【放送後追記】6月5日のダーウィンが来たはエゾライチョウ特集!雪の中に隠れ、雪が爆発?
明日2022年6月5日(日)に放送予定のNHK総合「ダーウィンが来た!」で、エゾライチョウが取り上げられます。
雪が降り積もる北海道に生息するエゾライチョウは神出鬼没でいきなり姿を消したとおもったら、雪を爆発させて出現するまるで忍者のような映像が放送予定です。
※エゾライチョウ特集「雪が爆発!?忍者エゾライチョウ」が放送されたので、放送内容を追記しました。
6月5日放送の「ダーウィン来た」概要
- タイトル:「雪が爆発!?忍者エゾライチョウ」
- 放送日:2022年6月5日(日)19:30~19:58
- 放送局:NHK総合
- 番組HP:ダーウィンが来た!(NHK)
雪深い北海道の森に暮らす鳥、エゾライチョウ。一瞬で姿を消したと思ったら、突然雪を爆発させて現れるという忍術のようなワザを持つ。初めてとらえた驚きの瞬間を大公開!
気温-20℃にもなる真冬の北海道で取材班が探すのは、人呼んで「雪の忍者」。愛きょうたっぷりのまん丸体型の鳥、エゾライチョウだ。雪深い森でその姿を追うと、突如枝先から消失!そして今度は雪を爆発さながらの勢いで豪快に吹き飛ばして出現!初めてカメラがとらえた幻のワザだ。徹底検証すると、天敵対策と越冬術を兼ね備えた巧みな作戦が見えてきた。忍術さながらのユニークな技の数々で生き抜く知恵に迫る。
北海道に生息するエゾライチョウ
エゾライチョウは、ヨーロッパのスカンジナビア半島からロシア、朝鮮半島まで広く生息しています。
日本では本州には生息しておらず、北海道の森林地帯にのみ生態が確認されています。
エゾライチョウの大きさは全長36cm程度で、重さは約350~400gとなっています。
短めの冠羽が特徴で、ずんぐりと丸い体形をしており、あまり長距離を飛ぶことが少ないです。
幼鳥のころは昆虫などを食べていますが、成鳥になるにつれて植物の芽や果実、種子を食べる植物食に近づきます。
季節ごとに地域を移動する渡り鳥ではなく、そのまま生息地にとどまっている留鳥です。
狩猟鳥の指定もあり、個体数が減少
エゾライチョウは、野鳥の多くは狩猟禁止となっている中、今も狩猟鳥の指定を受けています。
鳥獣保護管理法において、北海道では9月15日~4月15日までの間、エゾライチョウが1日に2羽まで狩猟することが可能となっています。
歴史的な背景として、1920年代~1950年代ごろまで約5万羽ものエゾライチョウが狩猟され、輸出されていました。
日本国内でも食用として野生のエゾライチョウが狩猟され、食べられていたこともあり、今も狩猟鳥の指定のままです。
しかし、そうした狩猟による個体数減少に加え、キツネなどの捕食によってさらに個体数を減らしています。
エゾライチョウが絶滅に至らないようにするためにも、狩猟鳥としての指定などは検討すべきフェーズが来ています。
雪を爆発させながら、派手に登場
今回のダーウィンが来たでは、-20℃を下回る冬の北海道が舞台です。
そうした雪が積もる森林地帯に生息するエゾライチョウに密着取材しています。
ダーウィンが来たの予告映像では、何もない雪原で突然、雪がブワッと巻き起こり、エゾライチョウが出現する様子が流れました。
あまりに突然出現するのでビックリするほどです。
イラストによるアニメーションでも、木の枝に止まっている忍者扮するエゾライチョウが突如姿を消し、再び雪の中から姿を現す神出鬼没さが紹介されました。
エゾライチョウが忍者のように雪の中に隠れる理由として、ダーウィンが来たの公式ページには天敵対策と越冬術と記載されていますが、放送が気になります。
(追記)エゾライチョウ特集の放送内容
今回は気温-20℃と1月の最も寒い時期に北海道の森の中で取材が行われていました。
空気中の水蒸気が凍ったダイヤモンドダストが発生し、きれいな光景ですが、生き物には厳しい環境です。
