インコのペットロスから立ち直るには?飼い鳥を失った辛い悲しみとの向き合い方
インコなどの愛鳥をお迎えして一緒に過ごしていても、いつか別れの時が来ます。
最愛で家族のような存在であるインコを失った悲しみで、飼い主の方がペットロスに陥るケースも多いです。
今回、ペットロスの解説とペットロスへの対処方法・予防について紹介したいと思います。
ペットロスとは
ペットロスの定義としては、愛着対象の喪失による悲嘆(grief)のうち、ペットに関するものだそうです。
愛着対象というのは、家族や恋人、友人などもありますが、ペットロスでは、飼っている愛犬・愛猫、そして、愛鳥といったペットを喪失した場合に発生します。
日本ペットロス協会があり、ペットロスの定義が以下のように定義されています。
「愛するペット動物を失うことと、その別れにともなう心理的、身体的、社会的、スピリチュアル(霊的)な体験過程に対する総称的な用語。」
インコなど飼い鳥の喪失もペットロスに
ペットロスの中でも、犬や猫は分かるけど、インコにもあるのかと思われている方もいます。
たかが鳥と言う人もなかにはいますが、朝から夜まで同じ空間を過ごす家族です。
その家族を失うことで、ペットロスが起こることは当然です。
実際に愛するインコとの別れでペットロスが起き、悪化した結果、鬱症状が発症し、日常生活に支障をきたす人も出てきています。
ペットロスの段階・ステージ
ペットロスは、ジョン・ボウルビイという学者が提唱した「悲哀(MOURNING)の4段階」という段階を踏みます。
これは、親のいない子供にヒアリングした結果、発見された4つの段階です。
ペットロスの場合には、亡くなる前の準備期を含めると5段階になります。
- 準備期:不安や恐れ、医師の診断が嘘であってほしい
- 衝撃期:なくなった瞬間。感覚が麻痺。現実否認。藤井氏も愛鳥との別れで体験したそうです。
- 悲痛期:幻覚や幻聴、鳥の場合は幻臭も起こってくる。会社で仕事していれば、気がはれるのは、健康的、正常なペットロスといえる。いつまでも幻覚がはなれないことがある。
- 回復期:やっぱりあの子はいないということに受容し、断念・妥協する。回復期は悲痛期と行ったり来たりする。
- 再生期:愛鳥との別れを受け入れて、未来に向けて新たな一歩を歩みだします。あの子がいない生活に慣れてはいけないと思うのは、回復期にたどり着けない。
ペットロスから回復できない原因
ペットロスには、正常なペットロスと正常でないペットロスの2つがあります。
正常なペットロスは、前述した5つの段階を経るペットロスです。
しかし、5つ目の再生期にうまくたどり着けないのが、正常でないペットロスとのことです。
悲痛期をずっと繰り返してしまうことが原因で、回復期にたどり着けないため、新たな一歩を踏み出せずにペットロスから回復できなくなります。
ペットロスは選ばれた人への贈り物
ペットロスは最愛の家族である愛鳥がなくなったことで発生する正常な反応です。
しかし、ペットロスが起こるかどうかは鳥を飼っている人でも温度差があります。
日本ペットロス協会のペットロスカウンセラーの藤井佳子氏は「ペットロスは選ばれた人だけがもらえる贈り物である」と述べられています。
ペットロスへの対処方法、向き合い方
無理や我慢をせずに、自分の感情に正直になることが大切です。
ペットロス、インコなどの愛鳥との別れを受け止めるために、ペットロスは正常なんだと理解しなければならりません。
「愛鳥との別離は悲しいものです。その悲しみの感情を我慢しないこと。しっかり泣く、泣き叫ぶことが大切」
とペットロスカウンセラーの藤井氏は述べられていました。
さらに、心のなかでつぶやくのではなく、しっかり声に出すことが重要とのことです。
以下のポイントがペットロスから回復するのに大切といわれています。
- 早く立ち直ろうと頑張らないこと。頑張らなくてもいい。
- 分かってくれる人に話を聞いてもらうこと。
- 休むこと。会社を休んでも構わない。
ペットロスで心療内科を受診する際の注意点
ただ、あまりに症状が悪化し、不眠症などが発症する場合もあります。
その場合、メンタルクリニックを受診する選択肢もありますが、精神科医や心療内科の医師の中にもペットロスを病気と思っていない人がいるそうです。
そうした医師に相談してしまうと、逆に傷つけられてしまうケースもあります。
ペットロスカウンセラーの藤井氏は、薬剤師の睡眠導入剤を処方してもらい、不眠症を治療するのも選択肢の1つとして紹介されています。
愛鳥のペットロスの予防方法
ペットロスを予防する方法としては、以下のような予防法が挙げられました。
- 愛鳥のペットロスに理解のある人に話を聞いてもらう
- 困った時に相談できる愛鳥仲間を作る
ペットロスに理解があるだけでなく、インコや文鳥などの飼い鳥のペットロスに対しても理解のある人に相談するのが重要です。
辛い気持ちを共有できる同じ愛鳥家の仲間を作っておくことで、亡くなる前の準備期から相談しておくことができます。
そして、最愛の愛鳥が亡くなったときに、悲しい気持ちを声に出して、仲間に伝えることで、回復期に向けたステージに進みやすくなります。
まとめ・終わりに
今回、インコや文鳥などの飼い鳥のペットロスについて、対応方法や立ち直る方法を紹介しました。
インコも愛鳥家にとっては人間の子どもと変わらない家族の一員です。
その家族を失ったことによる喪失感がペットロスに陥ることは珍しいことではありません。
ペットロスに陥った場合は、無理や我慢せずに感情に正直になることが大切です。
早く回復しようと焦らず、休みをとりながら、愛鳥との別れに少しずつ向き合いましょう。
※参考情報:認定NPO法人TSUBASAセミナー「ペットロスとうまくつきあおう」
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