インコの五感【視覚(色覚)、聴覚、嗅覚、味覚、触覚】まとめ
今回、これまでに紹介してきたインコの五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)についてまとめてみたいと思います。
インコの視覚(色覚)
インコなどの鳥類の五感の中で最も発達しているのが視覚です。
フクロウなどの一部の鳥類を除き、基本的に昼行性なので、目から入ってくる情報が重視されました。
鳥類は頭に占める目の割合が哺乳類に比べ大きいため、視力なども高い種類が多いです。
また、鳥類は4種類の視細胞を保有しているため、赤・緑・青の光の三原色に加え、人間が見えない紫外線も捉える色覚をもっています。
人間は雌雄同体のインコを区別できませんが、4色の色覚を持つインコたちはオスとメスの区別がついています。
人間が見えているよりもカラフルな世界で生活しているため、ゴシキセイガイインコのような色鮮やかな羽を持つ鳥がいたり、オスが派手な見た目でメスにアピールするようになっています。
インコの聴覚
インコの耳を見たことがない人も多いと思います。
インコには哺乳類のような耳の器官で音を集める働きをする「耳介(耳殻)」が存在しません。
インコの耳は「耳孔」と呼ばれる穴だけがあり、オカメインコでいうところのほっぺのチークのあたりにあります。
普段は羽に覆われているため、耳孔を確認することはできませんが、水浴びなどで羽がずぶ濡れになったとき見えることがあります。
鳥類が聞き取れる音の可聴域は「16Hz~1万2千Hz」と言われています。
人間は2万Hz、犬は5万Hz、猫は7万Hzまで聞き取れるので、哺乳類と比較すると聞き取れる高音は少ないです。
鳥類は空を飛ぶために身体の構造を徹底的に軽量化を行いました。
その結果、耳の骨も人間に比べ簡略化されています。
しかし、インコの聞き取り能力は高く、仲間同士の鳴き声や飼い主のおしゃべりの聞こえた音を上手に真似することができます。
インコの嗅覚
インコの嗅覚は、哺乳類に比べると未発達です。
これはインコの昼行性という活動スタイルの影響を受けています。
日中に活動する鳥類は見える情報を重視するため、視覚が発達しました。
それに対し、哺乳類は夜行性で目が見えにくい夜に活動していたため、視覚よりも嗅覚や聴覚が発達しました。
インコではありませんが、ニュージーランドの国鳥、キーウィなどは鳥類には珍しい夜行性のため、例外的に嗅覚が発達しています。
キーウィなどの場合は哺乳類に匹敵するほど、嗅覚が発達していると言われています。
インコの味覚
味覚を感じる細胞に「味蕾」というものがあります。
この味蕾細胞が多いほど味覚が敏感であると言われています。
インコの味蕾の数は約350個程度あると言われ、鳥類の中では味蕾の数が多いです。
ただ、人間の味蕾の数は幼児の頃に1万個、成人で5~6千個と言われ、人間に比べると味覚はそれほど敏感ではないようです。
ちなみに、インコは味覚の中で辛味を感じません。実は辛味は味覚で感じているわけではなく、痛覚で感じています。
そのため、トウガラシなどの辛い植物をバクバク食べることができます。
トウガラシなどの植物が鳥類に食べられるように、辛み成分のカプサイシンを生成するようになったと言われています。
インコの触覚
インコの触覚ですが、足のウロコ部分を除いて羽毛に覆われているため、直接皮膚にふれることは少ないです。
羽の中のうちの「毛状羽」という身体の表面に点在している羽がモノが触れると、その時の振動が羽を伝って、皮膚に伝達され、触れたことを知覚します。
また、実はケラチン質の固いクチバシにも触覚の神経が通っており、触られたことを感じることができます。
まとめ・終わりに
これまでインコの五感について、個別に紹介してきたものをまとめてみました。
インコの五感を人間と比較すると、
- 視覚:視力、視野、色覚の点で圧倒的にインコが上回っている
- 聴覚:高音の聞き取り能力がインコの方がやや低い
- 嗅覚:匂いに関しては、未発達
- 味覚:味を感じる味蕾細胞の数は人間が圧倒的に多い
- 触覚:人間などの哺乳類と同程度、羽を通して知覚
インコたちは長い歴史の中で、様々な環境に適応してきた結果、哺乳類とは異なる五感の発達を遂げました。
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