取材班が雪をかき分けながら、捜索していたところ、エゾライチョウを枝の上で発見します。
エゾライチョウの全長はおよそ35cmで人前にはめったに出て来ないと説明があります。
本州に生息する雷鳥は、冬に羽が生え変わり白くなるのに対し、エゾライチョウは冬になっても茶色いままです。
忍術「変幻自在のまんまるボディ」
エゾライチョウは見た目は忍者というよりもぽっちゃりとした愛嬌のある体型です。
しかし、この体型自体がエゾライチョウは忍術を使っています。
実はエゾライチョウが急に細くなる様子が紹介され、忍術「変幻自在のまんまるボディ」を披露しました。
羽に空気を含ませてふくらむことで極寒の環境で防寒対策を行っています。
冬の食事は木の枝に生える冬芽
厳しい冬を生き抜くために必要となるのが食べ物の確保です。
エゾライチョウの冬の食材は、木の枝にたくさん生えた「冬芽」です。
固くて誰も食べない食材ですが、エゾライチョウは時間をかけて消化することで、独り占めに成功しています。
冬芽は木の枝の先によく生えるため、エゾライチョウも枝先に進もうとしますが、元々は地面で暮らしているため、枝の移動は苦手です。
体重も重たいので、木の枝の先まで進みすぎた結果、枝が折れてしまいました。
木の枝にいたエゾライチョウが消えた!?
木の枝に止まっていたエゾライチョウが日没間近に突如枝からジャンプしました。
すると、エゾライチョウの姿を見失ってしまいました。
飛び降りたあたりに撮影スタッフが近づくものの、エゾライチョウの姿はありません。
さらに捜索していると、いきなりエゾライチョウが雪を爆発させながら、飛び出してきました。
スローで映像を確認すると、雪にダイブしたところで雪が被さり、雪に潜ったあとに降り掛かってエゾライチョウの身を隠してくれています。
この行動は天敵対策で、キツネなどから見つからないようにする術です。
忍術「雪とんの術」
エゾライチョウの技は、水の中に隠れる「水遁の術」ならぬ忍術「雪とんの術」と名付けられました。
雪とんの術は、万が一天敵が近づいても、雪を吹き飛ばしながら飛び立つことで、天敵を驚かすことができます。
爆発さながらの勢いで、雪の上にはエゾライチョウの翼の跡が残るほどです。
エゾライチョウは、他の鳥に比べ、胸の筋肉が発達しています。
翼は短いため、飛ぶ能力は小さいながら、強い胸の筋肉による瞬発力でパワフルな技を繰り出すことができます。
この技を使うことで、エゾライチョウは安全な雪の中で一晩中過ごすことが可能です。
一晩中雪の中にいて凍えないの?
ここでひげじいから「一晩中雪の中にいて凍えないのか?」と質問がありました。
しかし、エゾライチョウの研究を34年行っている帯広畜産大学・名誉教授の藤巻裕蔵博士に伺ったところ、
「雪の外に夜を過ごすより、雪の中のほうが温かい。人間が布団で寝るように、雪が布団代わりになる」との解説します。
そこで、水を入れたペットボトルを雪の外と雪の中に置いた実験をしたところ、雪の外のペットボトルは凍ったのに対し、雪の中に入れたペットボトルは水のままで凍りませんでした。
雪の外では-18℃ですが、雪の中を温度計では測ってみると、外よりも10℃以上暖かかったです。
その理由の1つは冬に降るさらさらな雪で、空気を含んでいて断熱効果があり、雪が羽毛布団のような役割を果たしてくれます。
そのため、エゾライチョウも雪の中で一晩中過ごしても暖かく過ごせるとのことでした。
これに対し、ひげじいは「雪に突っ込むエゾライチョウ、勇気があってええぞう。雪が布団のように温かいなんて常識がふっとんじゃいました」というダジャレを披露しました。
オスたちの忍術合戦
春が近づき、雪が溶け始めると、エゾライチョウは地面で過ごすようになります。
そこにオスとメスのエゾライチョウが登場し、見た目の違いを解説してくれました。
