【鳥ニュース】オカメインコが聞こえてきた歌に途中から同調して歌える研究結果が発表

鳥ニュース

オカメインコの正面顔写真

愛知大の関義正教授のオカメインコの歌う行動に関する研究結果が、PLOS ONE(プロスワン)という論文誌に2021年9月4日に掲載されました。

楽曲の途中からでも歌うことができ、メロディーに同調できる能力を示す研究結果が発表されました。

愛鳥家の間では気づかれていた能力が、オカメインコによる実験を通じた学術研究としても明らかになりました。

 

オカメインコのメロディー同調の研究概要

今回のオカメインコのメロディー同調の研究は、愛知大学文学部心理学科の関義正教授によるものです。

研究のために行った実験では、オカメインコ6羽がヒナの頃から成鳥になるまで、「ミッキーマウスマーチ」の楽曲を口笛スタイルで聞かせました。

その結果、オス3羽がミッキーマウスマーチを真似て歌うようになりました。

さらに、そのうちオス2羽については、録音していたミッキーマウスマーチの口笛を聞かせると途中から参加して歌い出すようになりました。

インコが歌を真似した上で同調して歌うことは、愛鳥家の間ではそう感じている人も多くいました。

ただ、今回の研究はオカメインコが自発的・能動的にメロディに同調してうたうことを実験的に確かめた点に大きな意義があります。

オカメインコの正面顔写真

オカメインコのメロディー同調の研究結果は2021年9月4日に論文誌「PLOS ONE(プロスワン)」に掲載されました。

※プロスワンは世界最大のオープンアクセスジャーナルとして知られている論文誌です。

 

論文補足動画がYoutubeに掲載

オカメインコのメロディー同調能力の研究結果の論文補足資料として、オカメインコでの実験動画がYoutubeに掲載されています。

冒頭に事前録音されたミッキーマウスマーチを流したところ、5秒あたりから動画に登場するオカメインコが途中部分から一緒に歌いはじめます。

そこからは、見事に斉唱のように録音された歌と息ピッタリに歌っています。

このように楽曲の途中からでも、メロディーに同調して歌える能力が研究結果として紹介されています。

これは人間が歌を歌うときにはよくありますが、鳥類であるオカメインコでも学術的な研究として実験によって確認された点に意義があります。

 

新聞(地方紙・ブロック紙)にも掲載

今回の研究結果が論文誌に掲載されたことについては、いくつかの新聞社がニュースとして報じています。

※いずれも購読者や有料会員限定の記事のため、全文を読むことはできません。

地方紙やブロック紙などでも新聞紙面にも掲載されていることもあり、多くの人々、とりわけ鳥好きの方には興味深い研究であると言えます。

 

研究発表した愛知大・関義正教授のコメント

今回、オカメインコのメロディーに関する研究結果を発表した愛知大学文学部心理学科の関義正教授は、以下のコメントを述べられています。

「人類特有の文化的表現とされる音楽を研究する上で、比較対象となり得る動物が見つかった」

インコ・オウムは哺乳類である人間とは分類が異なる鳥類です。

しかし、その特性は驚くべきほどに類似点があります。

異なる鳥類でもシジュウカラなどには、単語と単語を組み合わせ、文章を作り、仲間(ヤマガラなど別種含む)とコミュニケーションできることが分かっています。

このようにインコやオウムの能力を調べることで、我々人間についてさらなる理解を深められる可能性があります。

 

まとめ・終わりに

今回、オカメインコが曲の途中からでも、メロディーに同調して歌うことができる能力の研究結果が2021年9月4日に論文誌「PLOS ONE」に掲載されたことを紹介しました。

インコを飼っている愛鳥家は愛鳥と暮らしている中で、歌うことに関する高い能力に気づいていましたが、このように学術研究として論文誌に掲載されたのは意義があります。

世の中には愛鳥家は気づいているけど、まだまだ明らかになっていないインコ・オウムの素晴らしい能力がたくさんあります。

今回のオカメインコの歌への同調能力のように、そうした鳥の優れた能力が学術的な面からも実験などを通じ、明らかになっていくのが楽しみです。