絶滅危惧種のアカハラワカバインコとは?渡りをする珍しいインコは絶滅寸前

インコ種類

アカハラワカバインコ(オス)が枝に止まっている写真

オーストラリア、タスマニア島に生息するアカハラワカバインコは、絶滅の可能性が高いと言われているインコです。今回、絶滅危惧種として絶滅が危惧されるアカハラワカバインコについて、その特徴と現在の状況についてまとめたいと思います。

 

アカハラワカバインコはオーストラリアの小型インコ

アカハラワカバインコは、オーストラリアに生息している小型のインコです。体長は約20cm程度でセキセイインコよりも少し大きめのサイズです。アカハラワカバインコの英語で、「Orange-bellied parrot」と言います。

アカハラワカバインコ(オス)が枝に止まっている写真(英名はOrange-bellied parrot)

 

アカハラワカバインコの特徴

アカハラワカバインコの特徴としては、オスとメスで見た目が異なる「雌雄異体」が挙げられます。一般的にオスはメスに比べると明るい若葉色の羽が生えています。そのほか前頭部にかけて生えているブルーの羽はオスだけに見られる特徴です。

 

アカハラワカバインコの習性

アカハラワカバインコの最大の特徴は、インコでは珍しい「渡りをする」習性です。普段はオーストラリアの南岸地帯に生息していますが、繁殖期になると、約240km離れたタスマニア島に渡ります。そのタスマニア島にて、繁殖を行い、繁殖期間が終わると、再びオーストラリア南岸に戻っていきます。

世界の鳥類には渡りの習性を持つ鳥は、多く存在しますが、インコの中ではとても珍しいです。インコ科に分類される約350種程度の中で、渡りを行うインコはアカハラワカバインコ含む2種程度とのことです。

 

2018年時点で20羽以下に減少

そんなアカハラワカバインコは、2018年時点で野生の個体は20羽以下まで減少しています。個体が減少する原因については以下のような理由が挙げられていますが、明確な理由については明らかになっていません。

  • インコの感染病PBFDの感染
  • タスマニア島に侵入した外来種に捕食
  • オーストラリアとタスマニア島の渡りに失敗

オーストラリアで最も絶滅が心配される鳥類の一種です。

 

アカハラワカバインコの保護活動も厳しい状態

現在では、アカハラワカバインコの絶滅を回避するため保護活動に取り組んでいます。そのために、タスマニア島には、アカハラワカバインコが繁殖できるような人工の巣を設置したりしています。

タスマニア島に設置されたアカハラワカバインコの繁殖用の人工巣

しかし、個体数が20羽以下まで減少しており、野生個体だけでの回復は厳しく、そう遠くない将来、絶滅の道をたどると言われています。

アカハラワカバインコの様子については、野生インコ写真家・岡本勇太さんが製作されたDVD「Kingdom of Parrot」に収められています。

絶滅危惧種のインコ、アカハラワカバインコ

数少ないアカハラワカバインコの親子が食物を食べ、必死に生き延びようとする貴重な映像が収録されています。

※岡本勇太さんのDVD「Kingdom of Parrot」のレビューはこちら↓

野生インコ写真家・岡本勇太さん製作DVD「Kingdom of Parrot」の鑑賞レビュー

 

まとめ・終わりに

今回、オーストラリアに生息する絶滅危惧種のアカハラワカバインコについて紹介しました。アカハラワカバインコは小型インコで、オーストラリアからタスマニア島に渡りを行う珍しい習性を持つインコです。

しかし、現在ではアカハラワカバインコの個体数が激減し、2018年の時点で野生下では20羽以下まで減っています。保護活動も行われていますが、残念ながら、絶滅の可能性は非常に高く、数年以内に絶滅するとも言われています。ぜひ、保護活動が実を結び、個体数が回復することを切に願っています。