飼い猫の狩猟本能による野鳥・野生動物の被害!家猫は完全屋内飼育が基本
Twitter上のネコを飼っているユーザーが、スズメなどの野鳥や小動物を捕らえてきた画像をアップした件が話題になっています。こうした家猫による野生動物の狩猟は、野鳥の個体数の減少を招き、さらには生態系の破壊へとつながります。飼い猫の狩猟本能と飼育のあるべき姿について考えてみたいと思います。
飼い猫による野鳥・小動物の狩猟被害
Twitter上に、飼いネコが屋外で野生の小動物や野鳥を狩猟してきて、飼い主に見せている写真をアップした件が話題になりました。アップしたユーザーは、「猫には狩猟本能があり、鳥やネズミを狩るのは当たり前」と、野性動物を狩猟することが悪い理由がわかっていないようでした。
外来の捕食動物による生態系の破壊
基本的に日本には、元々猫は、沖縄の西表島のイリオモテヤマネコのような山猫を除き、野生にはいませんでした。しかし、今では猫がペットとして一般的になりましたが、それでも猫は、元々の日本にいた固有種から見れば、外来種の侵略動物です。
今まで日本で暮らしてきたスズメなどの野鳥にとって、猫は脅威以外の何者でもありません。猫の狩猟能力にかかれば、空を飛べる鳥でも狩られてしまいます。その結果、個体数が減少し、固有種の絶滅に繋がります。
過去にもこうした外来生物による生態系の破壊は、繰り返されてきました。
生態系が破壊されることの重大性
生態系が破壊されることの重大性というのは、理解されにくいです。スズメがいなくても困らないという声もあります。しかし、生態系というのは、微妙な関係性の上で成り立っています。もし、スズメがいなくなることで、関係性が崩壊し、害虫の大量発生など、人間が困るという事態も起きかねません。
かつて、お隣の中国では、国の指導者・毛沢東によって、四害駆除運動と称して、スズメの駆除が行われました。たった数日で40万羽のすずめが駆除されました。その結果、スズメが捕食していたハエやイナゴが、すずめがいなくなったおかげで大増殖し、農作物に大打撃が起きました。このように野生動物というのは人間の生活に見えないところで密接に関わっています。
飼い猫は屋内での飼育が基本
かつては飼い猫は外飼い・放し飼いが当たり前でした。しかし、最新の猫の飼育方法は、完全屋内飼育が基本です。すなわち、ベランダなどの住居の範囲内の屋外にも出さず、室内のみの生活させる飼育が当たり前になってきています。
そのため、行動を管理できない状態で、飼い猫を外に出す行為は、誤った飼育方法であると言えます。
「猫には狩猟本能がある」といい、野生動物の狩猟を正当化する人もいます。しかし、そうした猫の狩猟本能を満たしてあげるように、遊びや飼育を工夫することは飼い主の義務です。
屋外では交通事故や感染症のリスクも
屋外に出すことは、野性動物だけでなく、飼い猫にとってもリスクがあります。外には自動車などの危険なものがたくさんあります。交通事故では何匹もの猫が死んでいます。さらに、ボンネットの中や、タイヤの隙間に入り込んだ状態で、自動車が発車して亡くなるケースもあります。
さらに、狩猟対象となる野生動物が、病気を抱えていることもあります。そうした場合に、その生き物を狩った猫が病気に感染する大きなリスクもあります。
ドイツでは、外にいる猫の駆除も
ヨーロッパの環境先進国であるドイツでは、屋外にいる猫や犬は、野生の鳥獣を脅かす存在としてされます。きちんとリードが着いていない=管理されていない猫は、住宅地から300メートル以上はなれた場所であれば、駆除することが法律的に認められています。
こうした合法的な猫の狩猟には、もちろん批判の声もあります。しかし、野性動物を保護するため、生息を脅かす存在を駆除することがドイツで行われていることは、知っておくべきポイントだと考えます。
まとめ・終わりに
今回、SNSで話題になっている飼い猫の外飼いでの狩猟問題を取り上げました。猫の狩猟による野鳥・固有種への被害はとても大きなものになっています。それによって個体数の減少、ひいては絶滅の可能性が浮上しています。そうした野生動物への被害によって生態系が崩れることもあります。
猫の飼育は屋外に出さない「完全屋内飼育」が基本です。猫の狩猟本能は、遊びや飼育法によって飼い主が満たしてあげる義務があります。外飼い・放し飼いをしている人は、一度、適切な飼育方法を鑑みてください。
ディスカッション
コメント一覧
絶滅とか言い過ぎで笑った
鳥が好きなのは分かるけど、それに対するネガティブ要素の排除を原理主義的にやったらあかんのよ。
病気を予防するために外に出さない方がいいってくらいにしておかないとね。
コメントありがとうございます。
今回の記事を読んでいただいて、このコメントですと、議論の意義はなさそうです。
こちらのコメントは差し控えさせていただきます。
こういう記事には必ず、感情的な愛誤派の誹謗中傷が付いてくる。
私は愛鳥でも愛猫でもなく、中立的な環境保護派ですが、環境、地域住民、動物愛護、いずれの観点からも、猫の屋外飼育は地域猫も含めて禁止すべきだ。野良猫を地域猫と言い換えても所詮は野良猫であり、愛誤派が地域住民に迷惑や損害を与えても法的責任を免れる卑怯なシステムに過ぎない。
猫の餌やりはその時点で当人による屋外飼育なので、動物虐待、環境破壊、迷惑行為の3点が同時に成立します。餌やりは猫の飼育=法的な責任の成立と見なし、猫被害に対する賠償責任を負うのが法的にも社会的にも理にかなっている。
それが出来ない日本は、合理的な法治国家としては未熟な失敗国家だと言える。現に行政も無能で全く存在価値が無い。
ネコは野生動物の深刻な脅威
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/7483/?ST=m_news
オーストラリアの猫、毎日100万羽以上の鳥を殺す
https://www.afpbb.com/articles/amp/3145508
放し飼いの飼い猫、野生生物に深刻な被害
https://www.cnn.co.jp/amp/article/35150784.html
ある猫の愛護団体の記事に『「エサやり禁止」は猫問題をかえって悪化させます。』というのがあってギョッとしてしまいました。
関係ない話を同一の問題として扱う詭弁(餌やりしないと生ゴミあさるぞ)、マナー違反者の擁護(餌やりへの糾弾は陰に隠れるだけなので止めろ)、動物愛護団体なのに野生動物に対して全く知識が無いこと(猫の頭数に対して野生動物の頭数がいったいどれほどなのか。ほぼ同じ大きさの狸がいったい何頭なのか。そこら辺の理解が全くないから餌やり推奨のような話が出てくる)、そして猫という動物への理解のなさ(増えるのはすべて捨てる人がいるからだという無茶苦茶な論理。餌をやれば、それだけ動物は増えます)。
ここら辺の話をしても、『野良猫だって生きているんだ!』『猫愛護なんだから、猫のことだけ考えるのは当然!』『猫によって絶滅する動物がいるならその証拠を出せ!』などと全く話になりません。証拠を出すということはすでにその動物は絶滅してしまったということでしょうに。絶滅したら再生できないんですよ。
悪意を持って動物に被害をもたらす存在は許せませんが、それ以上に善意で始まった行為で野生動物を苦しめる人はさらに質が悪いと思ってしまいました。