インコの味覚はどれぐらいグルメ?鳥類の味蕾の数を人間と比較
先日、インコの嗅覚がどれぐらい発達しているか記事で紹介しました。今回は残りの五感の中で、インコの味覚について紹介します。
人間とインコの味覚はどちらがグルメか、比較したいと思います。
※インコの嗅覚に関する記事はこちら↓
味覚とは?その役割
味覚は五感の中で食べ物の味を感じるものです。味覚では以下の5つの味を感じることができます。
- 甘味
- 酸味
- 苦味
- 塩味
- 旨味
これらは人間など哺乳類特有の感覚ではなく、鳥類も保有しています。
そのため、鳥類も食べ物を食べると味を感じています。野生で暮らす野鳥でも個体によって、特定の食べ物を好んで食べる様子が観察されています。
また、味覚は生きるために必要な食事では必須の感覚です。
酸味を感じると、食べ物が腐っている可能性を検知し、苦味を感じると、食べ物が有毒である可能性を味覚によって検知します。
辛味は味覚ではなく痛覚で、鳥は感じない
先ほど紹介した味覚で感じる五味の中で、辛味が入っていませんでした。
辛味は味覚で感じているわけではなく、神経の痛覚で知覚しています。
人間がトウガラシなどの辛い食べ物を食べると、辛いという感覚は舌にある痛覚によって感じます。
実は、鳥類はこの辛味を感じない身体の仕組みになっています。
味覚は味蕾という器官で知覚
味覚は味蕾という細胞で知覚するようになっています。口腔内に味蕾がある位置に食べ物が接触すると、刺激として味が感じられる仕組みになっています。
人間の場合、この味蕾は舌に集中して存在しています。それに対して、インコなどは以下の場所に味蕾があります。
- 口蓋
- 舌の付け根
- 咽頭
- 喉頭
鳥類の中ではインコ・オウムはグルメ?
味覚を感じる味蕾という細胞の数は、鳥類の種類によっても異なります。
- ニワトリの味蕾:約24個
- アヒルの味蕾:約200個
- インコ・オウムの味蕾:約350個
鳥類の中では、インコやオウムが突出して味蕾の数が多いことが分かります。
特に味蕾の数が少ないニワトリと比べると、味蕾の数は15倍以上も保有しています。
そうした点からインコは鳥類の中では味にうるさいグルメな存在であると言えます。
インコと人間の味蕾の数を比較
先ほどインコやオウムの味蕾の数は約350個あると紹介しました。人間の場合、味蕾の数はいくつあるのでしょうか。
人間の味蕾の数は幼児のころで約1万個ほど存在しています。しかし成長するにつれて味蕾の数は減少し、成人では約5000~6000個ほどと言われています。
インコと人間の味蕾の数で判断すると、人間の方が味覚に優れており、グルメであると推量されます。
インコは甘味が好み?
ただ、インコの味覚も乏しいわけではありません。飼い鳥でも個体差による好みはばらつきが出ます。
インコ飼育本の記載によると、インコは5つある味の中では甘味が好みという記載があります。
確かに飼い鳥のインコも果物をおやつとして好んで食べる個体は多いです。
野生で暮らすインコやオウムも、果実を採取して食べている様子が写真などでよく紹介されています。
まとめ・終わりに
今回、インコの五感の1つ「味覚」について紹介しました。
インコの味覚は人間も同様に口腔内にある「味蕾」という細胞で感じています。
人間と比べると、インコの味蕾の数は少ないですが、鳥類の中では圧倒的に多く、グルメな存在と言えます。
そのため、飼い鳥のインコでも味の好みに個体差が生じるようになっています。
鳥類の味覚について理解を深め、愛鳥に好みの食べ物を見つけてあげましょう。
※参考文献:鳥を識る(著:細川博昭)
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