ワカケホンセイインコの野生化問題についてまとめ~東京・神奈川で繁殖

2018年7月19日鳥ニュース

野生化して目撃が相次ぐワカケホンセイインコ

以前より東京都や神奈川県などの関東地方で、目撃情報が相次いでいたワカケホンセイインコですが、最近テレビなどでも取り上げられニュースで見かけることも増えてきました。そこで、改めて野生化したワカケホンセイインコの問題・経緯についてまとめてみたいと思います。

 

ワカケホンセイインコとは?

ワカケホンセイインコは、インドやスリランカに生息していたホンセイインコの1種です。体長は約40cmと中型サイズに含まれます。長く美しい尾羽が特徴的です。その他に、見た目の特徴としては、興奮すると点目になる瞳と、首の周りに黒い輪が挙げられます。なお、首の周りにある黒い輪は、成鳥のオスによく見られ、メスは黒い輪がない個体がほとんどです。

ワカケホンセイインコのオスの特徴である黒い輪

※ワカケホンセイインコにまとめた記事はこちら→【中型インコ】ワカケホンセイインコのデータ・性質・特徴について

 

ワカケホンセイインコ野生化の歴史

ワカケホンセイインコが日本で野生化したは、元々飼い鳥として飼われていたものが逃げ出したことが原因です。

公益財団法人・日本鳥類保護連盟による調査によると、1960年代から野生化が始まったとの記述があり、国立環境研究所の侵入動物データベースによると、”1969年から東京都23区の西南部で野生化し,数百羽の規模で棲みついている.”とのことです。その後、東京以外にも、愛知、京都、広島などで繁殖した記録がありましたが、現在では、関東以外ではほとんど見られないそうです。

 

ネット上で最も古い文献は1995年

ネット上でワカケホンセイインコの野生化について調べた結果、1995年の東京・大田区環境部が発行した「大田区の自然観察路」でした。大田区にある洗足池において、ワカケホンセイインコが観察できると記載がありました。

大田区の洗足池にワカケホンセイインコが目撃

 

東京工業大(東工大)で群れが目撃

野生のワカケホンセイインコの住処として、東京都目黒区にある東京工業大学(東工大)大岡山キャンパスが有名です。東工大では、1000羽近くのワカケホンセイインコが目撃されるようになりました。この中には、ワカケホンセイインコ以外にも、ダルマインコやボウシインコも生息していることが観測されています。朝日新聞の記事によると、多いときは約1800羽ほど目撃されたとの情報がありました。

しかし、その後、2015年7月ごろから東京工業大学からワカケホンセイインコが姿を消したそうです。東京工業大学で観察された、ワカケホンセイインコは神奈川県の川崎市などにすみかを移しました。

野生化して目撃が相次ぐワカケホンセイインコ

 

2018年に頻繁にテレビニュースに登場

ワカケホンセイインコの野生化については、以前からもテレビニュースでも取り上げられてました。しかし、2018年から頻繁に取り上げられるようになりました。2018年6月28日に日本テレビが紹介した後、7月2日にフジテレビ、7月17日にテレビ朝日と、各キー局がワカケホンセイインコを取り上げました。

東京などの関東で野生化が進むワカケホンセイインコ

中でも、テレビ朝日のワイドスクランブルでは、番組コメンテーターが、「捕まえて5000円で売ればいい、変わり者が買う」といった、良識を疑うような的はずれなコメントを行いました。

ただ、以前に比べ、上野公園などでの目撃情報も紹介され、目撃ポイントが増えています。ニュースでの頻度や、発見場所も増えてきています。そうした意味で、野生のワカケホンセイインコは、都会に適応し、着実に個体数を増やしていることが推測されます。

 

鳴き声や糞害、生態系破壊の恐れを危惧

テレビなどで取り上げられる際に、ワカケホンセイインコが野生化することの問題点として挙げられるのは主に以下の4種類です。

  1. 鳴き声の騒音
  2. 糞による感染症
  3. 農作物の被害
  4. 在来種への影響・生態系破壊

今のところ、捕獲・駆除などの強硬策などの施策は行われていませんが、今後上記の被害に対して、被害を受ける人が増加すれば、駆除が行われる可能性もあります。

個体数が増加すると、同じ地域に暮らす生き物にも影響を与え、生態系の破壊が懸念されます。ワカケホンセイインコ自体は、種子や果実を食べる鳥なので、捕食される生き物はありませんが、エサの奪い合い、競争に破れ個体数を減らす在来種も出てくる可能性があります。

ワカケホンセイインコに対して、行政や自治体がどのような対策を行うのかは目が離せません。

 

まとめ・終わりに

今回、ワカケホンセイインコの野生化について、その歴史やすみかとして有名だった東工大、さらにはテレビニュースでの特集が増えたことを紹介しました。

ワカケホンセイインコは、元々はインドなどに生息するインコでしたが、日本の都会での生活に見事に順応しています。朝日新聞記事の2015年7月に東工大で約1800羽見かけたという情報から3年が経過しましたが、恐らく個体数の大幅な増加が推測されます。

しかし、ワカケホンセイインコには罪はありません。彼らなりに、生き延びるために環境に適応したに過ぎません。難しいとは思いますが、単純な捕獲や駆除といった選択肢ではない対策が望まれます。