モロヘイヤは緑黄色野菜でもインコには有害なのか?有毒な成分を調査

2018年9月29日インコお世話,鳥に危険なもの

モロヘイヤは緑黄色野菜でもインコには有害な野菜か?

インコの飼育本に与えてはいけない食べ物の中に、モロヘイヤが記載されているものもあります。しかし、インコが食べてはいけない理由については記載が少なく、NGとも書かれていない飼育本もあります。そこで、モロヘイヤがインコに与えてはいけない理由を調査しました。

 

モロヘイヤをインコに与えるのはNGと記載している飼育本

インコの飼い方や飼育方法について解説しているインコ飼育本の中で、副食として、インコにモロヘイヤを与えてはいけない野菜と記載しているものをリストアップしてみました。

これらの書籍のなかで、モロヘイヤがインコにNGな理由について、インコの気持ちと飼い方がわかる本「モロヘイヤは中毒の原因となる」のように記載がありました。

 

コンパニオンバードの病気百科に記載は?

続いて、愛鳥家なら必携の「コンパニオンバードの病気百科」も調べてみました。

コンパニオンバードの病気百科(Amazon)

しかし、モロヘイヤに関する中毒症状の記載などはありませんでした。コンパニオンバードの病気百科は、論文や臨床報告などがあった場合、しっかり記載されます。そのため、モロヘイヤについては、インコなどの鳥での中毒症状について、科学的な論文で研究された情報はなさそうです。

 

モロヘイヤの有毒成分「ストロファンチジン」とは?

モロヘイヤの実や茎にはストロファンチジンと呼ばれる有毒な成分が含まれている

モロヘイヤに有毒な成分が含まれていないか調査してみたところ、「ストロファンチジン」という物質が含まれていました。

ストロファンチジンは、種子や茎に含まれる成分で、食べると中毒症状を起こし、最悪の場合には命を落とすこともあるそうです。日本では長崎県の和牛がモロヘイヤを食べたことで、中毒症状が発症した事例があります。中毒症状として食欲不振、下痢、起立不能、沈欝、体温低下、心拍微弱が報告されています。

ただ、ストロファンチジンは、インコだけでなく、人間にとっても有毒な物質です

 

市販のモロヘイヤにはストロファンチジンは含まれていない

ストロファンチジンは、人間にとっても有毒な物質です。そのため、スーパーマーケットや八百屋で当たり前のように売られているモロヘイヤに含まれていると大変です。

市販されているモロヘイヤの葉にはストロファンジンは含まれていないことを国の研究機関が確認

しかし、販売されているモロヘイヤの葉の部分には、ストロファンチジンが含まれていないことは、農林水産省などの研究機関でも確認されているそうです。自家栽培の場合は、茎や種子を誤って食べないよう注意が必要です。

 

市販のモロヘイヤなら与えてもよい?

モロヘイヤには有害な物質「ストロファンチジン」が含まれているが、市販品の葉の部分には含まれていないため、与えても大丈夫かもしれません。

しかし、もしかしたら、まれに微量のストロファンチジンが含まれているかもしれません。鳥の身体は、人間よりもずっと小さく、体重では1/50~1/100程度です。そのため、ほんのわずかでも危険な中毒を引き起こすことがあります。

マメルリハの寝ぼけた様子

そうした危険な可能性を考慮すると、小松菜などの安全性が確認されている緑黄色野菜を与える方が安全です。モロヘイヤも栄養価は高いですが、リスクを負ってまで与える必要はなさそうです。

 

(追記)モロヘイヤのネバネバがインコに危険と情報提供

Twitterとコメントにて、モロヘイヤの危険性について情報提供いただきました。ある獣医師によるとモロヘイヤの葉を嚙むと粘り気が出て、喉につまって窒息することがあるそうです。また、消化前の食べ物を貯めるそのうで、モロヘイヤの粘り気のために溜まりやすい性質があるそうです。

これまで紹介したモロヘイヤの中毒性以外にも、粘り気による危険性もあるため、インコに与えるのは控えたほうがよいです。

 

まとめ・終わりに

今回、インコの飼育本に副食として与えてはいけない野菜に記載がある、モロヘイヤが危険な理由を調査しました。学術的な論文や臨床報告では、そういった情報はありませんでしたが、種子や茎に含まれるストロファンチジンという成分が、インコだけでなく人間にも有毒でした。しかし、市販品では種子や茎が流通せず、葉の部分なので、ストロファンチジンは含まれていません。

しかし、もしかしたら茎が混じっていたり、葉にも微量の有害なストロファンチジンが含まれている可能性もあります。そうした場合に、インコが摂取すると、中毒症状で死に至る可能性もあります。そうした万が一の事故を防ぐため、モロヘイヤは与えない方がよさそうです。