【放送後追記】3月29日のダーウィンが来たはヒレアシトウネン!干満差世界一の湾に200万羽が集結
2020年3月29日(日)のダーウィンが来たはヒレアシトウネンが特集されます。
北米の干満差世界一と言われるファンディ湾に渡り鳥としてやってくる200万羽のヒレアシトウネンに密着します。
ダーウィンが来た第637回の「干満差世界一!200万羽が大騒動」の放送内容について紹介したいと思います。
※(2020年3月29日追記) 渡り鳥のヒレアシトウネン特集の放送を受け、放送内容など記事を追記しました。
3月29日放送の「ダーウィンが来た!」概要
- タイトル:「干満差世界一!200万羽が大騒動」
- 放送日:2020年3月29日19:30~19:58
- 再放送:2020年3月31日04:02~04:30
- 放送局:NHK総合
- 番組HP:ダーウィンが来た!(NHK)
舞台の北米ファンディ湾は干満差が世界一
今回、取材の舞台となったのは、北アメリカ大陸のカナダとアメリカ合衆国の国境に位置するファンディ湾です。
ファンディ湾は潮が引く干潮時と潮が満ちる満潮時の水量の差が世界一激しい湾として知られています。
干潮時と満潮時の差はなんと最大16mにも及び、5階建てのビルに相当する高さだそうです。
Wikipediaによると、1日の12.4時間の間に、1,150億tもの水が湾を出入りするとの記載がありました。
※干満差世界一を主張している地域は複数あります。
今回の主役、ヒレアシトウネンとは?
今回のダーウィンが来たで焦点が当たるのは、ヒレアシトウネンと呼ばれる渡り鳥です。
ヒレアシトウネンはシギの仲間で、全長は15cmほどです。
普段は南米大陸やアメリカ南部に生息しており、繁殖期になると北アメリカの北極圏で子育てを行います。
今回の舞台となるファンディ湾は営巣地や普段の生活場所ではなく、北極圏から南米に渡る途中の中間営巣地です。
ヒレアシトウネンは一般的な渡り鳥に比べ、たくさんの個体で渡りを行うことが知られています。
200万羽のヒレアシトウネンの渡りは迫力満点
ダーウィンが来たの番組HPでは、200万羽のヒレアシトウネンが飛翔している様子が紹介されています。
これだけの数で渡りを行う鳥は珍しいです。
放送ではヒレアシトウネン200万羽の大群で飛翔する映像が流れる予定で、非常に楽しみです。
(放送後追記)ヒレアシトウネン特集の放送内容
冒頭、干満差世界一のファンディ湾が紹介されました。
潮が引いた状態だと船がまるで打ち上げられている映像が流れました。
そして、ヒレアシトウネンの200万羽が大群で飛翔する迫力ある映像が流れました。
大西洋川のカナダとアメリカの国境にあるファンディ湾では、クジラが泳いでいました。
夏になると、ファンディ湾には様々な生き物が集まってきます。
夏になるとヒレアシトウネンが登場
7月中旬のある日、空に渡り鳥の大群が現れました。
数100羽がひと塊になって翔んでいて、一斉に浜に降り立ちました。
その数百羽の群れが次々とやってきて、200万羽のヒレアシトウネンが集結しました。
これは世界にいるヒレアシトウネンの約95%に相当するそうです。
なぜヒレアシトウネンはファンディ湾に集まる?
ヒレアシトウネンがこれほど集結するのはなぜなのか?
