インコの保温の必要性とオススメ保温方法を解説!適切な温度は何℃ぐらい?
秋から冬にかけて気温がぐっと下がり、室内でもかなり寒くなります。
インコのために保温器具を設置し、保温する必要が出てきます。
今回、飼い鳥に対しての保温の必要性と保温のやり方を解説したいと思います。
インコに保温は必要?それとも必要ない?
インコの保温については、必要という意見と必要ないという意見の両論があります。
最終的には愛鳥家の判断にはゆだねられますが、基本的に保温は必要であると考えた方が安全です。
よく保温が必要ないという意見で、屋外飼育の鳥を例に挙げられるケースがあります。
「屋外で飼育しているインコも元気で暮らしている」という意見です。
ただ、屋外で飼育しているインコの寿命については室内飼いと比べてみる必要があります。
残念ながら鳥に関連する統計データは少ないため、そうした寿命に差があることを証明することは難しいです。
では他の生き物で考えてみると、犬はかつて家の外で飼うのが当たり前でした。
しかし、今は犬を外で飼う人は少数派で、多くが室内飼いになっています。
犬に関していえば、外飼いから室内飼いに変化したことで、寿命は大きく伸びています。
もちろん食事や医療の進化もありますが、屋外での温度変化の影響を受けなくなったことは長寿化の大きな要因です。
かつては○○が当たり前だったは正しい?
「昔はこうだった」という意見で、かつての習慣を続ける人も多くいます。
しかし、保温に関していえば、日本の気候環境が昔とは大きく変化しています。
夏場になると猛暑が続き、40度を超えるような気温が記録され、冬は厳しい寒さで氷点下になることも頻繁にあります。
かつてエアコン(クーラー)がない家庭も多かったですが、現在ではエアコンは必須になっています。
こうした変化を考慮しないまま、昔はこうだったからといって、保温をしないというのは危険な選択です。
飼育本などを見ても過度の保温は控えるように書かれているものの、保温を推奨するものがほとんどです。
そのため、保温を行うことはインコの飼育において重要であると考えます。
飼い鳥の保温の考え方
インコなどの飼い鳥を保温するうえでは以下の3つの考え方が大切です。
- 保温でケージ内の急激な温度を防ぐ
- 愛鳥の年齢・ステージによって保温方法を変える
- 保温器具のメンテナンスは欠かさない
保温でケージ内の急激な温度変化を防ぐ
インコは温度が低い(寒い)ことよりも、温度変化に弱い生き物です。
特に急激な温度変化によってダメージを受けるため、そういった温度変化が起きないようにすることが保温の役割となります。
そのため、冬場など外気の温度が急激に下がる夜から早朝にかけて、しっかり保温することで急激な温度変化を防ぎます。
愛鳥の種類・年齢によって保温方法を変える
保温については、インコだからといって一律で考えるのではなく、種類や年齢で考える必要があります。
インコの大きさによって寒さの耐性は変わりますし、元々インコが暮らしていた地域がどこかによっても寒さに強い、弱いがあります。
さらに、インコの年齢によっても保温へのアプローチは異なります。
ヒナの頃の体温調節能力が弱いころは常に保温を行って温度を保ってあげる必要があります。
幼鳥のころもヒナよりも成長したものの、まだ体温調整は成鳥ほどではないので、気温が下がり始めたころに保温が必要になります。
若鳥から成鳥になると、ある程度の気温変化に耐えられるようになるため、保温については秋の終わりから冬場ぐらいが対象となります。
そして老鳥になると、老化によって温度調整能力も落ちるため、春でも保温を行い、夏場は逆に温度を下げて一定に保ってあげる必要があります。
さらに、同じ種類の個体でも寒さに強い・弱いの個性があるので、獣医師と相談し、保温にどのように取り組むか考える必要があります。
保温器具のメンテナンスは欠かさない
インコ用の保温器具の多くは、電気を使って温めるものです。
コンセントに接続しておき保温器具をケージにセットしておけば、自動的にケージ内を温められるので、それほど手間がかかりません。
しかし、電気を使っているため、老朽化や漏電による事故が起きる可能性があります。
過去にも小鳥用ヒーターの事故で火災が発生したことがありました。
紹介した小鳥用ヒーターの事故の原因はコードがケージ内に引き込まれた形跡があり、愛鳥がかじってショートしたためでした。
しかし、長年保温器具を使用していると経年劣化などによって故障や漏電などのリスクも高まります。
必ず保温器具を使用する際は、問題ないか確認するようメンテナンスを欠かさないことが大切です。
保温器具のタイプは3種類
