【放送後追記】9月24日のダーウィンが来たはモズ特集!「はやにえ」の謎が解明?

2023年9月22日鳥メディア

2023年9月24日(日)に放送予定のダーウィンが来た「“はやにえ”が恋に効く!モズ最新研究」でモズが特集

2023年9月24日(日)に放送予定のNHK総合「ダーウィンが来た!」で、モズが取り上げられます。

小さくてかわいいモズですが、バッタなどの昆虫からカエルなどの小型動物を捕食します。

モズ特有の捕らえた獲物を木の枝などに刺す「はやにえ」について、最新の研究からその理由に迫ります。

※モズ特集「“はやにえ”が恋に効く!モズ最新研究」が放送されたので、放送内容を追記しました。

 

9月24日放送の「ダーウィン来た」概要

  • タイトル:「“はやにえ”が恋に効く!モズ最新研究」
  • 放送日:2023年9月24日(日)19:30~19:58
  • 放送局:NHK総合
  • 番組HP:ダーウィンが来た!(NHK)

2023年9月24日(日)に放送予定のダーウィンが来た「“はやにえ”が恋に効く!モズ最新研究」でモズが特集

ハンターとしても知られるモズ。最大の特徴は獲物を枝先などに刺して置いておく「はやにえ」と呼ばれる行動だ。一体なんのためなのか?謎の生態を最新研究でひもとく。

3頭身のキュートな見た目のモズは、その見た目とは裏腹に肉食のハンターだ。秋、捕まえた獲物を木の枝などに次々と刺していく。おどろおどろしい光景は「はやにえ」と呼ばれるモズ独特の行動。これまで「冬の保存食」とされてきたが、それを覆す新説が発表された。さらに、はやにえを巡るモズ同士の激しいバトルにも遭遇。その裏には秋から始まる長い長いモズの恋の物語があった。不思議で少しロマンチックなモズの生態に迫る。

 

モズは日本に生息する小型鳥

モズ(百舌鳥、百舌)は東アジアに生息している小型の鳥類です。

日本にも生息している小型の肉食鳥「モズ」

日本でも北海道から本州、四国・九州まで各地に生息しています。

全長は20cmほどで、頭部から腹部にかけて淡褐色の色合いの羽に覆われています。

目の付近には黒色の眉状の筋模様が特徴的です。

漢字での名称が「百舌鳥」と書くように、多彩な鳴き声を発し、他の鳥の鳴き声も上手に真似ることができます。

 

小さいながらパワフルな肉食ハンター

小型の鳥に分類されるモズですが、実は肉食です。

バッタやカマキリなどの昆虫に加えて、カエルなどの両生類、さらには鳥類なども捕食します。

モズは小型の鳥類ながら、昆虫やカエルなどを捕食する肉食の鳥類
ダーウィンが来たの次回予告より引用

タカやフクロウなどの猛禽類のくちばしを小さくしたような鋭いくちばし使って、モズは獲物を狩ります。

そのため、モズは「小さな猛禽」と呼ばれています。

 

モズ特有のはやにえとは?

モズには他の鳥類には見られない、「はやにえ」という謎の習性があります。

モズのはやにえについてのマヌールのゆうべのイラスト
ダーウィンが来たの次回予告より引用

モズのはやにえは、生け垣などのとがった小枝や有刺鉄線のトゲなどに、捕らえたバッタやカエルなどを串ざしにする行為です。

季節が秋になるころにモズのはやにえが行われる頻度が高まることが知られています。

しかし、モズがなぜはやにえという獲物を串刺しにするのか理由については特定されていません。

獲物が少なくなる冬に備える保存食という説もありますが、仮説の域を出ておらず、はやにえには謎な部分も多いです。

 

はやにえの謎に最新研究で理由解明?

そんなモズのはやにえに関する最新の研究成果が、ダーウィンが来たで取り上げられるそうです。

最新研究によって提唱された新しい説がはやにえの謎を明らかにしてくれるかもしれません。

鳥類にはモズのはやにえのように謎な行動を行う種類も多く存在しています。

こうした謎な行動はどういった理由で特定の鳥のみが行うようになったのか?

