【鳥ビア】インコ含む鳥類はしゃっくりしない!あくびするのにしゃっくりはなぜしない?

鳥ビア(トリビア)

インコはしゃっくりをしない?鳥類には横隔膜がない(セキセイインコの写真)

人間でも時々止まらなくなる「しゃっくり」。よくしゃっくりを止める方法が話題になります。

インコ・文鳥など飼い鳥たちは、人間と同じようにあくびはするものの、しゃっくりはしません。

しゃっくりをしない理由には、鳥類の身体の作りに秘密があります。

 

しゃっくりが起きる仕組み

人間でも時々起こるしゃっくりというのはどういった仕組みで起きるのでしょうか。

しゃっくりは横隔膜と呼ばれる肺に接している筋肉がけいれん(痙攣)することで発生します。

横隔膜と肺との関係を表した図

横隔膜は肺に接しているため、横隔膜が収縮すると、肺が膨張することで、外気の空気を肺に取り入れます。

逆に横隔膜が弛緩すると、肺が収縮し、肺にある空気が外に吐き出されます。

このように横隔膜は肺が持つ呼吸するように体内で運動を行っています。

横隔膜が痙攣することで、それに連動して声帯が閉じて「ヒック」という音がなるしゃっくりが起こります。

 

インコは横隔膜を持たないからしゃっくりをしない

しゃっくりが起こる原因である横隔膜というのは、実は脊椎動物の中で哺乳類のみが持つ器官です

鳥類や爬虫類は同じ肺呼吸を行うものの、横隔膜はありません。

インコはしゃっくりをしない?鳥類には横隔膜がない(セキセイインコの写真)

そのため、インコなどの飼い鳥は横隔膜がないため、横隔膜のけいれんによって起こる「しゃっくり」が起きることはありません。

 

鳥類は気嚢による効率的な肺呼吸を行う

鳥類は気嚢と呼ばれる呼吸器官を備えています。

気嚢は前気嚢と後気嚢の2つあり、それぞれが肺の前後に配置されています。

鳥類が持つ呼吸器官である気嚢の仕組み

2つの気嚢はポンプのような役割を果たしており、空気を吸い込むと後気嚢に吸い込んだ空気が蓄積され、肺に送られます。

逆に後気嚢からの新鮮な空気に押し出され、肺にあった酸素を消費した空気は前気嚢に送られ、呼気として吐き出されます。

この気嚢による肺呼吸は横隔膜による呼吸に比べ、効率的なため、鳥類は気圧が低く空気が薄い高い山の上でも飛行できます。

インドガンが草原で過ごしている様子。インドガンは世界一高い場所を飛ぶ鳥。

そのため、カモの一種であるインドガンなどは世界一高い山脈である8000m級のヒマラヤ山脈を越えが可能です。

 

しゃっくりのような動きをする場合は病院へ

インコは身体の作り上しゃっくりをする生き物ではありません。

しかし、飼い鳥として飼っているとしゃっくりのような症状をするケースがあります。

この場合は、しゃっくりではないため、別の病気の可能性が疑われます。

しゃっくりのような行動が続く場合は、もしかしたら病気のサインであるかもしれません。

そのため、愛鳥がしゃっくりみたいな動きが止まらない時は動物病院で診てもらいましょう。

 

まとめ・終わりに

今回は鳥ビアとして鳥類はしゃっくりをしないことを紹介しました。

しゃっくりが起こる原因は横隔膜のけいれんと言われていますが、実は横隔膜は哺乳類特有のもので、鳥類にはありません。

鳥類は気嚢と呼ばれる器官で肺呼吸を行っているため、しゃっくりが起きることはありません。

ただ、時折インコなどの飼い鳥がしゃっくりのような動きをすることがあり、その場合、病気の可能性もあります。

しゃっくりのような行動が一時的なものでなく、継続する場合は獣医師の診断を受けましょう。