オスは目の周りのアイラインの赤やのどの黒色の羽が目立つのに対し、メスには赤いアイラインはなく、やや地味な色合いです。
オスとメスはペアになって過ごしていたところに、他のオスの鳴き声が聞こえてきます。
オスは縄張りを守るため、侵入してきたオスに警告・威嚇をするものの、侵入者も縄張りから立ち去る気配がありません。
最終的には縄張りのオスが侵入者の不意打ちをヒラリとかわして足で反撃しました。
この忍者のような身のこなしの反撃で侵入者のオスのエゾライチョウも降参し、縄張りから逃げていきました。
尾羽を広げたメスへのアピール
見事縄張りを守ったオスはメスの元に戻り、今度はメスを追いかけ始めました。
追いかけ始めた時、オスは尾羽を大きく広げて、愛のアピールを行っています。
春のオスは縄張り争いとメスへのアピールに明け暮れ、大忙しです。
世界のライチョウ 恋の七変化
世界には16種類のライチョウがいて、その中には大胆に姿を変えてメスにプロポーズするライチョウがいます。
北アメリカの平原に暮らすソウゲンライチョウは突然、首の羽を逆立てて変身する「忍法ウサギ变化」を披露します。
羽の下にあったオレンジの皮膚を膨らませて、メスにアピールする姿はまるでウサギのようです。
続いても北アメリカのロッキー山脈で暮らすキジオライチョウです。
尾羽を広げた姿はまるで千手観音のようですが、忍術「胸ポヨン」でメスにアピールします。
プロポーズの鍵は胸を広げ、大きな音を鳴らすことです。
しかし、ほとんどキジオライチョウのオスはメスに見向きもされず、最も大きい音を出す一番のモテオスに集中するためです。
驚くような大変身をするライチョウでも恋はカンタンに実らず、自然界の厳しい恋愛事情が報じられました。
飛んで!隠れて!親子で忍術
6月に短い夏を迎え、北海道の鳥たちが大急ぎで子育てを始める中、エゾライチョウも子育てをスタートしています。
エゾライチョウのヒナは全長5cmほどですが、生まれてすぐに歩くことができ、小さな昆虫などを自分で探して食べます。
あるときヒナたちが母鳥のお腹の下に入っていきます。
これは小さなヒナの体はすぐに冷えてしまうため、気温が低い時は母鳥にあたためてもらっているそうです。
地面での生活は食べ物も多い反面、危険も多いです。
安全な木の上に登ることができないエゾライチョウのヒナはキツネに狙われます。
そんなとき、ヒナたちは秘策として、あえてバラバラになり、草むらの影でピタッと動きを止めます。
こうすることで、まだら模様の羽が周囲に溶け込み、天敵に気づかれない忍術「隠れ身の術」を披露します。
さらにエゾライチョウの母鳥にも天敵をだます奥の手があります。
母鳥が羽を震わせながら、目立つ場所に飛び出しました。
これはケガをしたフリして、自分が囮になる「身代わりの術」です。
※かつて放送された「フエチコドリ」もこの技を使い、ヒナを守っていました。
キツネは森の中に消えていき、ヒナたちから危険は去りました。
その数日後、ヒナは生後わずか1週間で飛べるようになるほど急成長しました。
冬には立派に育って雪の忍術が使えるようになるそうです。
「雪の忍者エゾライチョウ。極寒の森で技を極めた孤高の鳥です。」というナレーションで放送が締められました。
まとめ・終わりに
今回、2022年6月5日に放送予定のダーウィンが来た!「雪が爆発!?忍者エゾライチョウ」を紹介しました。
日本では北海道でのみ生息するエゾライチョウが雪の中に身を隠し、突如姿を現す様子を収めた貴重な映像が放送されます。
忍者さながらのユニークな動きを見せるエゾライチョウが自然界を生き抜く知恵に迫る特集です。
忍者のようにいきない姿を消し、雪を爆発させながら登場するエゾライチョウの映像を見たい方は、5月15日に放送される「ダーウィンが来た」をぜひご視聴ください。
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