物質のゴイトロゲンが、極端に多く含まれています。そのため、芽キャベツについては与えてはいけません。森下小鳥病院の寄崎まりを氏が監修されたインコの飼い方図鑑でも、芽キャベツはインコが食べてはいけない食べ物として記載されています。

芽キャベツは甲状腺誘発物質のゴイトロゲンが極端に多く含まれており、インコが食べてはいけない

 

与える場合は少量、セキセイインコは控えるべき

これまでキャベツのインコへの影響について調べてきました。インコにキャベツを絶対に与えてはいけないというわけではないですが、与える場合には頻度や量に注意が必要です。ただ、キャベツは小松菜などの緑黄色野菜に比べると、ビタミンなどの栄養素は少ないため、緑黄色野菜を与える方が栄養的にはオススメです。

また、セキセイインコについては甲状腺に関する病気が起きやすい性質があるという情報がありましたので、与えない方がよいと思われます。

 

まとめ・終わりに

今回、キャベツをインコに与えてよいか影響について調査しました。キャベツには甲状腺誘発物質のゴイトロゲンや、シュウ酸が含まれており、これらを摂取しすぎるとインコに悪影響に与えます。ただ、キャベツをインコに絶対に与えてはいけないわけではなく、頻度や与える量をコントロールすれば与えることはできそうです。

しかし、ゴイトロゲンの多い芽キャベツについてはNGです。さらに甲状腺に関する病気になりやすいセキセイインコはキャベツを控えた方がよいです。もし、インコにキャベツを与えたい場合は、愛鳥の種類、量や頻度を注意して与えるか判断してください。