(放送後追記)10/28の第571回「ダーウィンが来た」はフエコチドリ「踊る!浜辺のダンサー鳥」

2018年10月27日鳥ニュース,鳥メディア

2018年10月28日のダーウィンが来た!は、フエコチドリ特集「踊る!浜辺のダンサー鳥」

2018年10月のNHK「ダーウィンが来た!」は、4週連続で鳥特集が放送されました。10月28日(日)の放送では、北米大陸に生息するフエコチドリが特集されます。フエコチドリはどのような鳥なのか、加えてどのような放送内容か調べてみました。

 

2018年10月の「ダーウィンが来た!」は4週連続鳥特集

2018年10月のダーウィンが来た!では、4週連続してフォーカスされたのが鳥類でした。鳥類は種類も豊富で、多様な生活をしているため、どれも興味深い生態で、面白い放送でした。

  • 第568回「住まいは東京!幻のタカ編」(10/7)
  • 第569回「進化するだまし合い!鳥の托(たく)卵最前線」(10/14)
  • 第570回「ヒナを守れ!島を作る鳥」(10/21)
  • 第571回「踊る!浜辺のダンサー鳥」(10/28)

【放送日変更10/7】ダーウィンが来た!の鳥特集「住まいは東京!幻のタカ編」NHK総合にて

【放送後追記】10月14日の「ダーウィンが来た」は托卵特集!カッコウVSヨシキリの騙しあい

【放送後追記】第570回「ダーウィンが来た」はツノオオバン特集「ヒナを守れ!島を作る鳥」

それぞれに放送内容を追記していますので、放送をご覧になっていない方は、見てみてください。

今回10月28日の放送では、フエコチドリというダンス好きな鳥が特集されます。

 

フエコチドリとは?

フエコチドリは、北アメリカ大陸の大西洋岸や五大湖の浜辺に生息している鳥類です。大きさは全長18センチとスズメ程度の大きさの鳥です。人を恐れることなく、浜辺でダンスを披露してくれます。さらに、その踊りのレパートリーが豊富で、タップダンスやコサックダンスに近い踊りも見せてくれるそうです。

フエコチドリの横顔

今回の放送では、そうしたフエコチドリがどのようなダンスを踊るのか、取り上げられます。

踊る!浜辺のダンサー鳥|ダーウィンが来た

 

フエコチドリは足がたくさん?

フエコチドリで興味深い写真がこちらです。

フエコチドリの足がたくさんの写真(NHK・ダーウィンが来たより)
出典:ダーウィンが来た

足の数の多さにビックリしてしまうこのフエコチドリの写真。実はフエコチドリ1羽ではなく、ヒナが数羽集まって、親鳥のお腹に埋まっている状態です。そのため、足がたくさん生えている鳥に見えてしまいます。

実はヒナは、体温を保持する能力が未発達なので、そのままだと、体温が低下し、生存できなくなるため、親鳥の温かい羽毛に包まれて、体温を維持します。

 

フエコチドリの個体数が減少し、絶滅の危機に

そんなかわいらしい踊りを披露してくれるフエコチドリですが、個体数の減少が進んでいます。現在では、絶滅危惧種として、絶滅の危機にさらされています。

ヒナの子連れのフエコチドリの写真

フエコチドリの住処となるのは海岸は、人間による開発が進んでいます。その結果、すみかがどんどん失われ、個体数を減らしてきました。現在、営巣地への侵入禁止など保護も行われていますが、素晴らしい特徴を持つ鳥の絶滅を防ぐため、一層の対策が必要です。

 

(10月28日追記)放送内容を追記

本日、ダーウィンが来た!が放送されました。冒頭ではUSAで大ブレイク中のDA PUMPのISSAさんがフエコチドリの踊りを絶賛されていました。

フエコチドリがタップダンスをする理由として、エサをとらえることが目的と紹介されました。ダンスによって発生する振動によって、獲物の虫を出てきます。フエコチドリのタップダンスは、効率的なエサを探す手段として行われていました。