その理由はファンディ湾にある岩が理由だと紹介されます。
時間が経つにつれて潮が満ちてきて、どんどん水位が上がっていきました。
ヒレアシトウネンが大集結する理由は、この世界一の干満差だとのことです。
潮が満ちたあと、また潮が引き始めていき、4kmほどの干潟が出来上がります。
その干潟をヒレアシトウネンが埋め尽くし、干潟の泥をクチバシでつついています。
食べているのは、ゴカイと呼ばれる生き物です。
その他にもヨコエビの仲間も好物で、干潟には大量のエサとなる生き物を食べることができるため、ヒレアシトウネンは渡りの途中にファンディ湾に立ち寄るそうです。
潮の満ち引きは、ファンディ湾に注ぐ川にも影響を与え、潮が満ちると川の水位は上がり、干潮のときには川底が見えてしまうほどです。
世界一の干満差を利用する様々な生き物たち
さらにこの潮の満ち引きで生じた渦を利用する鳥類もいます。
渦のような強い海流にはたくさんの魚がいるため、狩りを行ったり、その狩りで得た魚を横取りするカモメなど鳥類の生存競争が行われていました。
南米の越冬地に渡るための栄養を蓄積
ヒレアシトウネンは実は水鳥にも関わらず泳げないため、海に浮かぶことができないそうです。
そのため、満潮時には陸地を見つけ飛び回り、波打ち際ギリギリのところに待機しています。
波打ち際ギリギリの場所にいるのは、潮が引き始めたら一刻も早く狩りをして食べ物にありつくためです。
20日間の滞在で、体重が2倍になるほどファンディ湾で栄養を蓄積するそうです。
北極圏の繁殖地から中継地のファンディ湾で栄養を十分蓄えて、3000km離れた越冬地の南アメリカ大陸へと一気に渡るそうです。
「トウネンたちがここでゆっくりするのも トウネン(当然)か。」
というヒゲじいのギャグが披露されました。
天敵ハヤブサがファンディ湾に
8月の上旬になると、干潟で食事をするヒレアシトウネンの数はピークを迎えます。
来たばかりの頃に比べると、非常にふっくらしてきており、太ってきています。
食べる中で脂肪だけでなく、長時間飛翔するための筋肉もつけているそうです。
満月の日には潮の満ち引きが最も大きい大潮が起きます。
そのため、今まで以上に満潮時には浜の陸地が少なくなり、より密集度が高まります。
そんな状態を狙い、猛禽類のハヤブサがヒレアシトウネンを狙ってやってきました。
ハヤブサがやってくると、ヒレアシトウネンは一斉に逃げだし、浜は大混乱を迎えます。
海の方へ逃げ出したヒレアシトウネンをハヤブサは追いかけ、群れの後ろから襲いかかります。
ヒレアシトウネンたちは群れでかたまりを作りながら、ハヤブサの攻撃を逃れようとします。
逆にハヤブサは群れを崩そうと攻撃し、群れをバラバラにして1羽はぐれたヒレアシトウネンに狙いを定めます。
群れからはぐれたヒレアシトウネンは群れに戻ろうとしますが、阻止され、最後には残念ながら捕まってしまいました。
しかし、別のハヤブサが横取りに来たところで、逃げ出すことができました。
今回は運良くハヤブサの餌食から逃れることができましたが、実際にはハヤブサに狙われてて命を落とすヒレアシトウネンも多いそうです。
実は大群で飛び回っているのには理由があります。
集団で飛ぶことで、ハヤブサが1羽に狙いを定めにくくするとともに、海面ギリギリを飛翔することで、上空からの急降下を防いでいます。
夏の終わりに南米に向かって
8月下旬になり夏が終わりを迎えるころ、ヒレアシトウネンはこれまでにない高さまで飛翔し、南の空へと消えていきました。
「世界一の干満差を誇るファンディ湾。この恵みが200万羽の渡り鳥のはるかなる旅路を支えている」というナレーションで締められました。
まとめ・終わりに
今回、2020年3月29日放送のダーウィンが来た「干満差世界一!200万羽が大騒動」について紹介しました。
渡り鳥のヒレアシトウネンが、干満差世界一のファンディ湾になぜ200万羽もの大群で集まるのか、その理由に迫る興味深い内容です。
ぜひご興味ある方は、3/29の19時30分からの放送をご覧ください。
ディスカッション
コメント一覧
お尋ねいたします。
いつも楽しく見ている番組で録画もし、鳥の番組は繰り返し見ています。
そこで気が付いたのですがヒレアシトウネンは標準和名ですか
第7版 野鳥目録のヒメハマシギとは別種ですか
教えてください。
コメントありがとうございます。
ヒレアシトウネンは和名となっています。他に和名が確認できませんでしたので、標準和名と捉えています。
また、ヒメハマシギと一緒に掲載されるケースが多いですが、環境省のレポートでも別個に記録対象となっております。
https://www.biodic.go.jp/moni1000/findings/reports/pdf/h25_shorebirds_winter.pdf
※p32以降の表にそれぞれ記載されています。
そのため、ヒレアシトウネンとヒメハマシギは別種と理解しています。