まだまだ分からないことが多いので、モズがはやにえを行う理由が何なのか、放送が楽しみです。

 

秋から始まるモズの恋・子育てにも密着

モズのはやにえが頻繁に行われるようになる秋は、モズたちにとって繁殖シーズンです。

オスのモズたちは激しいバトルを繰り広げて、パートナーとなるメスを勝ち取ります。

ダーウィンが来たの放送紹介「その裏には秋から始まる長い長いモズの恋の物語があった」という記述から、はやにえが繁殖に関係していることが示唆されます。

さらにつがいとなったモズたちが卵を産み、子育てする様子も放送される予定です。

モズが子育てしてヒナにエサを与えている様子
ダーウィンが来たの予告ページより引用

無事モズのヒナが成長して巣立つことができるのかも、ダーウィンが来たの気になるポイントです。

 

(放送後追記)モズ特集の放送内容

今回の身近な鳥であるモズをしゅざいする舞台は大阪府の南東部の集落です。

大阪河内地域の里にやってきた頭でっかちなフォルムがチャーミングな小さな鳥、モズです。

モズは鳥の中でも鳴き真似上手

モズはきれいな鳴き声で鳴き、万葉集にも登場したことがあります。

モズは漢字で「百舌鳥」と書き、他の鳥の鳴き声を真似するのも得意です。

番組の中ではうぐいすやヒバリ、コジュケイの鳴き真似も披露し、鳥界きっての鳴きの名手と紹介されました。

モズは夏場は標高の高い高原などで暮らし、涼しくなる秋になると里に降りてくるそうです。

その理由は里にある田んぼが収穫を終えて、稲刈りが行われるからです。

モズは小型の鳥ながら肉食

秋に稲が刈られると昆虫やカエルが隠れ場をなくして姿を現すため、田んぼはモズの格好の狩り場になります。

カマキリなどの昆虫やカエル、さらには15cmほどある爬虫類のカナヘビまで様々なの動物を見事にハンティングします。

電線にいたかと思うと、地面に向かって一気にダイブし、着地と同時にくちばしで一撃で仕留めます。

モズは小鳥には珍しい肉食で、くちばしをよく見ると猛禽類のように尖っていることが紹介されます。

モズの謎の行動「はやにえ」

そうして捕らえた獲物を電柱まで持っていくと、飛び出たワイヤーの尖った場所に串刺しにしました。

その後も特に食べることはなく、またモズは別の獲物を狩りに行き、同じ行動を繰り返しました。

この獲物を木の枝や有刺鉄線に突き刺す謎の行為を「はやにえ」と解説されました。

秋の間にはやにえを行って食べ物を保存し、冬に備える行為だそうです。

木の枝やトゲ、電柱や杭などの尖った場所のあちこちにはなにえを行い、多いと200個ほどのはやにえを作ります。

はやにえのためモズ縄張り争いが激化

こうしたはやにえを作るために、同じモズ同士で激しい縄張り争いが勃発します。

縄張り争いが繰り広げられるのは、取材場所がはやにえに便利な電柱やくいも多く、田畑など獲物も豊富だからです。

縄張り争いが加速すると、空中での戦いから地上に降りて取っ組み合いまで始まりました。

くちばしで噛みつき合い、がっぷり四つ。

地面を転がりながら互いに譲らず、相手を押さえつけようとします。

足を使って双方頭を鷲掴みにして、くちばしを足で掴んで封じるなど小型の鳥とは思えない激しいバトルです。

取っ組み合いは20分以上続き、現場に残ったモズの口には血がついていました。

ここでヒゲじいから「なぜ激しく縄張りを争う?」と質問がありました。

それに対してナレーションでは、モズの暮らし方が深い関わりがあると説明されました。

モズは肉食ですが、冬になると獲物のバッタやカエルがいなくなるので、大切なのがはやにえです。

はやにえが冬の保存食になるので、はやにえができる尖った場所を縄張りとして確保するために縄張りが激化します。

モズのお気に入りの庭

童謡「ちいさい秋みつけた」でも「よんでる口笛 もずの声」と歌詞の一節に登場します。

今回の撮影でも、田畑と民家が隣接している場所はモズにとって優良物件だそうです。

アンテナや軒下、物干しなど家の周りにあるものも大事な縄張りの一部です。

しかし、それによって近隣の民家で住人の方が大事に育てているバラにモズがはやにえを作ったそうです。