2つ目の踊りはコサックダンスです。コサックダンスは、フエコチドリのオスがメスへのアピールのために踊ります。激しいコサックダンスの踊りは、メスのプロポーズを意味します。ちなみに、オスとメスは、首の周りにある黒い羽の模様の違いで判別できるそうです。先ほどのオスは見事なコサックダンスでメスとペアになることに成功しました。

その後、フエコチドリのメスが浜辺で産卵を行いました。巣は浜辺の真ん中で、一見天敵にも狙われそうですが、フエコチドリの羽の模様が浜辺の保護色となり、見つかりにくい状態です。上空のカモメが狙おうとする場合も、すぐにフエコチドリはその動きに気づくことができます。

フエコチドリのダンスの秘密は、足の形状だそうです。通常の鳥類は足の後方に指がありますが、フエコチドリは、前に3本しかないため、高速な踊りを行うことができます。他にもダチョウなど、環境に合わせてユニークな足の形に進化した事例紹介がありました。

フエコチドリのヒナは早熟性で、生まれてすぐに歩き回ることができます。生まれたその日からすぐに小さな虫をとらえようとします。しかし、ヒナは寒さには弱いため、親鳥が守ってあげます。

子育て中もフエコチドリは、ダンスを行います。それは人間に対して行う「パタパタダンス」です。このパタパタダンスは、実はケガをしたふりをしています。現地でフエコチドリを研究する人によると、人間やコヨーテなどの天敵に対し、パタパタダンスでケガをしたふりをして、天敵をひきつけ、ヒナから遠ざけます。しかし、なかには、パタパタダンスが通じないセグロカゴメやオオクロムクドリモドキも登場しました。カゴメはひきつけて逃げても、また、カモメも飛んでくるため、パタパタダンスが通用しません。しかし、体長が2倍のオオクロムクドリモドキにも果敢に挑み、撃退します。

ただ、鳥類でもアメリカコアジサシだけは、天敵とみなしません。なぜなら、アジサシはヒナを襲うことはなく、カモメなどを追い払ってくれる存在なため、共生関係を保っています。

なお、フエコチドリの子育ての時期は、人はフエコチドリの営巣地に入れないよう規制を設けています。もし、侵入した場合は罰金が科せられます。元々、19世紀にヨーロッパ貴族の間で、羽の帽子が流行し、フエコチドリの羽が高値で取引されました。さらに、20世紀になって、浜辺はリゾート開発され、数は5000羽以下まで減少されました。しかし、1990年以降保護活動が行われ、その数は順調に回復し、8000羽近くまで増加したそうです。

第2章では、残念ながら、4羽のヒナのうち、2羽がコヨーテに襲われてしまいました。そのため、1km先に引っ越しを行いました。生き延びたヒナたちは生き物を狩る能力も高くなり、海を泳げるようになりました。潮溜まりを見つけると、水浴びも行うようになりました。

そんなとき、別のフエチコドリの夫婦に遭遇します。こうした同じフエコチドリと遭遇した時に始まるのが社交ダンスです。一見社交ダンスのように見えますが、実はお互いけん制しあっています。そのうち衝突し、クチバシで攻撃し合うようになります。結局、別の夫婦は離れていき、縄張りを勝ち取りました。

ヒナが生まれて20日後には、親鳥と変わらないぐらいの大きさに成鳥しました。少しずつ翼も長くなり、2500km先のテキサスへ渡りを行うそうです。小さな体ながら必死に生きる姿はとても、感動的でした。

 

まとめ・終わりに

今回、2018年10月28日に放送される「ダーウィンが来た!」第571回「踊る!浜辺のダンサー鳥」について紹介しました。フエコチドリという踊りが得意な鳥が取り上げられ、色々なダンスを披露する姿が映像で流れます。

その他にも、ヒナと一緒に過ごす姿など見どころは満載なので、ぜひ、興味ある方は、番組をご覧ください。