保温器具は大きく分類すると、3種類があります。
- 保温電球タイプ
- パネルヒータータイプ
- 保温カバータイプ
これらを単体または組み合わせて、ケージ内の温度を一定に保つようにします。
その他に止まり木型ヒーターなどもありますが、前述の保温アイテムに比べ保温効果が限定的です。
オススメの保温の方法
インコの保温方法ですが、保温器具の設置場所から、保温器具のタイプ別の注意点などを紹介します。
保温器具の設置場所
保温器具の設置場所は基本的にケージの外に取り付けるほうが安全です。
ケージ内に取り付けると、ひよこ電球などに接近しすぎてヤケドをしてしまう恐れがあります。
ケージのレイアウト上内部に取り付けないといけないケースもありますが、インコが近づけないようにする工夫が必要です。
保温電球タイプの保温方法
保温電球タイプのひよこ電球などの場合は、基本的に単体では温度調整ができません。
そのため、保温電球タイプの保温アイテムで保温を行う場合は、「サーモスタット」を併用しましょう。
サーモスタットは温度の自動調節装置です。
サーモスタットとひよこ電球をつなげることで、設定温度を超えるとヒーターを停止し、設定温度を下回るとヒーターが稼働することで、一定の温度に保つことができます。
サーモスタットなしの場合、ひよこ電球の保温が強すぎて、ケージ内が熱くなり、インコに悪影響があるケースもあります。
パネルヒータータイプの保温方法
パネルヒータータイプは保温電球タイプに比べ、保温能力は低いものの、安定的にパネルヒーターがあたっている部分を温めることができます。
パネルが向いている面で温めることができるため、体温調節能力が落ちている老鳥用にも、オススメです。
パネルヒーターの中でもオススメなのが、温められる面積が大きく、独立型で設置可能な「マイカヒーター」です。
一般的なパネルヒーター以上に大きな面で保温ができるため、多くの愛鳥家が冬場の保温に使用しています。
独立型なので、少し場所は取ってしまうデメリットがありますが、電源ケーブルなども愛鳥が届かないので安心です。
保温器具の注意点
保温器具を設置する上で大切なのは、「電源コードをインコが届かないようにすること」です。
前述で紹介した小鳥用ヒーターの事故は、ヒーターの電気コードをケージ内に引き込んだことでショートが発生しました。
そのため、電源コードがインコが届かないところに設置しておくことが大切です。
また、万が一噛みつかれてもショートしないように、保護ケーブルを設置しておくと安全性を高めることができます。
そしてひよこ電球やヒーターの保温器具は電気製品なので、必ず壊れます。
壊れた場合に漏電が起きて火事などの事故にも繋がりかねないので、定期的に動作チェックやメンテナンスを行いましょう。
インコの保温で適切な温度は?
保温を行う際にどれぐらいの温度が適切かという点について飼育本を調べてみました。
横浜小鳥の病院・海老沢和荘先生監修の「はじめてのインコ飼い方・育て方」によると、インコの年齢ごとに理想的な温度が記載されていました。
- 健康な若鳥・成鳥:20~25℃
- ヒナ、幼鳥、老鳥、病鳥:26~32℃
若鳥や成鳥であれば、春や秋などは保温が必要ない気温ですが、ヒナや幼鳥のまだ成長しきっていない年齢や、高齢の老鳥は、春や秋でも保温が必要になります。
また、若鳥や成鳥でも病気の場合や体調不良のときは、普段よりも高い温度で保温してあげる必要があります。
ただ、あくまでもこうした飼育本に書かれた温度は目安です。
自分のインコがどれぐらいの温度で寒そうにしたり、暑そうにしているかチェックして、愛鳥に適切な温度を把握しましょう。
オススメの保温グッズを紹介
インコ生活ではオススメの保温器具・保温用品を紹介する記事を掲載しています。
- 保温のアイテムとして最もメジャーなヒヨコ電球
- ケージ内を面で温めることができるパネルヒーター
- ケージ内の温度を保つ保温カバー
などインコを保温するために必須のオススメ保温器具を紹介しています。
まとめ・終わりに
今回、インコの保温についての必要性と保温方法について紹介しました。
かつては鳥も屋外でエアコンなどの暖房や冷房がないところで飼育されていましたが、現代は日本の気候環境も大きく変動しています。
40℃を超える夏の酷暑や氷点下を下回る厳しい寒さでは愛鳥が温度変化に耐えきれないケースもあります。
しっかり、愛鳥の様子を観察しながら、適切な温度を見極め、快適に過ごせるように保温を行ってあげましょう。
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