住人の方が植物の枯れ木を触ろうとすると、先端にモズがはやにえしたカエルが刺さっていてとても驚いていました。

そうした庭のはやにえは1月にモズがやってきて、そのままパクリとあっという間に食べていました。

住人の方ははやにえの獲物を忘れているんじゃないかと思っていたそうですが、見事すべてのはやにえを完食したそうです。

これからも住人の方は庭の木々の剪定をする際にははやにえをそのままにしておくとのことでした。

真冬に始まるはモズの恋

第2章は田畑が霜に覆われた2月、冬真っ只中のモズたちはどう過ごしているのでしょうか。

梅の木に現れたモズの足には調査のためにつけられた足輪があります。

梅の木を縄張りにしているので「梅ちゃん」と名付けて観察を行います。

梅ちゃんが梅の木の上にあるアンテナの上で鳴き声を上げながら、あたりをキョロキョロしていると、梅の木にもう1羽のモズが現れました。

もう1羽のモズの目元の黒いラインがないメスで、梅ちゃんの鳴き声を聞いてやってきたようです。

冒頭にモズは鳥の鳴き真似が上手と紹介されましたが、モズは色々な鳴き声を組みわせて自作のラブソングを歌います。

首を左右に振り歌いながらメスのモズに近づくのは求愛行動です。

モズは寒さが厳しい2月に恋の季節を迎えます。

梅ちゃんは腰のツイストを利かせたダンスを披露するも、焦って近づきすぎた結果、メスは逃げてしまいました。

モズのメスはオスの縄張りをいくつも移動して、お見合いを行っていきます。

それから1週間経過して、日の出から鳴き始めた梅ちゃんですが、お腹がすいたのか、畑にいたオケラを捕まえました。

枝に向かうとはやにえにすることなく、ぺろりと平らげました。

2月にはすでにはやにえを食べ尽くすため、恋に全力を注ぐモズにはつらい季節です。

そうして梅ちゃんは再び縄張りにやってきたメスに必死に求愛を行った結果、メスも気に入ってくれたようです。

梅ちゃんが飛ぶとメスのモズも付いてくるようになり、梅ちゃんの恋は実り、カップル誕生となりました。

恋がうまくいかないオスのモズも・・・

残念ながらすべてのモズの恋が実るわけではありません。

となりに縄張りを構えるオスはメスを見つけて、ダンスを開始して一生懸命アピールするも振られてしまいました。

ここでヒゲじいから「なぜこのオスは振られた?」か質問がありました。

ナレーションではモズの失恋の理由として、「はやにえを多く作ったかどうか」だそうです。

梅ちゃんは51個のはやにえを作ったのに対し、振られたオスは17個しかはやにえを作れなかったそうです。

はやにえが多いと歌が上手に?

ここで登場したのがモズの研究を行っている西田有佑博士です。

西田博士がモズの歌の上手さにはやにえが影響しているのではないかと考えました。

はやにえをたくさん食べたオスが歌が上手になっているというのが研究で明らかになってきたそうです。

実際に梅ちゃんとふられたオスの歌を比較すると、梅ちゃんのほうが歌の音波に山が多くあり、早口でメスをひきつけることができるそうです。

はやにえを多くつくると、獲物の少ない冬も栄養をつけて歌を歌い続けることで上達します。

また、はやにえが多いことは狩りが上手な証であり、子育てのうまくいく可能性が高まります。

さらにモズは2回繁殖のチャンスがあるため、1月そうそうにペアを見つけられると、1度失敗しても2度目にできます。

そのため、はやにえがモズの歌の上手さに繋がり、繁殖の成功につながる重要な要素だそうです。

 

まとめ・終わりに

今回、2023年9月24日に放送予定のダーウィンが来た!「“はやにえ”が恋に効く!モズ最新研究」を紹介しました。

小さい体ながら、様々な生き物を狩る肉食のモズが取り上げられます。

モズの特有の行動である獲物を串刺する「はやにえ」についての最新研究からその謎に迫る放送回です。

さらに秋の繁殖シーズンにペアになるためのオス同士の激しいバトルや、つがいになったモズの子育てにも密着取材します。

小さい猛禽と呼ばれるモズのはやにえの謎やあまり観察できない子育ての様子が知りたい方はぜひ番組を視聴しましょう。